きりはりへりをり

あまねそうの短歌ブログ。歌人集団「かばん」副編集人。歌集『2月31日の空』アマゾンkindleストアにて販売中

かばん12月号電子版配信のお知らせ

2016年12月25日 | ■お知らせ

かばん史上初! 電子書籍配信開始!

クリスマスの朝、「かばん2016年12月号」が、AmazonのKindleストアにて配信を開始しました! スマホ等でKindleアプリを入れれば、見本誌を取り寄せなくても、「かばん」をお読みいただけます。「実はかばんを読んだことがない」という方、ぜひお読みください。さああなたもポケットにかばんを!

▼Amazonのかばんのページはこちら

▼かばんブログでの電子版のご案内


▼かばんブログにて、編集人のながやさんと特集「描く短歌」チーフの柳本さんの対談



せっかくなので、拙歌集『2月31日の空』を5日間無料にしました。まだの方、ぜひ合わせてお読みください。
▼2月31日の空のページはこちら



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短歌研究 2017短歌年鑑

2016年12月18日 | ■お知らせ

今年も短歌研究の年鑑に3首ほど掲載していただきました。毎年毎年ありがたく思います。


〈変声前〉〈変声後〉のユニゾンで少年二人絆を誓う

痛みつつ残像となる目に映る炎かすかに熱を帯びれば

火を囲む我の背中も暗かろう焼かれる怖さ見届けている


※かばん6月号「野営火」より(「NHK短歌2014年6月号」のものを一部改作)


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氷点下の火(かばん2016年12月号)

2016年12月17日 | 短歌紹介

氷点下【マイナス】の火  あまねそう

ダイアモンドダスト氷の精に触れられて内耳の脈の熱くなりゆく

氷点下【マイナス】の火を見るための雪洞を歩む(いつまで?)同化するまで

火を想う心の在処 青森は古風 北海道は欧風

往く道は暗き白色【ダークホワイト】一歩ごと落ちる照度に目は慣らされて

雪女の似合わぬ大地 夜の吹雪 「サッポロSNOWY」ラジオにて聴く

冷たくも光を含むものとして「雪」の名をもつ中島みゆき

冬にだけ賑う町の真夏日のペンションの壁の劣化した白

除雪車は雪にとけない色のまま真冬日春日夏日真夏日


※ 【 】内は直前の語のふりがなになります。

かつて「かばん北海道」というかばん内のサークルがあり、そこでの題詠を元にして構成しています。いよいよ冬ですね。

今年度のかばんもいよいよ12月号。今号はなんと、かばん史上初、電子書籍(Kindle版)での配信を予定しています。いつでもどこでも「ポケットにかばんを」。



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『空はともだち? 短歌の酵母Ⅱ』

2016年12月12日 | ■お知らせ

ごぶさたしています。一つお知らせです。

11月刊行の、高柳蕗子さんの歌論集『空はともだち? 短歌の酵母Ⅱ』に、一首掲載されました。

低温が冷蔵庫から伝わって空までいって ほら、曇り空

という一首です。歌集『2月31日の空』に入れたもの。空の歌はかなり多いのですが、この一首でした。

〈空〉が水や鏡に映る歌は前から詠まれたが、映るのでなくて、次のように振動でモノが〈空〉と関わるのは新傾向だと思う。

とのコメントの後に紹介されています。ありがたいです。


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野営火(かばん2016年6月号)

2016年07月04日 | 短歌紹介

野営火  あまねそう

精霊を迎えるように野営場のテントほんほん灯りはじめる

火の精の少年二人〈清浄の火〉と〈愛の火〉をトーチに灯す

〈変声前〉〈変声後〉のユニゾンで少年二人絆を誓う

痛みつつ残像となる目に映る炎かすかに熱を帯びれば

火を囲む我の背中も暗かろう焼かれる怖さ見届けている

十七も歳が違えば少年は我に見せおり毟った羽を

焦げついた井桁へ汗をしたたらせ拍動強く我は汚れる

我の中で歳とらぬ君 悲しみは悲しみとしてとっておきたい


※7首目ルビ(汚れる=けがれる)

※初出:NHK短歌2014年6月号(一部改)

・・・・・・

もう2年前になるんですね。NHK短歌に載せていただいたものに一首加え再掲載としました。テーマは「歳を重ねることの葛藤」。僕はあと2か月で40歳です。30-40の10年間を考えると、子どもが生まれたり、転職したり、大きな転機がいくつもありましたが、いろんなことが惰性で進んでいるようにも感じます。このあと10年は、社会的にではなく「自分の中での納得や飛躍」を求めたいなと思っています。

4月より、かばん副編集人になっています。まもなく7月号が出ます。入会や歌会情報等はホームページ等でご確認ください。
▼かばんのホームページ


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みなもと(かばん2016年5月号特別作品)

2016年06月02日 | 短歌紹介

みなもと  あまねそう

隣家との境の砂利に貝がらの混じりてここをみなもとと呼ぶ

はじめての半袖日和に届きおり「件名:キリンレモン」のメール

僕の中の僕の知らないものばかり君は見ていて「好きだよ」と言う

嫌な人と思われたくない僕がいて「そうだよね」「でも」打っては消して

修理せず放っておいたボンネット クロはへこみで寝るのがお好き

窓二枚隔てた僕と少年と夕立見つつたまに目が合う

予備ボタン残らずはめているような理屈ばかりで話してしまう

できるなら「ごめんなさい」と伝えたい自己保身かもしれないけれど

「犯して」という理不尽を受け入れて君と僕との正しさとする

太陽が発した光 午後六時二分 下駄箱にて行き止まり

少年は僕の翼の汚らわしき傷を見つけて視線を逸らす

静寂と喧騒の間に朝顔の蕾ぼそっとひらかれてゆく


・・・・・・

お久しぶりです。前回の更新が12月ですから、約半年ぶりです。(ツイッターはぼちぼちやっていますが……。)

かばん2016年5月号は、久しぶりに特別作品の枠が回ってきました。前回の特別作品は、歌集出版の大きなきっかけになりました。思い入れの深い枠です。

さて、この4月から、「かばん」の副編集人になりました。どうぞよろしくお願いします。



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摘み取られた花(かばん2015年12月号)

2015年12月17日 | 短歌紹介

摘み取られた花  あまねそう

(ありがとう)僕に道を譲ったため追突されたプリウスの人

浄化するための暗闇 冷蔵庫のボトルウォーター取り出して飲む

音もなく光もなくて感覚は僕を感じるためだけに 息

少しでも気を晴らそうと摘んできたスミレは水を吸わずに枯れた

刺されても構わないから 世間とは違うところにいる僕だから

幸せになってほしいと思うんだ。ごめんね優しくしてもらってて

しょうもない僕を誘ってくれるから明日桜よ咲いて君のため

摘み取られ枯れゆくのみの花になり誰かを少しでも癒したい

・・・・・・

かばん12月号に出詠した8首です。

今年の4月にネットプリント「午前三時の庭」に参加した時に出詠した6首に2首加えて出しました(というか、元はこちらの8首でした)。「優しくしてもらうことの後ろめたさ」がテーマなのだろうと思います。

さて、かばん12月号ですが、千葉聡さんと佐藤弓生さんの特集「モーヴ色の雫など」でサブチーフを務め、版下作成をしました。対談の司会やテープ起こしもしたのですが、話をひたすら打ち続ける作業は、そこで発せられている言葉を自分の中に刻みこむ作業でもあり、ひとまわり短歌観が深まった気がします。本誌掲載にあたって、チーフの藤本玲未さんが対談をすっきりとまとめてくれています。かばんを知り尽くしたお二人による対談。ぜひお読みください。


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短歌研究 2016短歌年鑑

2015年12月14日 | 短歌紹介

もう年末。今のところ過ごしやすい冬。寒いのが苦手なので、暖冬は個人的な感覚としては嫌いじゃないです。スキー場は死活問題でしょうが・・・・・・。

JR東日本のSKI SKIの広告のキャッチコピーが、いつもその年の気候を引っ張ってしまうような気がして、少し怖くもあります。

今冬は「そこに雪はあるか。」。雪不足の時にはキツイ・・・・・・。

2年前は「ぜんぶ雪のせいだ。」でしたが、雪害がひどく、関越自動車道が通行止になるなどの被害があった年でした。

言葉に見えない力が込められているようです。


って、前置きが長くなりましたが、短歌研究の2016短歌年鑑に、今年も3首掲載していただきました。ありがたいです。かばん6月号から3首選んでいただきました。

革靴の硬き底には砂浜は柔らかすぎる(オレ、重いんだ)  あまねそう

結論を求めていない足取りで海岸歩く飼い主と犬

結論を知っているかの顔をしたサーフショップの店長が嫌



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文フリ用同人誌「chi 吃【チー】」に参加

2015年11月02日 | 短歌紹介



文フリ販売用の同人誌「chi 吃【チー】」に参加しました。「食」をテーマに、短歌やエッセイが掲載されています。僕は自分の歌集から、給食をテーマにした連作「延長戦」のうち10首と、かばん2010年6月号に出したエッセイ「似て非なるもの」を修正して出しています。


延長戦(抄)   あまねそう

昼休み遊ぶことなく給食の延長戦にひとりで挑む

白衣用ロッカーのなか前の日のシチューのにおい微かに残る


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海、祈り(かばん2015年6月号)

2015年06月09日 | 短歌紹介

初夏ですね。一番好きな時期のひとつです。隅田川沿い、荒川の堤防上、堀切~向島~両国あたりを自転車で走り回りたい気分ですが、とりあえず脳内サイクリングで落ち着かせています。

さて、かばん6月号に「海、祈り」8首を寄せていますので、掲載します。また三浦半島を詠んでいます(2年ぶり5度目)。


海、祈り   あまねそう

消えたいと思い向かえど駄目だともいいとも言わずただ海である

革靴の硬き底には砂浜は柔らかすぎる(オレ、重いんだ)

結論を求めていない足取りで海岸歩く飼い主と犬

焚火する人は見えねど潮の香に焦げの匂いが混ざりて届く

結論を知っているかの顔をしたサーフショップの店長が嫌

みすぼらしい後ろ姿で構わないオレの背中はオレには見えぬ

海を見る眼差しはみな美しく祈りのように何かを許す

結論をすぐには出さぬ足取りで三浦海岸歩く夕暮れ



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