(原 光訳 2000年、沖積舎) ダンテの「神曲 地獄」編 第16歌(カッコ内は筆子、その7)
◯だがわたしは焼き焦がされてしまふので、三人を抱き締めたくてたまらぬ熱望も、恐怖に負けてしまつた。
それから口を切つた、「軽蔑ではなく、ずつと後でしか消え失せぬ苦痛が、あなた方の様子によつてわたしの内に打込まれたのです、
ここにいるわたしの主人の言葉で、走つてくるあなた方の身分の高さが、わたしに察せられるとすぐにです。(前回ここまで)
◯わたしはあなた方の土地のもので、いままでずつとあなた方の働きと尊敬すべき名を、敬愛をこめて口にしかつ聴いてゐたのです。
わたしはこの苦味を後にし、真実を言ふこの先達の約束した、甘い果実を得に行くのですが、まづここの中心まで下らねばならないのです。」
「まだ長い間魂がそなたの五体を導き、そなたの名誉が死後にも光り輝くやうに、」と同じ霊が答へた、(つづく)
◯本日、3月26日の日本聖書協会の、「聖書愛読こよみ」の主題は、「真(まこと)の羊飼い」というものである。
聖書は、ヨハネによる福音書10章11~16節である。その16節にこういう。「わたしには、この囲いに入ってい
ないほかの羊もいる。その羊をも導かねばならない。その羊もわたしの声を聞き分ける。こうして、羊は一人の
羊飼いに導かれ、一つの群れになる。」といわれる。世界の教会は一つ、ここに公同教会の姿が暗示されてい
る。
◯写真は、3月20日、柳川教会で行われた九州中会の議長・書記選挙は、どういうわけか、議長が二回の
選挙に至っても過半数にならず、上位二者の決選投票の選挙方法についての動議が出て、選挙の結果、再
選された澤正幸議長と、挙手で再選された富樫史朗書記である。難産であったがかえって小倉教会無牧事態
に適切な議長となるよう切に祈る。