明鏡   

鏡のごとく

「夜の片付け」

2016-12-10 20:38:37 | 詩小説
夜になっても片付かない。

実家に積もっている何十年もの時間を片付けていた。

一晩で片付けられるような代物ではない。

次々に重なっていくものたちへの偏熱は冷めてもなおほこりとともに散りぬらん。

新聞と押し紙の軌跡。

ものからものへのシフト。

脱皮しそこねた亡骸のような服。

私のいなくなっていた家の時間を断捨離。

ありがた迷惑なのはわかるが、ありがたくないほこりはふりはらうにこしたことはない。

生ゴミ袋7袋の時空間。

もえない塵の時空間は恐ろしいまでに増殖し一人では太刀打ちできない。

せめて父母くらいは清々しき朝を迎えるように最後を迎えることくらいは介添えする覚悟で。




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