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2024.3.27_DLsiteさんのクレカ圧力への対応について(賛成の立場から)*3/29追記

2024-03-29 12:24:44 | 日常



ご無沙汰しております。
こんなことを書いている時間はないはずなのですが、昨夜、ブルスカの方で、ちょっとした作文か?という分量の文章を書いてしまったので、こちらに上げて、あちらを消します。
備忘録的に。



さて、表題のとおりですが、今回のDLsiteさんの対応については、賛否両論というか意見が真っ二つになっているようですね。
主に批判の内容としては、
  • クレカ会社の意向としては、「性加害表現をやめてほしい」という趣旨だったこと
  • それに対するDLsiteさんの対応は「性加害表現を、あたかも性加害ではないような表現に置換する」だけだったため、対応になっていない、性的コンテンツを扱う会社としての倫理観が疑われる対応である、ということ
  • また、そのような一般的な表現に置換することによって、性加害であることの認識が薄れる、歪む、それで犯罪が生まれたら責任を取れるのか、ということ
だったかな。



それを前提に、雨影としては、DLsiteさんの対応は間違っていなかった、という立場からこの文章を書きます
(また、この文章を書くに当たって必要な事項か不明ですが、雨影は性被害に長年遭ってきたこと、それ自体については現時点でもPTSDとして引き摺っていること、一方で、人類との和解のために、こうした過激な性的コンテンツを含めて楽しんでいることをここに記しておきます。)


以上のことを踏まえて、不快感を覚える恐れのある方は、直ちにブラウザバックなさってください。




















1.販売方法は、あくまで現実とフィクションの分別がつく成人に制限していること
DLsiteさんに限らず、成人向けコンテンツを扱うサイトを利用したことがある方はご存知かと思いますが、サイトに入った段階で「あなたは18歳以上ですか?」の警告があります。
DLsiteさんでは、全年齢向けと成人向けの両方を扱っているので、成人向けの方に入ろうとすると、そのような警告が出ます。
また、各作品の紹介ページには、「フィクションであって、実際に行ったら犯罪です」という警告が書かれている作品も多くあります。
利用者は、そうした警告を了承して閲覧している以上、AVのレンタルビデオ店の暖簾を潜ったことと同じで、その中に存在する作品群は、あくまでフィクションであって現実ではない、もっと言えば、現実にはありえない、ということを理解したうえで、ある種のファンタジー表現としての作品だという共通認識のもと、購入やレンタルをしているのだから、実際の性被害の話と結びつけるのはおかしいだろうと思ってしまいます。


何と書くべきか、一昔前、ゲームに夢中になる若者が、ゲームオーバーして死んでもやり直せるから、現実でも殺人をしてもいい、というゲーム脳になって犯罪者になる、という話が大人の中で流行し、今では、そんな馬鹿げたことこそ有り得ないとほとんどの人が認識しているのと同じではないかと。

そんなに言うなら、例えば、BLでネコ役が処女なのに、ほぼ慣らさずにタチ役が性器を挿入しても、前立腺に当たったからってトんじゃうくらい気持ちいいとか、結腸責めされて喘いじゃう、とかいう表現も全部ファンタジーだし、そういう作品を販売(しかもそうした作品を全年齢が利用できる書店の棚に陳列)していることによって、性知識もあまり無い若い読者が購入しても、「男の尻の穴って処女でも慣らさなくてもいいんだ」という認識には、普通ならないですよね。
それと何が違うのでしょうか。
一方で、もし仮に、そういう認識に歪んでしまって、実際にレイプまがいの性交が起きたとしたら、その作家さんは責任を取れるのですか?なんて、作家さんは聞かれたことがありますか?
あくまでそれは、現実ではなくてフィクションだと分かるだろう、という共通認識があるからこそ、過激な内容のBLでも、性器の表現の修正等をするだけで、商業作品として立派に販売されているんですよね。
逆に、こういう作品たちが、全年齢に向けて(つまり、正しい性知識や一般的な倫理観を習得しているかの有無を問わず)販売しているだけ悪質という見方もできるのではないでしょうか。
特にDLsiteさんは、そういう物事の分別のつく(であろう)成人に限って販売しているのですが、何の問題があるのだろうか。


今回、商業ではエロ表現を控えめにしておいて、その同じ商業作品の同人誌では、R18表現を思う存分、しかもかなりファンタジーを混ぜて描いていらっしゃる某作家さんが、ものすごくこの件を批判していて、あなたにだけは言われたくないな…と思ってしまいました。
何を常識人ぶっているのだろうか……。ご自分のR18作品をご覧になったことがありますか?
成人向けコンテンツの生産者側だけは、この件で意見する立場にないと思います。


2.一部の層のビジネスや表現の自由を、民間会社が制限しようとしていること
また、結局、男女(NL、TL)だろうが百合だろうがBLだろうが、『エロ』『性表現』を求める層が一定数存在して(少なくとも1万人は居るんだよな、DL数の多い作品を見ると)、かつ、『過激な性表現』『無理矢理の関係(客観的に見た場合の「性加害表現」を含む)』を望む層が一定数存在する以上、需要と供給が、物事の分別がつく成人同士で成り立っているんだから、そこにクレカ会社が制限をかけるのはおかしいと思います。
特に、批判する側は、表現が過激な作品こそ、DL数が多い実態をご存知なのでしょうか。
見方によっては、何故か民間会社が、表現の自由を制限しようとしているともとれる。

現状がこうだから、現状追認しろ、という意味ではないです。たかが民間会社が、ある一定の界隈のビジネスだけを否定するばかりか、大袈裟に言えば憲法で守られている表現の自由を制限しようとしていることが問題だと言いたいのです。

しかも先述のとおり、一般的な表現にすることによって、過激な性表現を望まない人が誤って購入する危険性は限りなく低いのです。
購入前にいくつも警告があるのですから。それにも関わらず、どこにも目を通さずに買う人までも守れということですか? そこまで過保護にすべきでしょうか。それは、その人の責任なのではないでしょうか。


3.性加害表現を含むほかの媒体もクレジットカード決済不可とすべきではないかということ
また、今回批判してきた方の意見をそのまま引用するなら、書籍やCD、DVDなどの他の出版物、媒体についても、当然同じことを適用されるはずですよね?
つまり、「どんなにタイトルを一般的な表現に置き換えようが、内容に性加害を含む書籍、CD、DVD等の作品は全て、クレジットカード決済を不可とする」というように。
媒体としては、DLsiteさんだけが攻撃される謂れはないわけですから。
なら、例えば漫画でも、レイプや睡眠姦、痴漢などから始まって、「始まりは最悪だったけど今は愛している」とか、作品の中に、ある種の「スパイス」として、それらの表現が含まれているもの(怒りに任せて強姦するとか)は、枚挙に暇がないほど多数存在しますが、それらはどうしてクレジットカードで決済できるのでしょうか。今回の規制の対象にならないのでしょうか。
また、そうした動きがあった場合、作家さんや読者さんは、どうお考えになりますか?


4.蛇足
DLsiteを利用したことがないからなのか、DLsiteに身内を殺されたのか何なのか知りませんが、現状を知らずに批判したり、それに便乗するのはやめてほしいです。

需給関係についての現状を追認しろという意味ではなくてね。常に現状は再検討や批判が必要です。そうではなくて、販売方法等の現状の方です。これ以上、繰り返しはしませんが。

しかも、それがさも理知的な振る舞いであるかのように、インテリぶるのも……法学部出てるか、法律にちゃんと詳しい人なのかなあ、そうは思えない意見の数々だったのですが。
少なくとも雨影は、法学部出身者かつ、業務上で法律を専門で取り扱う社会人の一人として、かつ人類との和解を目指すために、こういう作品(人間の様々な欲望、本能、感情を露わにする作品を、ジャンル問わず買い漁っている)にお世話になっている「人間もどき」として、DLsiteさんの対応を批判する向きにはどうしても同調できないし、違和感を拭えません。

最初に書いたような過去や現在がある雨影ですが、やはりそういう現実は現実として、フィクションはフィクションとして、心と切り離せる人とそうでない人もいると思います。
雨影はもう過去にほかにもいろいろ、いろいろありすぎて、心と行動を切り離すことが普通になってしまったので(何だか衛宮切嗣さんみたいですね…心と指を切り離すみたい)、今回のことはそのように考えました。
切り離せない人ももちろんいると思うので(自分には切り離せないことが理解できませんが)、人それぞれなのかなあ。

何だか、こういう文章を書いていたら、江野スミ先生の『この世に残酷な物語がある理由』を思い出したし、『亜獣譚』を思い出しました。
自分も、彼ほどではないにしても、「普通」から落伍してしまったから。戻れないところに来てしまっているので。
是非、一度は読んでいただきたい作品です。
『この世に残酷な物語がある理由』はちょい足しだった気がするので、そちらに収録されているのではないかな。


ここからは更に蛇足ですが、「(元々の)この表現だからこそグッとくるものがある」「この文字面だから良い」と思わせられることもあるんだけどなあ。
置換されたのは残念です。
ただ、本当にひよこババアとか動物なかよしとか秘密さわさわとか、今後、利用者として、このジャンルの作品を調べたい、と思ったときに、全然検索ワードとして思い浮かばない表現になってしまったので、これからどうすればいいのか…。


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