あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

倖いラッキー

2017-11-09 16:42:13 | 日記
匂いのする夢を今日見た。
今まで匂いを感じる夢を見た記憶がない。
どういう夢だったかというとほとんど憶えていない。
自分の今まで何度と見た定番の夢テーマである、「世界戦争」というテーマであった。
世界的な人類選別というものが取り行なわれ、不要な人間は悉く殲滅させられてゆく。
彼らは異星人かもしれない。ノアの箱舟の如く、彼らに不要と見做された人間は次々に殺されてゆくのである。
核爆弾か何かわからないが、わたしの家の近くに閃光が走る。
その時、無事であったが家の敷居が燃えたその匂いをわたしは確かに嗅いだのであーる。
しかし場面は切り替わり、わたしはビルの廊下らしきところに逃げている。
武装した外国人らしき処刑執行者たちは機関銃を持って廊下を練り歩いている。
わたしは廊下の行き止まりのドアのところまで走ったがドアが開かず、彼らに気付かれてしまう。
わたしともう一人見つかった知らない人間がいたが、その人間と部屋に連れてゆかれ、わたしが先に機関銃で滅多矢鱈に打たれて死んだ。
肉体的苦痛を恐れたが、何もなかった。ラッキーだ。
目が醒めて、わたしは想った。
閃光が走った後に、わたしは無事で誰かは死んだだろうという事態に、確かにわたしは心の中で「ラッキーだ」という感覚にホッとした。
しかしその後にはあっさりと殺された。
あのとき、「ラッキーだ」と想わなければ、きっと殺されなかったはずだ。
ラッキーだという考えは、大罪であったので、わたしは殺されてしまったに違いない。
わたしが阿呆だった。わたしが愚かであった。わたしが間違っていた。
わたしはこの世界に、生きる価値もない。
そう見做され、殺された。
そしてこれはわたしだけに限らず、この世界に、「ラッキーだ」と感じる人間は殲滅させられるという預言を、わたしは夢に見たはずだ。
なのでわたしはすべての人類に警告する。
「ラッキーは、大罪だ」そして、
「大罪は、ラッキーだ」









町田康 + The Glory — 倖いラッキー





すべてとすべてとすべてを剥奪されてわたしはラッキー

















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