もんくうさぎのブログ

もんくばかりでごめんなさい

フランス大統領選

2017-02-20 21:01:37 | 国際・政治
 フランス大統領候補から、久しぶりに聞くまともなせりふ。
「フランスの植民地政策は人類に対する犯罪」
 大統領候補のマクロン氏は、先日訪問したアルジェリアでこう述べたという。
 アルジェリアはフランスによって132年間植民地支配されていた。度重なる抵抗、独立運動。特に1954年から8年間続いたアルジェリア戦争は泥沼化し、100万人の犠牲者を出したという。
 いったい欧米諸国は、かつて植民地だった国に対し正式謝罪したことがあるんだろうか。
 オランダは2005年にインドネシアに対し公式謝罪を行ったそうである。
 一方フランスは2012年オランド大統領がアルジェリアの国会で「長年にわたり根深い不正義と暴力的な仕組みの植民地政策によりアルジェリア国民に対し苦痛を与えた」と発言したものの、謝罪とはいえない。ただ、過去の行為に対するプチ悔恨が認められる。
 そして、今回のマクロン氏の発言。まったくもってその通り、と思う。植民地政策はその土地の資源をかすめとり、住民の利益と尊厳を踏みにじるもの。もろ、人道に対する罪、である。
 21世紀の常識にてらせばしごくまっとうなこの発言にかかわらず、驚いてしまったのは、それに対するフランス世論。反発が起こって、以降マクロン氏は言葉を選ぶようになったとのこと。どうやらフランス国民の大多数は過去、自分たちの国が悪いことしていたとは思っていないらしい。植民地政策は当時における合法的行為で、苦痛どころかその国に進歩と文明をもたらしたという屁理屈はよく聞くが、フランス人は真剣にそんなこと信じてるのか。まあ日本にも一部いるけど、そういうやつ。
 とにかく「正論」を掲げると大統領選に勝てない。自由、平等、博愛を掲げたフランス人権宣言の国の国民がこの程度だから、その他の国の人権意識はいかばかりか。2000年過ぎてオランダがやっとこさ、という状況だから欧米諸国の自己正当化信念は相当根強いのだろう。残念ながら、人権侵害が行われている「途上国」は多い。が、かつての列強諸国が人権のオピニオンリーダーみたいな顔をするたび、まずあんたから悔い改めたらどうか、と言いたくなる。しかも現在の紛争地域はかつての列強の植民地が多い。
「先進国」のスタンスが植民地反省ゼロ、そういう前提で成りたっている今の国際社会。これじゃ世界の恒久平和なんて夢のまた夢。ちゃんと謝らずして、きちんと落とし前つけずして、なんで平和が成立つんだ? 植民地政策を素直に反省して謝罪、それが世界平和への必要最低条件だ。人類全体の人権尊重への第一歩だ。
 ところでフランスはアルジェリア戦争中にサハラで核実験行ったそうな。最近?では図々しくもポリネシアで核実験やってる。植民地の人間の頭上に放射能降らせることも文明化のひとつなのか。放射能は漏れないというなら是非パリの地下でやってほしい。加えてベルサイユ宮殿はトイレがなくてみんな困っていたそうだから、この際思い切って、ベルサイユ宮殿の敷地内に核廃棄物処理場を作ったらどうだ。
 

受験シーズン

2017-02-10 17:55:41 | 教育
 アメリカのトランプ大統領の大統領令。シリアなど7カ国からの一時入国禁止。世界中が猛反発しているこの大統領令関連ニュースは、日本でも連日報道されている。入国者および難民対トランプ=善対悪の二項対立でとらえ、当然自分たちは善の側にいると認識してる多くの日本国民。どっかズレてないか。日本って去年7586人難民申請あった中、16人しか認定してないって知ってた?。超難民鎖国政策に加え、外国人研修制度という名目で「途上国」外国人に奴隷労働に近いことさせてきたわが日本。そんな日本人にトランプ非難する資格あるんかよ。
 同じようなズレを感じるのが文科省の天下り問題。数日前、衆院予算委員会に参考人として出席した文科省前川前事務次官は「文科省に対する国民の信頼を揺るがした。万死に値する」と発言した。国会で大騒ぎしてる一方で、毎度お馴染みの受験の光景が何の影響なく繰り広げられてるのは・・・、やっぱズレですよ。国民は何がどうあっても文科省へ信頼は揺るがないのでは。そう文科省がどんな非教育的態度とろうが、極悪非道のことしようが大学受験という慣行は永遠不滅。今回槍玉にあっがた有名私大以外にも
   「国立大は文科省の植民地」83校に241人出向
 国立大に入学するべく、みんながんばってる。でもさ、国立大への出向は、規則範囲内だからおきて破り天下りと中身同じでも何ら問題ないっていうのはどっかおかしくないか。そこでストイックでひたむきな受験生つかまえて、あんたこんな文科省が背後にいる受験制度そのもの、間違ってると思わんか? と疑問を投げかけるのはヤボで空気読めない大人。受験生がんばれ、勝利は君のものだ、春は近いぞ?みたいなはげましこそが日本社会にマッチしている。
 「万死」偽善的発言を聞きながらうさぎは思った。そろそろ受験とは、大学とは何かを考え直したほうがいいんじゃないか。俗に良い?大学と言われる東京大学でも、世界ランキングは34位。京都大学は37位。いずれも昔よりは順位上がったと言われているが、アジアのほかの大学、シンガポール国立大や香港大、清華大(中国)に負けている。
 本当のところみんな学問したくて大学行くんじゃないのか。○○大学出という身分証が欲しくてやってんじゃないのか。学問に損得勘定持ち込んでいるからこそ、そういう日本国民のホンネ知ってるからこそ組織的天下り文科省がのさばるんじゃないのか。
 そう、弱みを握られた国民は文科省に完全になめられている。あのSPEEDI然り。もんじゅ然り。米軍には外務省と通じて2011年3月14日にSPEEDIのデータが提供されていたのに、原子力安全委員会が始めてこれを発表したのは3月23日のこと。すでに放射能は拡散してしまった後だ。なぜ、すぐに国民に知らせなかったのか。予測であれなんであれ、ないよりはリスク低減につながることは否定できない。実際のところ汚染地図と予測はほぼ重なっておりこれがなされていれば、無用な被ばくが避けられたという。
 自分とこの管轄でありながら事故当初は原子力委員会に丸投げした文科省。こういうとっさの判断ができない、人命よりメンツや責任逃れを優先させる価値観を持った人たちが日本の教育の中心にいることを私たちは肝に銘ずるべきだ。その後出た文科省の大震災検証結果(2012年7月28日)の内容がふるっている。SPEEDIを避難に活用させるかどうかの判断は原災本部の役割とされ文科省は助言しませんでした。おいおい、みんな事故対応で走り回ってるときに「うちにこういうものありますっ。使ってください!」と名乗り上げないと誰も気付かんぞ。SPEEDIの有効性と限界をはっきり認識したい。おいおい開発に100億円もつぎこんだんだろ? 有効に使えなかったら国民に弁償してくれ。
 もんじゅにいたっては、30年以上にわたって1兆円以上の税金がつぎこまれた。で、動いたのはたった250日。発電しながら燃やした以上の燃料を増やすという触れ込みだったが、結局のところ豆電球一個も点灯できず終わった。あとの残ったのは煮ても焼いても食えないもんじゅ燃料の副産物ー高レベル核廃棄物と、核兵器にしか使えないプルトニウム。はっきり言ってオレオレ詐欺より悪質で、被害甚大だ。ボツにするしかないと言われても文科省は次の高速炉データがほしいから短期間運転させてくれと食い下がった。止まったままでも一月あたり電気代が1億円になることもあり、年200億円の維持費用がかかるもんじゅ。このもんじゅ研究開発経験が次の「夢」のエネルギー開発に結びつくなどと到底思えない。あるとしたら利権とメンツの2つだけだ。
 話がそれた。
 がんばってる受験生とそれを暖かく見守る日本社会、それらと文科省天下りの間にあるズレから見えてくること。それは日本はまだまだ学歴社会ってこと。東大を頂点とした大学の序列で人の能力を判断する秩序があって日本人は自分で判断せずに文科省が背後にいる価値観でものを見てるということ。そこに文科省役人(全員じゃなですよ)がつけこみ、利権をむさぼり、その結果日本人はカネをムダにしと命をリスクににさらしているということか。
「やってれんねーよ」と受験生全員が文科省の植民地の大学受験を放り出したらおもしろいのにね・・・