夜食夜話 (51) プチ・トマト

　プチ・トマトとトマトは、私の中では別物である。といっても、それは形状による食感の違いに過ぎず、味には差がないので、使い道はおのずと同じになる。

　洗ってヘタをとるだけで食べられる点では、ぐうたらな私の食卓には、もっと頻繁に登場してもよさそうだが、前述した「食感」がそれを妨げている。それは果肉に対して「皮」の存在感が大きいのである。丸ごとを、口の中で噛み潰すのは、あまり「いい感じ」ではない。

　それを避けるには、半分にカットしてしまえばいいのだが、そうなると、せっかくの「手抜き」ができなくなる。そんなわけで、登場頻度が、普通のトマトに比べると落ちてしまう。

　通っている店で、エビとともに串に刺して、オーブンで焼くとうい料理があった。オリーブ・オイルと塩だけの味付けで、十分に味わえた。

　もう１軒では、プチ・トマトをベーコンで巻いて、くしに刺して焼き鳥と並べて焼いて出していた。そこでは、熱々のまま出すので、口の中を火傷しないように、冷ましてから食べるように配膳のたびに注意していた。

　不思議なことだが、今はどちらの店も、その料理は出していない。


　そんなわけで、火を通して食べる方法を模索してもよいのだが、今ひとつアイデアが浮かばない。かといって、ネットでカンニングするのは後ろめたい気もする。とりあえず、買い置きの『普通の』トマトを食べきってから考えようと思う。