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中国 とっくにクライシス、なのに崩壊しない"紅いの帝国"のカラクリ 何清連、程暁農 著 2017.5.25

2017年12月30日 18時43分43秒 | Atsushi
中国 とっくにクライシス、なのに崩壊しない"紅いの帝国"のカラクリ
何清連、程暁農 著 2017.5.25

《読む目的》中国は何かを知る
《お勧め度》★★★☆☆
《質問》中国共産党は何か?
《発見》中国政府は高度に組織化された完全武装の独裁政権である。その武装力は中国の歴代王朝のなかでもずば抜けている。

《ポイント》
◼︎弱い中国は強い中国よりもいっそう脅威である。オバマ前米大統領
・中国共産党という独裁政府
・数億人の失業者への対応

◼︎共産党資本主義(コミュニスト・キャピタリズム)、盗賊型政権
・中国経済の急速な発展と一時的な繁栄は、共産党資本主義を実行した成果である。
・このモデルは政府に全ての資源(リソース)集中させるために都合が良く、生態環境の汚染や犠牲を顧みず、民生と民衆の健康を無視し、略奪的な方法で経済を高度成長させ、世界最速のスピードでGDPを増加させてきたからである。
・それと同時に「紅い家族」のメンバーと党官僚が公共財を大いに略奪し、私腹を増やしたのである。

◼︎衰退するが崩壊しない
・中国は日々衰えていくプロセスは、中国が外に向けて負の影響を撒き散らすプロセスである。
・例えば海外への中国人の大量移住、環境汚染の外国への流出、国内の矛盾から目をそらすために対外的な衝突を仕掛ける等々である。

◼︎旧体制と大革命 トクヴィルの法則
フランス歴史家トクヴィル
・悪しき政府にとって最も危険な時期とは、一般的に自ら改革を始めるその時である。
・こうした「改革は死を招く」という思考に支配されたまま、中国共産党は専制独裁を維持し、民主化の道へ歩もうとはしないのである。

◼︎人権
・西側諸国の人権はとっくに第四世代に入り、同性愛やトランスセクシャル、トランスジェンダード及びその結婚は保障される時代である。
・ところが中国人は第一世代の人権すら持ち合わせていない。すなわち公民の政治的権利(選挙権、言論の自由、出版の自由、集会の自由)が認められていないのだ。

◼︎中国の政治的特色
・非民選による無責任政治である。
・政府と共産党の首脳はそもそも自らの姿勢による責任をおう必要がないし、数年に1度の総選挙で政権の座を追われる心配もない。
・実際のところ、中国政府の圧倒的な資源吸収能力と協力この上ない鉄腕統治だけが、現在の中国の唯一の安定要因になっているのである。

◼︎専制政府
・中国政府が他国の政府と違う最大の点は、それが専制政府であり、資源を集中させる能力が民主的な政府とはけた違いに強いということである。

◼︎中国国内の反対勢力
・中国政府は高度に組織化された完全武装の独裁政権である。その武装力は中国の歴代王朝のなかでもずば抜けている。
・この世界第三位の軍事大国に対峙する民衆は、刃物類を購入することさえ制限をうけている。
・2015年7月9日から始まった「一斉摘発行動」によって権利擁護活動家が一網打尽にされ、組織的な反対勢力は一掃された。

◼︎アラブの春
・アラブの春に巻き込まれた4か国では、2011年のアラブの春以降にISIS(イスラム国)が登場し、シリアは今なお戦火の最中にある。
・他の3国も革命前の生活水準に回復せず、高失業率は昔のままで、職を持たない大量の青壮年人口が社会不安の要因となっている。
・シリアなどイスラム系諸国の難民がどっと押し寄せたヨーロッパ大陸は混乱の中で「安全」を失ったなった。
・これはアメリカにおける政治的急転換の原因のひとつとなった。(結果トランプ米大統領がうまれた。)
・アラブの春の経験を前にすれば、中国と言う世界一の人口大国に深刻な社会的混乱を出すような民主革命が発生することを望む人はいないだろう。


2017年、本の読み納めです。
世界中が不安定な2017年でしたが、
来年から平和に向かう為にも、他国の状況を理解する努力が必要であると考えています。


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