Scarving 1979 : Always Look on the Bright Side of Life

1979年生な視点でちょっと明るく世の中を見てみようかと思います。

映画生感想『真珠の耳飾りの少女』

2004年06月27日 02時20分50秒 | 映画
土曜日なのにお仕事という気分を紛らわそう、
美しい作品を鑑賞して心安らかにしようと、
お仕事前、朝一の公開時間で観て来ました。

さて、まず感想を一言で言うと、
ふと立ち止まって見惚れてしまう魅力的な絵画のように、
無意識に心奪われる作品です。

観終わって映画館を出た瞬間、
外の街並みになんとも言えない違和感を覚え、
映画を観ている中で『真珠の耳飾の少女』という絵画作品の世界に、
すっかり浸っていたことに気付きました。

正直に言うと、抑揚の少ない作品で、
派手な展開はありません。

でも、不思議と飽きることはないので、
娯楽映画がお好みの方でも鑑賞出来るとは思いますが、
そうして楽しむ映画ではない気がします。

小さな家族という枠の中だけで、
家族の揺れる感情をそのままに描いています。

それ故に感情の微妙な変化を読み取りやすく、
それぞれの登場人物の想いが、言葉による表現なく伝わってきます。

美術館で絵を丁寧に一筆一筆の線を見つめているような、
そんな細やかさが作品の中に潜んでいます。

その一筆一筆を見落とさないよう、
丁寧に見つめてあげてください。

この作品は、そうした理性と素直な感情とで、
ゆったりと楽しむ作品だと思います。

さて元々、私は絵画的に美しい構図のある映画が好きで、
中でもキューブリックの『バリー・リンドン』は、
物語はともかく、その美しさの面で大好きな映画だったりします。

なので、この作品も、実は物語というより、
むしろ、そんな絵画的なものを求めて鑑賞を決めました。

『バリー・リンドン』の描いた世界が風景画や群像画だとしたら、
この作品は人物画そのものでしょう。

ほぼ全編主人公に近い位置にカメラがあり、
被写体と、被写体にかかる光にのみ焦点を置いています。

また、この作品は『バリーリンドン』のように、
ひとつひとつの構図が美しいか、美しくないかではなく、
作品全体を通して、独特の絵画的な雰囲気を醸し出しており、
絵画作品の世界に、すっかり引き込まれた感じになります。

絵画の中で、嬉しいのか悲しいのか愛しいのか、
複雑な表情を続ける少女の感情の変化を、
ただただ見守っているような気分になりました。

ふと心を洗おうと美術館に絵を観に行くような感覚で、
高尚な気持ちになって、心穏やかに過ごしたい方には、
おススメできる映画です。

それにしてもスカーレット・ヨハンソンの唇、
なぜにあんなにも魅力的なのでしょうか。

それで僕も、風をあつめて~♪

映画違うし。。。

心まで描けるの?

最新の画像もっと見る

コメントを投稿