ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。


『信じる心』を信じて

2016年12月29日 | 中学受験 合格力随想

 ご覧の方にはお読みいただいたことがあるかもしれません。年末恒例の記事ですね。なぜ毎年この記事を掲載するのか。確かに、  受験生へエールとして取り組んでいることは事実です。しかし、この記事に接するたびに、思い出されることがあります。まだ今の形態が手探りだった頃の生徒たちの顔や名前、ともに笑い泣いたこと、怒ったこと、徹夜になったプリント作成や講習の組み合わせなど・・・。つまり、私自身の悪戦苦闘だった日々が甦ってくるのです。そう、そんな時代の気持ちを忘れないように、この記事は毎年掲げられているともいえるのです。今の生徒たちの力を信じるために、私自身の戒めとなるように・・・。

敢えて、本文の訂正はしていません。最初に書いた時の思いが少しでも伝われば幸いだと思っています。

 

『今日から本格的な中学受験日程の開始です。お預かりした小6生のあれこれを思い出していると、以前指導した生徒のことを思い出しました。いい機会なのでここにご紹介したいと思います。

その生徒にはとても憧れている中学がありました。彼はぜひその中学に入りたいと思い、毎日頑張って学習していました。ところが、なかなか成績は伸びません。その中学は難関中学といわれている学校で、どう考えてもそのときの彼の成績では無理な状態だったのです。 お母さんは悩み、彼に言って聞かせました。「あなたの成績では、その中学は無理だ。塾の先生もそうおっしゃっているでしょう。他にもいっぱい、いい中学があるんだし、別の学校を受験しよう」、と。すると彼はポタポタとなみだを落とし、首を横に振って「いやだ。だって、オレそこに受かるもん」といったのです。

  「受かるもんって……、ほら見てごらん。偏差値、こんなに足りてないんだよ」
  「でも、オレは受かるもん」
  「なんで? どうしてそう思うの?」
  「どうしても」
  「だって、ほら、成績のデーターが……」
  「だけど、オレ受かるもん」

なんべん説得しても、同じでした。彼は、「受かるもん」としか言わず、もくもくと学習を続けるだけでした。仕方なくお母さんは決心しました。そこまでいうなら受けさせよう、ダメなのはわかっているけど、とにかく受けて落ちれば彼も納得するだろうと。試験当日、彼は遠足にでも行くような顔で家を出、たくさんの賢そうな受験生を見ても、一向に怯む様子もなく、楽しげに試験会場に消えていったということです。そして翌日の合格発表。彼の受験番号はしっかりと掲示板に張り出されていました。驚くお母さんに、彼は言いました。「ね、受かるって言ったでしょう」と。

お母さんは「あの子ったら、まるで合格するのがわかってたみたい」と、おっしゃっていました。そして、続けられたのです、「とにかく、信じこんでたみたい。絶対に自分は合格するって」。

彼の偏差値はたしかに高くはありませんでした。けれど、彼にはそれを補って余りある才能がありました。それは、自分自身を『信じる力』そしてあきらめずに『努力し続ける力』。きらめくような才能なんかなくたって、この二つの力さえあれば、たいていの望みは叶うのだと改めて教えられた出来事でした。

このことを思い出すと今でも自然と涙がこぼれます。今このとき、このお話を自分の力を信じ入学試験に取り組んでいる全ての受験生に、エールを込めて贈りたいと思います。次の言葉とともに…、『信じる力』そして『努力し続ける力』にこそ神は宿る 』(平成19年1月20日初掲載)

ジャンル:
受験
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