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Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

劉完素『素問病機気宜保命集』

2015-02-20 | 中国医学の歴史

金代、劉完素(1120-1200)の『素問病機気宜保命集』(1186年)

中風論第10。
「およそ中風では、六経を加減しなければ、治療をしても邪を去ることができない」

「中風で無汗で悪寒すれば、麻黄続命湯が主る(中略)。
太陽経至陰(BL67)を鍼して出血させるが宜しい」

「中風で有汗で悪風すれば、桂枝続命湯が主る(中略)。
風府(GV16)に鍼するが宜しい。以上の2証は太陽経中風である。」

「中風で無汗で、身熱して悪寒しなければ白虎続命湯が主る(中略)。
陥谷(ST43)に鍼して、兌(ST45)を刺すのが宜しい。陥谷(ST43)に鍼すれば、陽明経の賊邪を去り、兌(ST45)に鍼すれば、陽明経の実を瀉す」

「中風で無汗で、身涼しければ附子続命湯が主る(中略)。
隠白(SP1)を刺し、太陰経の賊邪を去る。」

「中風で有汗で、無熱なら、桂枝続命湯が主る(中略)。
太溪(KI3)に鍼するが宜しい。これは少陰経中風である。」

「中風の六証が混淆して少陽経・厥陰経の系につらなり、肢節がけいれんして痛み、またはシビレる場合、羌活連翹続命湯がこれを主る(中略)。
厥陰経の井穴は大敦(LR1)であり、刺すことでその経絡を通じ、少陽経絶骨(懸鍾:GB39)で、灸をもって熱を引く」


これは、『傷寒論』の六経弁証を湯液と鍼灸で同治している。
太陽経:至陰(BL67)、風府(GV16)
陽明経:兌(ST45)、陥谷(ST43)
太陰経:隠白(SP1)
少陰経:太溪(KI3)
厥陰経:大敦(LR1)

 経絡を井穴で通す配穴が多用されている。 

素問病機気宜保命集』薬略第三十二、「鍼之最要」
両脇痛:鍼少陽経、丘墟(GB40)。
心痛:鍼少陰経、太溪(KI3)、湧泉(KI1)、足厥陰経原穴(=太衝
催嘔無度、鍼厥陰大陵(PC7)穴。 
頭痛不可忍:鍼足厥陰、太陽経原穴(太衝、京骨)
(中略)
大煩熱、昼夜不息、刺十指間出血、謂之八関大刺


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