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フェス化する中国最大のゲームショウ~2017 ChinaJoy~ 鴻海傘下の“液晶の父” SHARPも登場

2017年11月19日 | エンタメの日記
毎年7月末に上海で開催される中国最大のゲームショウ「ChinaJoy 2017」(チャイナジョイ)に行ってきました。場所は例年と同じく上海新国際展覧中心です。
Chinajoy 2017 場所:上海新国際展覧中心
開催期間:2017年7月27日~30日 一般入場チケット 平日:100元 週末:150元
公式サイト http://2017.chinajoy.net/


開催期間4日のうちビジネス向けが7月27日~29日、一般向けが7月27日~30日です。
ビジネス向けはW館(西館)を専門に使用し一般向けエリアと分かれていますが、日程がかぶっているのでビジネス参加者は一般ブースも参観できます。

Chinajoyは2003年から始まり、今年で第15回目を迎えました。
公式データによると、ChinaJoy2017は、
参加者:のべ32.5万人
展示面積:14万㎡以上
出展作品数:4000以上
となっています。

近年の東京ゲームショウの来場者数が25万人~27万人で推移しているので、規模からいうとChinaJoyが上回ります。

一般公開向けの週末チケットは1枚150元、日本円に換算すると約2400円です。安くはありませんが、上海の商業イベントの入場料の相場から考えると許容範囲内です。
むしろ、150元(2400円)を払う価値のあるおトクなイベントかもと思いました。同じくらいの値段をとっても、もっとしょぼいイベントはたくさんあるからです。

ChinaJoyは毎年7月に上海で開催されます。私は過去3回行ったことがあり、今年を含めて4回行きました。
この15年間、毎年上海で開催しているのに過去3回しか行ったことがないということは、ChinaJoyは「毎年行きたいとは思わない」イベントだったのです。

特に2015年のChinaJoyはあまりにも殺伐としていて、もう二度と行きたくないとすら思いました。
2015年は当時ヒットしていたオンラインゲーム、LOL(League of Legend/中国名:英雄聨盟)の亜流(パクリ)ゲームばかりが出展されていました。
中国のオンラインゲームは、ひとつヒット作が出ると、キャラのビジュアルと名前を変えただけだけの類似ゲームが大量に発行されるという悪習慣があります。
2015年前後は中国ゲーム業界がPCオンラインゲームからスマホゲームへの転換期であり、行き詰まっていた時期です。
過激なコスチュームのコンパニオンも規制され、カメラ小僧の出入りも下火になってきた頃でした。
もうこのまま突破口が見つからずに、ChinaJoyもダメになっていくのかな・・・と2015年に行ったときは思いました。
翌年の2016年はChinaJoyに行きませんでした。
2017年、2年ぶりに行ってみたのですが、これが予想外に面白かったのです。

2017年中国はスマホゲーム業界が絶好調でした。業界自体に勢いがあるのが大きな原因ですが、ひとつのイベントとしてすごく面白かったです。
ChinaJoy 2017は上海新国際展覧中心の全館を使用して行われました。
【会場見取り図】


一般客はE1から入場し、E2、E3、E4と進みます。館を進むごとに、だんだん1ブースあたりのスペースが大きくなっていきます。
展示館をひとつずつ移動していくのですが、実質上、後戻りはできません。
移動方向が制限されているわけではないのですが、会場が広いので体力的に後戻りすることがほぼ不可能です。入口がE1館にあり、出口がN1館を出たところにしかないので、N館のエリアまで行ってしまったら、もうE館エリアに戻る気にはなれません。
そして、E1からE7まで進み、N5からN1まで一方方向に進むに従い、だんだんブース面積が大きくなり、強豪ゲーム会社のブースが登場します。
これはフェスの楽しみ方に似ています。
今年のトリはテンセントかNetEASEか、それとも・・・といったワクワク感があります。

入場すると最初に入る館がE2「CAWAE」テーマ館です。
「中国国際アニメゲーム・派生製品授権展覧会」として、ゲーム会社以外の、アニメ・漫画・周辺グッズ企業が出展するエリアです。
動画サイト、漫画アプリ、フィギュア、ネットライブ配信、雑多な企業が出展しており、カオスでした。

展示ブース同士の間隔が狭すぎたり、通路スペースが僅かしかないのに、その真正面でステージパフォーマンスを始めて渋滞を引き起こしたりと、レイアウトがぐちゃぐちゃでした。この混沌とした雰囲気はどこかで見たことがある・・・・
それは・・・安さの殿堂・ドンキホーテーーー
ドンキホーテみたいな雰囲気の中で、そのジャンルではかなりの知名度のある企業がわらわらとブースを出しているのです。
開催15年にもなる成熟した展示会で、こんな雑然とした賑わいを作り出せるのは、ある意味すごいと思いました。

大手動画サイトYouku


暴走漫画/閲文集団


米漫伝媒/ANIPLEX


コスプレなどのイベントステージスペース。準備時間中。こちらは整然と整備されておりノウハウの蓄積を感じます。


台湾の鴻海グループに買収されたシャープがChinaJoyに登場したことも話題になりました。
シャープはE3館 esmart館に出展。


ロゴ表記は「SHARP POWERED BY FOXCONN」となっています。
「FOXCONN」(富士康)というのは半導体部品のOEMで拡大してきた台湾企業で、シャープを買収した鴻海グループの本体ともいえる会社です。
シャープは鴻海傘下に入ってから3年ぶりに黒字に転じ、中国向けの販売が好調です。最近シャープ製品の宣伝もよく見かけます。
ChinaJoyでも8kディスプレイ製品を中心に大々的に宣伝していました。「液晶の父」としてシャープAQUOSは中国で強いブランド力を持っています。



インテル専門館。インテルはE4館を丸ごと使用。


インテルは競技としてのゲーム、いわゆる「eスポーツ」を全面に打ち出したプロモーションをしています。
eスポーツの国際大会は、パソコンゲームの世界におけるF1のようなもので、CPUの技術革新がより高度なプレイを可能にします。
ゲーミングPC、ゲーミングキーボード、マウスなど、ゲーム向けに設計された商品がPC及び周辺機器の販売を支えており、各社ゲームユーザー向けのプロモーションに力を入れていますが、ChinaJoyでのインテルの戦略はその最たるものとえいます。
eスポーツは日本ではまったく流行っていませんが、中国では非常に流行っていて、世界的にみてもかなり流行っているものです。
インテルの広告イメージキャラクターになっているのは、プロリーグに所属し国際大会でも活躍する中国人プロゲーマーです。

eスポーツは1チーム5人編成で二つのチームが対戦するのが基本。


バンダイナムコ上海。2017年ChinaJoyは大手の集うN3館に見事進出
バンナムカラーのスタッフコスチュームがかっこいいです。バンナム上海のキャラをイメージさせる女の子たちがショーをやっていました。
「ワンピース」スマホゲームの制作陣の登場するイベントを行っていましたが、周囲の中国企業のブースの音響が大きすぎるので、トークショーなどは通常の音量でやっていると声が聞こえないです。特に真向かいのブースが爆音だったので・・・。


中国で根強い人気を誇る「剣網三」(『剣侠情縁』オンライン版Ⅲ)。N3館 西山居。
2009年8月のベータ版リリースから8周年を迎えた「剣網三」、2017年はリマスター版をリリース。
移り変わりの速い中国オンラインゲームの中では粘着度の高いファンを持つタイトル。





スマホゲーム「王者栄耀」(King of honor)が絶好調のテンセント。N2はテンセント館。プロゲーマーのチーム対戦イベント。


N1館を使って今年ChinaJoyのトリを務めたのはNetEASE。
NetEASE(網易/ネットイーズ)ゲームの20年史を紹介するきちんとした展示をしていました。入場制限するほどの人気。


和風スマホRPG「陰陽師」の宣伝は一切行わず、新作ゲーム「荊棘王座」に注力していました。


中国のゲーム業界はテンセントとNetEASE(網易)の二強のシェアが大きすぎて、中小・新規のゲーム開発会社の参入が年々難しくなっていると言われています。

ChinaJoy2017では最新ゲームのほか、VRシステム、先端ディスプレイ機器、ゲーミングPC、動画サイト、フィギュア、周辺グッズなど幅広いジャンルの商品やサービスを知ることができました。体力さえ持てば丸1日いても十分楽しめます。
なぜか入力システム(百度入力法)のブースまでもが自然に出展されている、この器の大きさがChinaJoy2017の魅力です。
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8 コメント

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面白そう! (青い雨)
2017-11-19 06:50:24
こんにちは!このゲームショーはどんなんだろう??ってweiboで見てちょっと思っていましたから、すごく詳しく書いてあって嬉しかったです。こんなにも大規模とは…びっくりしました。中国のゲーム人気は凄いんですね。バンダイナムコのブースもあるとはこれまたびっくり。日本のゲームで陰陽師以外で人気なものはあるのかな?当たると中国だからすごそうですね。
いつも中国の詳しい情報のブログ楽しみです!!ありがとうございました( ^∀^)
青い雨さん (上海阿姐)
2017-11-20 02:05:46
日本のゲームは人気ありますよ。FGO(Fate/Grand Order)も人気ありますし、ナルト、ワンピースなどIP系のスマホゲームも正規ライセンス版が次々とリリースされました。陰陽師は完全日本語音声ゲームですが中国の会社が開発元です。
でも、一昔前の方が日系ゲーム会社の存在感は大きかったですね、SEGAとか出てたし・・・。
去年からバンナム上海がChinaJoyに出展して今年はN3館にすごく大きな立派なブースを出していました。でも今年はDeNAが出てなかったかな・・?
Unknown (MIKI)
2017-11-23 15:26:32
相変わらずのマニアぶり。今度、Yさんのガイドの下、これ系のイベントに参加してみたいですわ^^
MIKIさん (上海阿姐)
2017-11-24 00:48:34
今年のChinaJoyは本当に立派でした。もう記念品目当てで来る人はいなくなりました・・・チケットも高いですしね。。夏普by富士康が大きなブースでハデにプロモーションしていて何ともいえなかったです。買収したとはいえ、中国消費者向けにはシャープのブランド力を全面にアピールしてます。
こんにちは^^ (ゆう)
2017-11-30 10:57:21
落ちゲーくらいしかゲームはしないのでこいういう世界は無知なのですが、
先日TVをつけたら日本のプロゲーマーの方の特集をしていたので見てみました。
そちらは個人戦の大会でしたが、こういうイベントも面白そうですね~。
それにしても上海阿姐さんの記事の詳細さには毎回びっくり!知らないことが沢山でいつも興味深いです^^
ゆうさん (上海阿姐)
2017-11-30 23:42:23
こんにちは!12月9日に許魏洲が上海でコンサートやりますね。チケットが昨日か一昨日発売になってました。
小さい体育館ですがファンクラブ売りでほとんど完売したんんじゃないかな?彼はあのへんのBLドラマで出てきた人の中で歌うまいですね。
へ~! (ゆう)
2017-12-01 10:54:44
上海でコンサートするんですね!
って、9日にコンサートがあるのにチケット発売は最近??日本だと数ヶ月前~1ヶ月前とかなような。
あ、事前にファンクラブでほぼ売っていて、わずかな一般売りがあったということなのかな。
それでも急ですね。ちょっと興味がある程度ではチケット取れるか分からないし日本から行くのは難しそう^^;
余計なお世話だろうけど、許魏洲は歌うんだからタバコ止めればいいのにと思います。メイキング見るとヘビースモーカーぽいなぁと。

2月の上海の件で、旅行代理店とやり取りしているところです。うまく要望が通るといいな。
ゆうさん (上海阿姐)
2017-12-04 01:08:25
許魏洲の上海コンサートは11月29日午前10時からファンクラブ向けに発売開始で、チケット業者は同じ日の15時から発売でした。チケット業者経由ではほとんどチケットが販売されなかったのでは。
中国のコンサートはスケジュールの発表もチケットの発売も割とぎりぎりが多いですね。。

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