青の祓魔師 第６０話「一緒にいるだけで腹が立つのに」 ３

後で花火大会なんで、忙しいみょん。
ざっくり行くぞー。
追記：花火、凄くよかった！！
けど、３０分で終わってしまった。予算なかったのかな。
早く終わり過ぎて、客が皆イオンに雪崩込んで凄い騒ぎに。
出入り口付近が入る客と出る客で満員電車の入口みたくなってしまった。危険。
妙に殺気立ってたし、将棋倒しになってないといいけど。
イオンの一人勝ちみないな花火大会で地元の商店街にまるで恩恵がないのでかわいそう。
イオンがいっそスポンサーになりゃいいのに。

青の祓魔師　第６０話「一緒にいるだけで腹が立つのに」　３

毒に侵されて、血を吐きながら苦しむ出雲。

「出雲ぉ。ムダな抵抗はやめよう？
　九尾に身を委ねればいいんだ。
　その方がきっと楽だぞ？イヒヒヒッ」

外道院の言葉から何とか抵抗しようと出雲は身をよじるが、
九尾の侵食は強く、ついにきつね耳が生え、虹彩も細くなり、指の爪も長くなる。
二本の豊かなしっぽまで伸びた。
何とかこらえようとしても、苦しくて身を仰け反らせ、のたうち回って苦しむ出雲。

「いいぞ、そのチョーシだ！」

高笑いして煽る外道院。
当然、シールドの中だとすぐ拘束されちゃうので、九尾も実験ヤダろうし、
出雲を半殺しにして憑依してもダメだろうに、話し合いの余地なしで九尾は出雲を苦しめ続ける。
稲荷の加護があれば、少しは違うのかしらん。
出雲が九尾と同調できれば、今後の戦いで戦力になるのになぁ。
ウケとミケが復活しても、仲間とヨリを戻しましただけじゃ、相変わらず口ばっかりのツンデレで終わってしまう。
そういう出雲ちゃんがかわいくて仕方ないけど、せっかくの九尾を封じ込んでおしまいはもったいない。
九尾的にも、イルミナティに復讐したるわいって気はあるだろうに。

出雲ちゃんが九尾モードの時は悪女で男たらしっての凄く見たいんですけど(笑)
内部で九尾とこんなのあたしじゃないわ！と真っ赤になって口喧嘩なんて見たいじゃないか。
でも、燐には何か通じなくて、九尾がこいつ、落としてやるわとやる気になったり、
やめてよと言いつつ、出雲ちゃんがイヤなのか？と言われると口ごもったり、
一人葛藤ってかわいくね？（*´▽｀*）

鈍感しえみの双子とどんぶりは結果が見えてるから見ててツライので、
ちょっとだけ（・∀・）ニヤニヤの片思いの方がかわいいわ。


血を吐いて出雲は倒れるが、簡単には屈しない。

「チッ、しぶといな。早く九尾に屈しろ！！」

出雲はこぼれた月雲のお守りを拾って、必死に握り締める。
月雲に縋る事だけが、何とか自我を保ってられる。

（月雲…。
　あたしの大事な妹）

だが、九尾は囁く。出雲の声で。

『でも、もう生きてるのか死んでるのかも判らない』

出雲は今度は親友に縋り付いた。

（朴。
　あたしのたった一人の友達）
『でも本当の事は話せない。
　話したら、きっと私から去ってしまう』

あれ？　朴ちゃんにはある程度の事情は言ってる感じがあったのだが違うのか？

『あたしはずっと一人ぼっち。
　一体何の為に戦うの？
　…生きてるの？』

九尾の毒は心をも蝕む。
出雲は肉体だけでなく、心まで弱っていく。

（もう疲れた…。
　何も彼も…）

志摩の言葉が浮かんだ。

『何も彼も嫌で、防も小猫さんも…。
　…家族も面倒くさくて…ぜーんぶ捨ててしまいたくなってもーてん』

出雲に自嘲の笑みが浮かんだ。

（ふっ…、アンタの言う通り。
　結局あたしも同じね…）

『出雲ちゃんは俺と同じやと思っていたのに…。
　意外やなぁ。怒るんや』

出雲はその言葉に立ち止まった。
志摩は何故わざわざ怒らせるような事を言ったのか。
あの笑顔は意外だと思ってなかった。やっぱりなぁという顔だった。
志摩は出雲の本音を知っていたから、わざと怒らせたのだ。

（なんで、あたし…怒ったんだろ。
　あんな奴ら大嫌い）

出雲は祓魔塾の皆を思い出した。

（考え方も全員違う。
　どいつも自分勝手な奴ばっかりで一緒にいるだけで腹が立つのに。
　
　なのに、あいつらが本当に仲違いするのは
　いっつも嫌だったの）

燐がサタンの息子だと解った時のあの苦い空気。
ギクシャクした絆。
目を合わさないのも、目を伏せるのも、睨みつけるのも皆嫌だった。
新幹線の中で、自ら燐の隣に座ったのは、それを壊したかったのだ。
何やってんの、あんた達って言いたかった。
自分らしくないのに、あの時、出雲は怒っていた。

喧嘩しても、言葉を戦わせても、でも、あそこは出雲の居場所だった。
出雲に向ける皆の笑顔は優しかった。暖かかった。
出雲の事情など知らなくても、彼らは出雲を受け入れていた。

出雲はやっと解った。
怒った理由。
涙がにじむ。

（あたし、あいつらが好きだったんだ）

封じ込んできた暖かく、切ない思いが噴き出してくる。

（本当はみんなみんな大好きだった）

母、月雲、ウケ、ミケ。子狐たち。マリア。
みんな好きだった。
大好きだった。
もっと、子供のように笑って、素直にそう言えたらよかった。
だが、自分以上に少女のような母の前で、冷たい世間の前で
彼女は妹の盾にならねばならなかった。
ただ、どうしても背伸びせねばならず、突っ張っていなければならず、
素直になれなかったのだ。

（大好きだったのに）

憎んだ。信用出来なかった。
自分で。自分で。自分でやらなきゃ。
誰にも頼れない。
頼ってはいけない。
そう思い込んで、必死に踏み止まって、手を払い除けた。

自分で九尾を御せる。

その結果がこれだ。
自分だけで出来た試しなんかなかった。
いつも誰かに助けられていたのに認められなかった。
認めたら、立っていられなかったから。

自惚れて、縋れなくて、自分は強いと思い込もうとした。
そして、全部失った。
今、自分すら失いかけてやっと解った。
素直になれなかったから、何処かで曲がる角を間違えて、
こんな場所で血を吐きながら、後悔して這いつくばっている。


やっと燐は肉塊の海から顔と腕だけ浮かび出た。
ウジウジ悩んでるの飽きたのね(笑)
志摩の言う通り、実験場は真下だった。惨状が見える。

「出雲…！？」

結局、志摩君、殆ど嘘ついてないんやなぁ。
誰かが脚本書いてんだろうけど、志摩君のこれからの役割は何だろ。

『今さら気付いたって、もう遅い』

九尾はほくそ笑みながら、出雲を丸呑みしようとする。
出雲の肉体を支配するために。

（バカなあたし）

出雲の手から力なくきつねのお守りがこぼれ落ちる。
尾が八本に増え、出雲を九尾に変えていく。

「そぉーだヒヒッ、ほら早く。シネッ。
　もうお前が生きてる価値なんてないんだよッッ！！」

外道院が期待に満ちて、出雲を見つめる。
出雲の唇から悲鳴のように喘ぎが漏れた。

「…れか。
　た…すけて！」

誰も助けてはくれない。
だが、それでも少女は泣きじゃくりながら助けを呼んだ。
力のない自分を認めて。
苦しくて、辛くて。
どうしようもなくて。
ボロボロと泣きながら、助けを呼んだ。

その少女を科学者は嘲った。

「シネッ、シネッ。
　ボクの為にシネェェッ」

それをずっと燐は見ていた。
難しい事など解らなかった。
出雲が彼の手を跳ね除けた理由。
志摩が彼を刺した理由。

だが、色んな事が頭から吹っ飛んだ。
出雲が泣いている。
いじめられて、助けを呼んでいる。
それだけでよかった。
あの涙を止めたかった。

激しい衝動が焔となって、青く輝く。

「キャハハハッ、ハッ？」

高笑いする外道院の頭上で天井が凄まじい轟音と共に吹っ飛んだ。
瓦礫が落下し、屍人の肉片が飛び散る。

「うおおおォおおお」

凄まじい形相で鬼神が舞い降りてくる。
燐が共に剣を振り上げながら、吠えた。
青い焔を撒き散らしながら。

次号へ続く。

おおおおおおおおおおおおおおおお！！！！かっこいいいい！！
今回、本気で燐をかっこええと思いました。
主人公だわぁ（*´▽｀*）
やっぱり、こういう状況を蹴散らす男はかっこいいや。キュンキュン。
出雲ちゃんがマジ惚れそうだけど、戦いが終わったら、ふつーの燐に戻っちゃうんだろーね。

志摩くんはさらっと勝呂達と接触したら、すぐどっか行きそう。

外道院くんだけど、そんなに屍人大好きなら、上からどっさり落ちてくる屍人に飲まれて屍人のうんこになるがいいや(笑)
でも、頑張り屋さんだから、反対に屍人を乗っ取ったりして、初の屍人科学者になったら面白いかもね。
大抵のゾンビ研究者はゾンビに食われて終わっておしまいだから。

そろそろ出雲編も大詰め。
イルミナティは正直全然驚異を感じないので、イルミナティ以外の第三勢力が現れ、志摩君はそっちに移動して欲しいです。
つーか、元凶は大体外道院と藤堂(^▽^;)
まぁ藤堂は自分の野望の為、とりあえずイルミナティにいる感じだけど、外道院は色物過ぎだからねぇ(笑)