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リスト・超絶技巧練習曲集 (2)”鬼火”

2017年05月16日 | 名演奏を聴いて思ったこと


(”雪あらし”の続き)

 ”雪あらし”の次は”鬼火”です。
 鬼火とは何でしょうか?辞書を引くと、「夜、しめった土地で燃える、青色の火。燐火。きつねび」(『三省堂国語辞典』第7版)とあります。鬼も火も、それ単独だと力強く激しい漢字なのに、熟語にすると軽やかな響きに変わる気がするから不思議です。
 マイナスとマイナスの数字を掛けるとプラスになります。その逆はありませんが。
 アリス=紗良・オットのピアノは、軽やかな響きから始まります。さながら、モーツァルトの”玉を転がすような”音で奏されています。
 (0:29)メインのテーマに入ります。ここはメチャクチャ難しいと思います。練習曲ですから、普通は全部の音を、つぶを揃えて鳴らすことが目標でしょうが、この演奏はその逆、いやその先を行っています。
 (0:49)左手が、小さなかがり火がよちよち歩きをしているように聴こえます。
 (1:03)のリズムの「ため」も落ち着いています。

 
 もっとも、僕にとって完全に理想的な”鬼火”ではありません。
 もし自分なら、(2:02)から(2:06)にかけては思い切りリタルダント(テンポを遅くする)をかけます。(2:26)では、さらに半分くらいの遅さに落としたいところです。そして(2:39)で一気にもとのテンポに戻してクライマックスをつくるのです!
 しかし自分で鬼火を弾くことはまったく無理でしょう。


 (3:12)柔らかい響きです。曲想は正反対でも、”雪あらし”と同じ魅力があります。
 テクニックの凄味から完全に解き放たれた演奏に驚きを覚えます。これこそ”超絶技巧”だと思わずにはいられない名演です。

 ”雪あらし”、”鬼火”以外では、第1番”前奏曲”が素晴らしいです。抑え気味の響きが上品な前奏曲を創り出しているからです。緩やかに進む、第3番”風景”や第9番”回想”の美しさも印象に残りました。

 (”夕べの調べ”・10番・”狩り”へ続く)

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