日本キリスト教会 大分中央教会

1517年、宗教改革による改革派信仰の伝統を引き継ぐ教会です。

プロテスタントとカトリック

2015-12-25 21:47:12 | 大分中央ウィークリー

五、「教会とわたしたち」(341)

4.近代の教会の夜明け ―宗教改革とその後―

つまり貧民救済は教会の慈善の仕事ではなく、大きくは人道的な問題として国家政治の問題であるという社会構造の変革をもたらしたのである。これはそのまま現代の社会にも受け継がれている。カトリック的な意味で慈善行為は自分自身の救いにかかわるという意味での中世的な教会特有の慈善行為であった。その働きを主として修道院が担ってきた。結果として、人の善意によって生活する建前の中世的修道院は廃止され、その施設や基金は没収され、国家の所轄となり、とりあえずは貧民救済のために用いられることになった。以後継続的に国家が責任を持つことになる。働く力のある者は、公的な福祉事業に働き、福祉思想の発展に貢献することになった。宗教改革の「信仰のみ、恩寵のみ」が福祉労働者を(ここまで前回)その社会に職業として根付かせることになった。

信仰の救いが「信仰のみ、恩寵のみ」によってもたらされるとするなら、いわゆるカトリックが主張していた貧者や病人に対する配慮や救護という善行によって救いの確かさを求める道は残されなくなったのであった。これはまた、カルヴァンのジュネーヴでも同じような社会現象となったもので、教会が取り仕切っていた結婚制度がある。カトリック教会の七つの秘蹟のうちの一つが結婚であった。結婚は世俗の問題として教会から切り離して、たとえば近親結婚の禁止など、教会が判断することではなく民事法の元に置いて裁判所の判断にゆだねるものとなった。(つづく)


聖書研究

2015-12-25 21:38:00 | 大分中央ウィークリー

創世記22章5節である。「アブラハムは若者に言った。『お前たちは、ろばと一緒にここに待っていなさい。わたしと息子はあそこへ行って、礼拝をして、また戻ってくる。』」という。4節の「三日目になって」行く先は「モリヤの地に行きなさい」(2節)との命を受けて出かけたのであるから出発点ベエル・シェバからモリヤ(「エルサレム」代下3・1)まで直線距離で約70キロ、山道であるから80キロぐらいが正解であろう。 

また、聖書では「三日目」は決定的なときを示す神が、神としてその姿または力を現す(ホセ6・2、マタ16・21他)神学的用語となっていることも知っておく必要がある。

 6節である。「アブラハムは、焼き尽くす献げ物に用いる薪を取って、息子イサクに背負わせ、自分は火と刃物を手に持った。二人は一緒に歩いていった。」という。「薪を取って、息子イサクに」とある。このときのイサクは乳離れしてからおおよそ10年ぐらい経ったころと思われる。 

自分に背負わされる薪をかついで父アブラハムと一緒に歩くのであるが、その薪が何の目的を持つものであるのか判断できない年頃ではなかった。また、父親のアブラハムは、危ない「刃物」と厳しい役割を果たす「火」を持つということはどういうことかよく知っていた。この二人が並んで歩くところに、読者に心の痛み(つづく)


牧 会 通 信

2015-12-25 21:33:01 | 大分中央ウィークリー

 

ダンテの「神曲 地獄」編 第12歌(カッコ内は筆子、その5)(原 光訳 2000年、沖積舎)

◯かうしてあの岩石の積み重なりを踏み下っていくと、岩石はしばしばわたしの足の下でつねならぬ重さのためにぐらついた。

わたしが考へ込みながら下つてゐると、師が言つた、「恐らくそなたはいまわたしが消したあの獣の怒りが監視してゐる、この岩崩れのことを考へてゐるのだろう。

では知るがいい、わたしがこの前ここから地獄の底へ下つたとき、この岸壁はまだ崩れ落ちてゐなかつたのだ。(ここまで前回)

◯が、わたしの考へ違へでなければ、たしかに、ディテ(地獄の王)から上の圏へあの大きな獲物を奪ひ去つた、御方が来られた少し前に(キリストの十字架の時を指す)、

この戯れた深い谷がくまなく震動した(マタイ27・51)ので、わたしは世界が愛の力を感じたのかと思つた、なんども世界を混沌に変へると

あるものが信じてゐる愛の力を。その刹那にこの古い岸壁がここや他の所でこのように崩れ落ちたのだ。(つづく)

 

◯2015年12月13日は、今年の第五十一主日。日聖協「聖書愛読こよみ」は「愛は神より」という主題である。ルカ1章5~25節、その13節、「天使は言った。『恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリザベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。』」と。この世のすべての出発点は神にある。 

◯写真は11月24日より12月25日まで、JR大分駅前、全天候型広場で、連夜のクリスマス演奏会および独唱