あまねのにっきずぶろぐ

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ѦとСноw Wхите 第15話 〈架橋〉

2017-06-30 14:20:58 | 物語
前へ進めない。

前へ進むには、あちら側へ渡らないといけない。

あの橋を、あの橋を渡らないと前へ進めない。

Ѧ(ユス、ぼく)は一人で川のまえに立っている。

この川は、どれくらい深いのだろう。

まるで深さが見えない川だ。

Ѧの顔も映さない。透きとおってもいないし、濁ってもいない。

こんな川は見たことがない。

何故ここに、Ѧはずっとあれから立っているだろう。

あれからずっと・・・・・・Ѧはここから動けない。

何も考えないと、涙が時折り流れてくる。

Ѧはすこし、また痩せたみたいだ。

眩暈がする。川の下にも川があり、川はどこまでも川に繋がっているようだ。

彼方(あちら)側には何があるのだろう。

真っ暗で何も見えない。

前へ進まないと。あの橋を渡るのが怖い。

橋を渡るのはよそう。きっと耐えられない。

Ѧは、この川を泳いで渡ろう。

波打つような形の幾何学模様のピンクと白と黒のワンピースを着たѦは川のなかを眠るように泳いだ。

白と黒とピンク、白と黒とピンク、白と黒とピンク、それらが波打っている。

それ以外、何も見えない。

白と黒と薄いピンクのすべてがѦを生き物のように絡めとった。

目を開けるとСноw Wхите(スノーホワイト)がѦを抱っこして川に胸まで浸かっていた。

Сноw Wхите「Ѧ、泳いで渡るのはよしましょう。とても危険なのです。あの橋を渡りましょう」

Ѧは咄嗟に目を伏せて言いました。

Ѧ「ごめんなさい・・・・・・」

Сноw Wхитеの垂れた前髪から、滴がぽたぽたと落ちてくるのがѦには涙に想えてしかたありません。

きっと、Сноw Wхитеはつらいんだ・・・・・・。

Ѧはつらくて顔を上げられません。

Сноw Wхите「なぜѦは謝るのでしょう?わたしの望んでいることなのです。わたしは耐えることができます。それはѦの愛によって耐えることができるのです。わたしが耐えられるなら、Ѧも耐えられるはずです。Ѧを信じてください」

Ѧは悲しくて涙が溢れてきます。

Ѧにとって、本当に成し遂げたいことが、本当に苦しいことだからです。

あの橋を渡ることがつらくてならないのです。

正常な感覚で渡れるように想えないからです。

この川は何ものなのでしょう?

今、ѦとСноw Wхитеは一緒に浸かっています。

温度すら、感じられません。

ѦとСноw Wхитеは何に浸かっているのでしょう。

Сноw Wхитеは、今、人間でしょうか?

人間のようにも見えます。

優しくて悲しそうな目でѦをじっと見つめつづけています。

Сноw Wхите「Ѧ、あの橋を渡りましょう。Ѧが渡るため、わたしが架けたのです。わたしはѦと一緒にあの橋を渡ります。あなたのなかに、わたしがいるからです」

Ѧは何故だかわからないのですが、Сноw Wхитеは何も悪くないのに、Сноw Wхитеを恨んでしまう自分がいることに気づきました。

この得体の知れない川と、闇をしか映さない彼方側と、Сноw Wхитеの存在が同じものに想えてなりませんでした。

Ѧはまだ、俯いたまま返事ができずに、ただただ悲しんで泣いています。

Сноw Wхитеの目さえ、濁っているのか透きとおっているのか、どちらでもないのかわからなくなっているからでしょうか。

何かがずっとゆれ動きつづけていることだけは感じられます。







































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