陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

しょうがない人   平 安寿子 

2011-08-10 06:52:51 | 
しょうがない人
クリエーター情報なし
中央公論新社



妹が図書館で借りていた。

   次、読む!読む!   
   いつ返すの?

図書館に返してあげて次借りて来るとしつこく迫ったあげく
貸出期間は2週間でまだあるということで、また借りというか妹が読み終わるや否や浚ってきた。
歳とって、イヤだけど妹と本の趣味が似通ってきた。

ワクワクと丁重に壱ページ目。
書き出しに口あんぐり。

  『日本はこの際、鎖国すべきである』

とある雑居ビルの一室。
サプリメント販売の小さな会社の社長、従業員、パートと気心が知れたおばさん集合のティーブレイクから始まる。
この役職抜きのお友達感覚は女性っぽい。
政治向きの会話はここまでで、
後は、夫愚痴、子育て、介護とお決まりの家庭を巡るゴタゴタで盛り上がる。
全編、おばさんトーク。


それぞれ生きてきて身についた対処法、考え方でコリ固まって動かない中年期。
しょうがない人とは、ここに登場する全員かな?
しかも全員、自分だけが「しょうがない人」でなく周りが「しょうがない人」だと思っている?

夫亡き後、ひとりで会社をきりもりしてきた社長。
主婦で扶養枠を出ないパート主婦。
守られて甘えて生きているとスッパリ友達でもある社長が切って捨てる。
正論だけに腹が立つ。
主婦の苦労はわかるまいといきり立つ。
どこにもありそうな話が延々と続く。

きっぱり短慮即決の妹と
周りの思惑に振り回されて結論は夫任せできたものの、ここに来て夫の自分勝手な考え方に腹を立てる主人公。
役回り順序は反対だけど、妹と私であるようで笑えた。

主婦オンリーで来た人と寡婦になっての私に微妙な溝を感じる昨今。
甘えられる所なき自分からみると、温室で大甘の愚痴を言っているようにしか見えない。
職場でも繰り広げられる順風満帆に育って巣立ったり巣立ちつつある子供、増殖中の孫の話から、有夫愚痴。
どこか白けて聞く気がしない。
毎度、仕事するふりで入らないから職場では浮きまくっている。

特に甘えが日常になっている所為か、
甘えて可愛いと言われた過去が脳裏に張り付いたまま老け、
とうに過ぎた賞味期限切れをお忘れか?甘たれ声で年中しゃべるのが2名居る。
五十女の甘え声だけは、許し難い。気持ち悪い。吐き気すらもよおす。
しかし、職場では逃げ出すわけにも行かず、不快感をぶつけるわけにもいかず、

  「お電話でちゅっ」

「ハイ!」とぶっきらぼうにきっぱり言うくらいなもの。
そこまでの応対ぶりも丁寧なつもりかのらりくらりの甘ちゃん声。
電話向こうの私担当の利用者に恥ずかしい。
早く替われと実際、イラつく。
こいうのに限って、「私は争わないの、平和主義よ」と自分の考えなど言わず
人の意見を聞いてから多数派。主流派に尾っぽを振る。
失敗も他人事。
困ったら自分で処理以前に出来ない自分を全面に出して何でも人に頼る。
人に解決してもらって涼しい顔。責任転嫁ばかり上手。
仕事せずに家に居ろと言いたい。
思えば夫の言うこと聞いていれば間違いなかった、
いや重要事項は夫決済の習い性まま職場に居るのだ。

逆にシングルで60歳まできた女性が川柳会に居る。
昨夜、ギョっとする強気にタジタジ。
   モコが座って居りますコレ→
彼女が書いてくる当番だった。
前月に出した句をこうし板書して張り出し、みんなで秀句を選んで得点を競う(互選)。
(会報用へ選ばれた句を打ち込みのため持ち帰り、またもモコにじゃまされている^^;)


    保育の中で未来を握っている

???
どうやら保育器の「器」が抜けている

    保育器の中で未来を握っている

良い句になる。
選んでいる途中で、誰からか指摘の声があがった。
やおら彼女はキッとなって

   私は書き間違っていません!
   原句がこうなっています!

強い。強すぎる。一歩も引かない。
そうなんだけど、身内の会だからね。ちょっとくらいね…

   「あら?そうね。」

という感じで
書き加えをみんなに図る親切があってもいいんじゃないかとちょっと思った。
思ったが彼女の勢いに誰も何にも言えなかった。
誰だって間違いはあるよねぇ~せっかくの句がもったいない。

強く生きてきたのね。こうしないと潰されそうだった?
定年まで大きな会社にお勤めだったとか聞いたわ。

  「私じゃありません」

まず、そういうの
ウチの職場でもやっている。間違いを認めるとミスの責任が自分になる恐れがある。
まず白という。身の潔白を口にする。
主婦から働くおばさんになってココに一番驚いた。もう慣れたけど。

おっとっと、また話が反れっぱなし^^;
本の感想のつもりがグチのオンパレード

この立場立場で生きてきた身の処し方が
どこかに皮下脂肪みたいに中年期以降まとわりついているらしい。しかもぶ厚い気が…
そこから巻き起こる軋轢やら悩み方やら、
軽妙なタッチで面白おかしく書かれて
まぁ~人それぞれ、しょうがないまま人生ゆくっきゃないのかな?と
読み終われば余計な力瘤が消えている。

思えば、こういう瑣末な人様の様子にいちいち
カリカリくるムカムカする
私が一番しょうがない人なんだねぇ~




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5 コメント

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Unknown (たみちゃん)
2011-08-10 09:45:36
女同士ってのは難しいところがあって、合わないと思うと結構厳しく反り返るところがあるけど、私もみかんさんと似て自分の意思を貫くところがあって・・
ママさんバレーの世界はもっと熾烈でこの私もやってられなかった!
でも、今は人のいいところを探すように努力しています。(あら探しは得意だけど!)
これからの人生、今更性格変わらないし楽しくいきましょう!(^^)!
返信する
賞味期限 (俊介)
2011-08-10 16:12:44
>甘えて可愛いと言われた過去が脳裏に張り付いた>まま老け、とうに過ぎた賞味期限切れをお忘か?
このくだりがとても味があって思わず笑ってしまいました。男性にはとてもこのような味がある文章は書けませんね。
みかんさんならではです。
返信する
こんばんわ (みかん)
2011-08-10 20:16:05
☆たみちゃんへ

>でも、今は人のいいところを探すように努力しています。(あら探しは得意だけど!)

ふはぁあああ\(^o^)/
あれだけ運動神経も
何もかも違う人種だと思っていた
たみちゃんとおんなじだ
こんなんで喜んでいいのかな^^;
「いいとこ」がんばってさがしましょ

☆俊介さんへ

お褒めにあずかって光栄です。
同性に辛辣ですね^^;
心底意地悪い…反省します。
治らないけど

返信する
こんばんは (dorucasu)
2011-08-11 23:53:50
本を読んで自分のことを思うってありますよね。私は今、曽野綾子著の「言い残された言葉」をよんでいます。すっごく言いにくいことをズバズバ書いています。
笑ったりナルホドと思いながら読んでます。
返信する
おはようございます (みかん)
2011-08-12 04:22:29
曽野綾子著の「言い残された言葉」

そうですか?
図書館で探してみましょう。
返信する

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