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結晶を作る技術3 結晶製造の新技術 AKT-AP法

2015年07月01日 | 結晶技術
こんにちは、単結晶からものづくりを創造するAKTサイエンス阿久津です。

前々回「結晶を作る技術1 CZ法」と前回「結晶を作る技術2 FZ法」とでで結晶を作る従来技術について解説してきました。

結晶というのは、高性能デバイスを構成する重要な材料であると同時に、素材の基礎試料として研究開発に欠かせない形態でありながら、結晶技術そのものに課題がありました。

その課題を解決するのが、AKT技術研究所の独自の新技術、AKT-アドバンスドペデスタル(AP)法です。

その構成は、丁度チョクラルスキー(CZ)法とフローティングゾーン(FZ)法の折衷、良いところ取りをしたような形になっています。
まず上下の配置として、下に原材料を焼き固めて作ったペレット、上に種結晶を置きます。上下一直線上で、FZ法を上下逆にしたような形です。

原材料ペレットの上端を赤外線加熱して溶かします。
金属の坩堝を使っていないので、坩堝を保護する必要がないので急速加熱が可能です。融点2000℃程度の材料ならば、1時間もかけてやれば溶かせます。
融液はドーム状の形になりますが、重力に逆らわず原材料ペレットの上に乗っているので、とても安定しています。

ここに種結晶を接触させます。
赤外線の照射範囲をエッジを効かせて絞り込みます。こうして融液の形状を制御すれば、融液が表面超力で維持しきれなくなって垂れ下がってしまうこともありません。 そして、FZ法で問題になった、原料に発生する不安定な溶融も防げます。

種結晶と融液とを十分になじませたら、種結晶を引き上げます。
すると、種結晶に引き続いて結晶が成長して析出してきます。
CZ法に近い工程ですね。

結晶を長く作っていっても、長さ方向の組成は均質なままです。FZ法の概念と同じですね。偏析する結晶であっても、一定の組成の原材料が供給され続けるわけですから、CZ法のように組成がかわり続けてしまうことにはなりません。

さて、まとめてみるとどうでしょう。
CZ法やFZ法で課題とされていたことがまとめて解決できていることがお分かりかと思います。

材料科学の未来を創り出す、そんな技術がAKT-AP法です。
皆様にお見せするためのデモ機がまもなく完成します。
材料科学の新時代の幕開けをどうぞ楽しみにお待ち下さい!


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実用的ナノベアリングカーボン (CCSCモデルファン)
2017-04-01 10:57:19
 最近話題の自己潤滑性金属SLD-MAGICってのは摩擦された表面でグラファイト層間化合物(GIC)の結晶を自己組織化させて耐摩耗性能をアップさせているらしいが、なかなか結晶なんてふつう簡単に作れるものではありませんよね。
科学技術と工学 (プロトタイプ屋)
2017-05-17 01:11:47
 そういうこと。金属って引張ったとき壊れる強度と擦りつけたとき壊れる強度は、後者が圧倒的に低いそうだ。これは水素脆性で説明され、時の水素ブームによって後押しされた。しかし、普通機械は潤滑油でこすられ、油ってのは分子間がスカスカだから大気が入ってきちゃう状態が産業界が一般的に使っているモード。水素より酸素が多いわけ。
 だったら酸素が強度劣化の原因かというと、金属の表面に酸化膜を形成させるむしろ良い働きをする。じゃあ炭素?グラファイトは潤滑性があって無害じゃないのというところでとどまっていたわけだ。そこにCCSCモデルが現れて、カーボン粒子はナノレベルだとダイヤモンド構造が熱力学的に安定だからこういった境界潤滑モード(トライボロジー用語)では、ダイヤモンドが機械損傷の真の起点で、それによって自動車のリコールが起こったり、劣化したエンジンオイルを変えないといけなかったり、もっとも社会的不利益をもたらしているのが機械のコンパクトの阻害要因となっていることなんだ。
 鉄道、船舶、自動車、バイク、航空機、発電機、またその内部に潜むエンジンやパワートレイン、コンプレッサーなどなどのユニットの機械のサイズは何で決まってるのかということになる。①は幾何学的制約(これは人間の乗れない小さなサイズで効率のいい自動車を作っても意味がないというもの。)②強度的制約(これは大学でもものすごく力をいれて行う材料力学で、力を支える部材の断面が小さすぎると機械が壊れますという意味。)③がいま議論している機械部品は擦ると異常に低い応力で破壊するということ。
 ①、②は明確に意識され設計と呼ばれる段階にまで整備されているが、③は産業界の意向も含んだ学派的争いもあって、見解が統一化しにくく、エンジニアは各機械、各部品ごとにバラバラの真実が眠っていてその真実を正確に示す実機試験のみが神であるという。設計とは程遠い、旧約聖書のバベルの塔を思い起こすような状況が機械工学というなかで起こっている。科学は真理を追究するものだが、工学はあらゆる科学を使ってブラックボックスでもいいので実用的な機械を作ることを目標としているところからそういうことが起こってしまう。工学者の主張は「一般理論からこのケースの最適解は導き出せるのか。」と。それに対する逆襲が境界潤滑モードにおけるCCSCモデルなのではなかろうか?
 これが、真実であれば巨額の富が発生するのは間違いないのはたしか。
ピストンピンがいいんじゃない? (低フリクション)
2017-06-28 22:46:31
 内燃機関のパラダイムシフトが期待されますね~。
GIC結晶がトライボフィルム (ハイブリッド)
2017-07-19 13:37:19
 機械工学の本質とはなにか?それは統合力であると思う。細かなことを知らなくても何がボトルネックかということを自覚し、時にはチャレンジすることだ。そのキモとなるパラメータの限界はおおむね材料の耐久性にあったりする。
 この材料は一つの大きな可能性を示している。機械をなぜ小さくできないのかという原理を明確化した。原因が分かればここに勢力を投入しさらなる高みを求められる。地球環境に対する真水の直球勝負がこれから始まる。

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