ドッグヴィル

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のラース・フォン・トリアー監督作品。

キャスト：ニコール・キッドマン(余談ですがキッドマンが最も美しく撮れている作品だと思います)、ハリエット・アンデルセン
ナレーション担当でジョン・ハート


ストーリー：ギャングから逃れ、小さな孤立した村ドッグヴィルで彼らをやり過ごす主人公グレース。2週間で彼女が村人全員に気に入られることを条件にギャングから匿ってもらうことが決定する。



白線を引いただけの無機質なセット。全く変わったことをやる監督です。壁がなくて全ての事象が透けてみえる感覚は、まるで剥き出しの精神が晒されている様。日常の中に悲劇が平行しているのを視覚的に認知させられるこの手法はそれだけでシニカルです。


この作品は人間の一番美しいところと一番醜いところを赤裸々に映し出します。人間なら誰しもが持つ理性と本能。その矛盾を徹底的に徹っ底的にっ!!テッテイテキニ!!!登場人物の力関係を変化させることによって突っついてきます。ここから人間の美徳と悪徳が状況に応じて顕れるという考えが見受けられます。

ラストで観客は一気にカタルシスを得られるよう仕組まれています。ですがこの快感は間違いなく、罠です。ウヒョォォオオ♪と思った3秒後に自分の醜い姿に気付き凹みます。

トリアーさんは人間不信なのか鬱系の映画しか作ってくれません。色々映画を観てきたつもりですけど、ここまでレイプシーンを不快に撮れる人は他にいないと思います。正直途中で何回も再生を止めようと思いました。
ちなみにこれはトリアーのアメリカ三部作の第一幕。第二幕は『マンダレイ』三幕は『ワシントン』勘弁して!!

キツい内容ですが、一度は観ておくことをお勧めします。それにしても村の名前がドッグヴィルって…尖ってんなぁ(苦笑)


オススメ度：

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