(原 光訳 2000年、沖積舎、)
ダンテ(1265-1321)の「神曲 地獄」編 第18歌(その5)
◯ローマ人は大赦に雑踏を極めるために、人々はうまく橋を渡れる方法を考え出し、
片側では、すべてのものが顔を城の方へ向けて聖ピエトロへ進み、反対側では山に向つて進むやうにしたが、あれとそつくりだつた。
こつちと向うの鉄色の岩の上では、角の生えた悪魔たちが大きな鞭をもつて、後ろから罪人たちを残酷に打ち懲らしていた。(前回ここまで)
◯最初の鞭打ちで罪人たちの踵がなんと高く上がつたことだろう!第二、第三の鞭打ちを待つものは一人もゐなかつた。
進むうちにわたしの眼は一つの霊に出会つたが、わたしはすぐにかう言つた。「たしかにこのものは見たことがあります。」
それでわたしが熟視するために立止まると、優しい先達もわたしとともに立止まり、いくらか後戻りするのを許してくれた。(つづく)
◯本日、10月1日(日)の日本聖書協会の聖書本文は使徒2・43~47で、その主題は「教会の一致」と。46~47節、「そして、毎日ひたすら心を一つにして神殿に参り、家ごとに集まってパンを裂き、喜びと真心をもって一緒に食事をし、神を讃美していたので、民衆全体から好意を寄せられた。こうして主は救われる人々を日々仲間に加え一つにされたのである。」と。この「一つ」の力は「パンを裂き」にある。キリストの十字架を想起して受ける力である。不思議な力 (ルカ24・35) である。
写真は、9月24日礼拝後墓地において埋葬式が行われた。ご遺族の上に主の慰めを祈ります.