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官僚の汚職に迫る中国“反腐敗ドラマ”『人民的名義』大ヒット放送中

2017年04月20日 | エンタメの日記
いま中国では「人民的名義」というドラマが大人気です。2017年3月28日からテレビ放送開始(湖南テレビ)、大手動画サイトでも同時配信されています。
ドラマ「人民的名義」(人民の名義/人民的名义 /IN THE NAME OF PEOPLE)



監督:李路 脚本:周梅森 全55話(1話約50分) 出演:陸毅、呉剛、許亜軍、胡静、張志堅 、李光復など大量のベテラン俳優が出演。

京州市という中国の架空の都市の政府官僚による汚職をテーマにしたドラマです。
この種のドラマは「反腐敗ドラマ」というジャンルにあたります。

陸毅(ルー・イー)が演じる反汚職総局の若き局長・侯局長。検察官である親友の不審な事故の謎を追うため、京州市に赴任します。
急速な経済成長を遂げた京州市は、あらゆる領域で汚職が巣食っています。
複雑な人間関係を持つ役人たちの、いったい誰が汚職の黒幕なのか---。



反汚職総局(中国語:反貧総局)は実際に存在する政府機関です。検察機関に属する、官僚・役人の汚職を摘発するための機関です。
地名は架空の省、架空の市になっていますが、警察(公安)、検察、共産党組織、ドラマに登場する政府機関はいずれも実在する機関です。

警察、検察、市長、区長、省委員会(共産党組織)など多数の官僚・役人が登場しますが、誰が汚職の黒幕なのか、なかなか分かりません
汚職はすでに刑事犯罪の域に及んでいます。黒幕つまり犯人は誰かを推理するというミステリー的な側面もあります。

登場人物はいずれも有能な高級官僚ですが、誰が汚職の黒幕であってもおかしくない、つまり全員怪しいというミステリアスなムードの中、話が進みます。

誰が汚職の黒幕なのか?汚職に至った理由と経緯は?
汚職に関わる人物は一人とは限らず、誰が誰を何のために幇助し、どういう利害関係が絡みあっているのか・・・。

脚本とベテラン俳優たちの演技が秀逸で、大人の心理ドラマが繰り広げられます。

分かりやすいヒーローである反腐敗総局の局長よりも、市政府の高官・李達康書記が大人気です。



直情的なところがあるけれど、庶民のためを思う心を持ち、社会と国の発展を願う人間味にあふれた人物です。多くの名ゼリフはネット上でも大流行。



一見普通の大学の恩師と教え子、夫婦、上司部下にみえても、その背後に複雑で意外な人間関係が隠されています。
大人の人間ドラマであり、恋愛要素はほとんどありません。

現実を鋭く描いてはいますが、ドラマとしてのエンタメ要素もあり、汚職役人の隠し財産を暴くシーンなどは、

漫画か!?

と叫びたくなる誇張された展開でした。しかしこんな漫画さながらの賄賂隠匿も「実際にありえる」との声もあります。
なお、予算をふんだんに使った重厚なドラマなので、こんなふうに誇張されたシーンでもチープになりません。

別荘に賄賂を隠匿。冷蔵庫に札束が。





白状した犯人。2階の寝室にもまだお金を隠してあるというので行ってみると・・・。

壁一面の人民元。



ベッドの下にも。



これは本当に漫画チックで驚きを通り越して爆笑のシーンなのですが、そのあと、現場でお金が全部でいくらあるのか、札束を数えるシーンになります。

そのシーンでは、おそらく本当の銀行業務経験者をキャスティングして、お札を高速で数えるさまざまなスキルが映し出されます

こういったディテールのリアリティがすごいのです

その優れた脚本を十二分に表現できるベテラン俳優たちの演技も素晴らしいです。

汚職は現代中国のもっとも大きな問題のひとつです。
ドラマの中では汚職を生み出す社会のありさまがリアルに描かれています。

汚職は急速な経済発展を遂げる上での必要悪なのか。
社会に矛盾があるから汚職が生まれるのか。それとも汚職があるから社会が歪むのか。
もし汚職役人を残さず逮捕したら、出勤できる人が一人もいなくなって本気で困ったことになるのでは・・・。

ということを考えさせられます。

本質的なテーマは、人間にとって本当の幸せとは何かということだと思います。

人々がお金しか信じない。
人間も政府も何も信じない。

という社会はいくら物質的に豊かになっても幸せな社会といえるのか。
理想を失わずに生きることは、本当に不可能なことなのか。

ということを、ドラマ『人民的名義』は描いています。

【おまけ】最近の中国ドラマのヒット作


『三生三世十里桃花』。2017年1月放送。古装ファンタジー。中国で最もヒットしやすいのがこのジャンルのドラマです。
架空の王朝や時代を背景とする色鮮やかな衣装と豪華なセット、CGを駆使した美しい映像が特徴。中国版特撮・・・?
主演は楊幂(ヤン・ミー)と趙又廷(マーク・チャオ)。


楊幂(ヤン・ミー)は中国で最も人気のある女優の一人。潤んだ大きな瞳と整った形の唇がトレードマーク。背が高く古装ものが似合うのが強み。


『微微一笑很傾城』2016年8月放送。
中国イケメン俳優の代表格・楊洋(ヤンヤン)主演。ヒロインは中国女優の鄭爽(ジェン・シュアン)。
オンラインゲームで知り合った大学生の男女が、ゲームの世界と現実を交差しながら恋に落ちるという現代ラブストーリー。
中国では大学生を主人公にしたドラマは意外と少なく、その中でもヒットする作品は更に少ないです。
ヒットしたのは楊洋(ヤンヤン)と鄭爽の人気と支持率の高さの表れといえます。



キャンパスライフとオンラインゲームの世界が巧みに絡み合います。オンラインゲーム、IT、大学生活、非常に中国らしい作品です。

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