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日本スタイルという形のカホンもあっても良い

2018年10月25日 | 楽器
日本スタイルという形のカホンもあっても良い



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HCO MUSIC (twitterより)
福岡県大川市地域おこし協力隊のおかげで実現したペルーを代表するカホン奏者の1人
Miguel Ballumbrosio Guadalupeさんと日本を代表するカホン奏者の1人 大久保宙さんとの対談
場所はペルーのChincha El Carmen. 大川カホンも使用!
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(私)
仕事でペルーに行ける日が来るとは思いませんでした。





よく日本でのカホンのスタイルは本物ではない
もっとフラメンコをペルーのスタイルという人が多いです。
私自身カホンは独学でスタートしてフラメンコ、民族、ポップスと幅ひろくやってきました。
ただ日本でのスタイルというのはポップスの伴奏(ドラムの代わり)ということが多いです。

私自身はこだわらずいろいろなものを受け入れ自分の中で解釈して自分のスタイルを今確立しようと思っています。

大久保宙にレッスン習いたい人はいつでもウエルカムです。

さて話は戻りましてチンチャに行った時の記事

⬇︎

竹尾 恵介さんの記事です

大久保 宙さんと合流し迎えたペルー十三日目。
今日はチンチャのエルカルメン村訪問という旅の山場の一つだ。
エルカルメンはネグロイド達の暮らす村落で、我々はそこでミゲル・バルンブロシオ氏と会うことになっている。
バルンブロシオ一家は音楽一家として有名で、特に祖父は高名なバイオリニストであり、ペルーで知らぬものがいなかったほどだとうかがった。
無論、当のミゲルさんはペルーで最も有名なカホン奏者の一人でもある。

リマからチンチャまではバスで四時間ほど。リマのバス乗り場で、大川市に住まれるペルー人・マリアさんの妹さんであるカロリナさんと待ち合わせ。その後にチンチャで二人のお兄さん(お名前は恥ずかしながら聞き取れなかった)ともご一緒して、タクシーで40分ほどのところにあるエルカルメン村を目指す。

バスからの眺めは圧巻の一言。砂漠があり、山があり、崖があり、そして海がある。これらが同じ視界に並んでいるのは驚嘆としか言いようがない。

しかし四時間も同じ景色を見ていてはさすがに飽きる。幸いにもバスは空き気味で、居眠りでもしない限りはスリの心配はなさそうである。
実は今日、サッカーの試合があり、ペルー国民は皆それにしか意識がいっていないそうなのだ。なんでも三十年近くぶりにワールドカップに出場できるチャンスであり、今日のアルゼンチン戦を勝てば悲願に大きく近づくらしい。本題ではないのでもう結果を書いてしまうが、0対0でひきわけ。ワールドカップへの切符はコロンビアとの戦いに委ねられたそうだ。さすがは南米、対戦相手がいちいち強豪である。

チンチャからエルカルメン村までの景色は、バスの中とはまた違っていた。
見渡す限りのサバンナと綺麗に区画されたトウモロコシ畑。
崩れ落ちた石橋と渇いた大河。
そして左右に揺れるでこぼこ道を80キロ以上の速度で爆走するタクシー。
正直、かなり怖いものがあった。

エルカルメンと書かれたアーチから20分ほど進むと、ほとんどが平屋ながらも人口の密集している地域に出る。
驚いたのが、中央の広場でカホンに座っている人々、そして陽気に演奏する人々の存在である。
彼らが我々の存在に気づく前から音は聞こえてきたので、観光客向けではなく、そもそも音に溢れた町のようだ。というよりもこの場所に観光で来る人はいないだろう。
カホン以外にも珍しい楽器があったようで、大久保さんも喜んでおられた。

さて、いよいよミゲルさんのお宅にお邪魔することとなる。
壁には写真や絵画が飾られていて、そのどれもが楽器と共にある。音楽で生きてきた家系なのだと察せられた。







カロリナさんの通訳を通じて、ミゲルさんとお話をする。非常に陽気な方だ。

まずは早速、大川カホンを叩いてもらう。飛び出した音は我々の予想を遥かに越えるもので、叩く人間によって音そのものがこうも違うのかと驚かされる。
大久保さんも「この音が出せるなら大川カホンは完成してるといえる」と仰っていた。
同時に「これほどのパワーで叩けるカホン奏者は日本にはいない」とも言われた。そうなると商品としては厳しいものがある。

ミゲルさんの演奏はとにもかくにもパワフルであった。
フラメンコスタイルだと低音の厚みが不足するが、ペルースタイルで演奏したとしても、このパワーで叩くと留め具のひとつがすぐに緩んでしまう。
やはり改善点はまだまだあるのだろう。
しかし楽器開発が多いに進展したように思える。

大久保さんが仰るには、ミゲルさんはそもそも叩き方や指使いからして日本人とは違うようだ。
日本で主流なのは五本指を使ったフラメンコ式だが、一方のミゲルさんが教えてくれたのは、指三本を跳ねさせるように使う伝統的なスタイルだそうだ。
カホンの来歴やどんな環境で生まれたかを切々と語ってくださった。動画としておさめてあるので、大川に戻ったら早速翻訳をしなければならない。

ついでミゲルさんはタップダンスも披露してくれた。
靴と地面だけでなく、跳び跳ねて足の裏を合わせたり、両手や太股を叩いたり、とにかくリズミカルだ。
また、拍子としては四分の四や三分の四でありながら、ひとつのリズムループが非常に長い。拍子の頭が弱音であったり裏拍から入ったり、これが独特のリズム感を形作っている。
四小節、あるいは八小節ほどのリズムバリエーションで一ループとなっているようだ。

曰く、すべてのパーカッションの前にはタップダンスがあり、タップダンスのリズムを打楽器で鳴らしているに過ぎないと語られた。

その後、民族衣装をまとった少女がカホンのリズムにあわせて躍りを披露してくれた。
少女でありながらリズミカルで力強い躍り。これもまたタップダンスのリズムであるらしい。
見事な舞いを見せたあと、少女はソファーの影に隠れてしまった。
けれども帰る頃には再び顔を出してくれた。恥ずかしかったのか警戒していたのかはわからない。



大川から持ってきたウチワとカホンをミゲルさんに寄贈。
その時に何事かを話しかけられたが、どうやらミゲルさんの持っていたカホンと交換しよう、と仰ってくれたそうだ。
この事は帰り道にミゲルさんの奥さんが教えてくれた。



帰る前にミゲルさんの家の前にいた少年と記念撮影。なかなかノリの良い少年だ。
姉妹とおぼしき少女達は恥ずかしがって逃げてしまったが、最終的には好奇心に負けたらしく、写真の端に写ってくれた。
ミゲルさんのお宅で踊ってくれた少女もそうであるが、意外とシャイな子供が多い。

ミゲルさんのお宅からチンチャまで、ミゲルさんの奥さんが送ってくれることとなった。
フランス人の方で、ミゲルさんがフランスに暮らしていたときに出会ったらしい。十五の頃or十五年の付き合い、どちらかだと仰っていたが、正確には聞き取れなかった。

帰り道の途中で、サン・ホセと呼ばれる場所に寄ってくれた。
奴隷達が強制労働させられていた場所だそうで、いまは資料館になっているらしい。
立派な教会と屋敷が隣接し、広大な庭を抱えたなんとも豪奢な建物であった。
大きな絵画や調度品、年代物のタイプライターなどに混じって、拷問道具も展示されている。

屋敷には地下へと続く石段があった。下っていくと天井の低い通路がどこまでも続いている。
この通路は海まで続いており、違法に連れてこられた奴隷達はこの暗く狭く長い道を身を屈めて歩かされたらしい。

また別の地下室では、手錠や足枷などが転がっている。命令を聞かない奴隷が押し込まれた場所らしい。

そうした陰惨な場所と隣接する教会にはネグロイドの神父の像が飾られていた。
どういった意味で置かれているのかはついぞわからなかったが、こうした環境で抑圧されたものを解放するためにカホンが生まれたようであった。

さて、帰りの道程であるが、町には人影がまったくない。
それはなぜか。サッカーの試合が始まるからである。
バスの乗客も片手で数えるほどの女性だけ。
それはなぜか。サッカーの試合をやっているからである。
どうやら私は南米のサッカー熱を舐めていたようだ。

帰りは行きよりも一時間以上早く戻ることができた。
それでも時刻は23時。宿に戻る頃には日付がかわりそうだ。明日も早いのでさっさと寝ることにする。

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(私)
上で少し書かれていますがペルーの伝統的な奏法と日本の奏法は全く違います。
楽器自身も違います。ペルー式のは響き線もないです。(単なる箱です)
フラメンコのスタイルとは違うがフラメンコの方が近いです。

チンチャという町はペルー人も
え そんなところに行ったの?って言うくらい危ないところらしいです(そんな感じなかったですが)
町は黒人(アフリカ系)の人しかいなくてもう国が違ったようです。
またカホンの発祥はペルーに連れてこられた奴隷がタンスなどを叩いたのが始まりということで
実際に奴隷収容所やいろいろ歴史の1ページも見させていただきました。

リズムもいろいろ学びましたが・・・やはりそれらを日本で使うには非常に難しいと思いました。
ただカホンのオリジナルを知っているか知らないかでは全然違う!本当に貴重な機会をいただきました。



別日にペルーのリマでカホンを学びました。
ペルースタイルのフェステコを学びました。みんな飲む、歌う、踊る すごかったです。
ただやはり都心に行くとスタイルは私が留学していたアメリカにもたくさんあったラテン・アメリカのテイストが強く
カルチャーショックは受けませんでしたが大変勉強になりました。(チンチャでのトラデショナルスタイルが強烈すぎた)

この旅でアメリカ・ペルーと行きましたが今の日本でのカホンのスタイルは今のままでいいのかな?って思います。

ドラムの代わり=カホン
そしてもう少しできるようなると少し民族リズムやソロを入れる

素敵なことだと思います。

無理してトラディショナルな形を入れ込むことはないと思う。
フラメンコもそうだったように!

大久保宙

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(お知らせ)
大久保宙 年内最後のライブ決定!

大久保宙ライブ
出演
CHU BAND
望月仁美 (エレクトーン)
海野茜 (スティールパン)
ゲスト
ユッコミラー(サックス)
シンゴ(和太鼓)
まほろ座(町田駅徒歩1分)
12月16日17:00open 18:00start
4000円+ 2order(学生1order) 

予約 http://hcomusic.com/?pid=135720032
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