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キリスト教の特徴が何かといえば

2017-11-30 22:55:49 | 旧世界史10 近世西洋

木曜

キリスト教もイスラム教も、同じ一神教である。
一神教の特徴を一言でいうことは私にはできないが、キリスト教の特徴が何かといえば、それは科学的思考を発展させたことであると思う。
神という一つの原因からすべてのものが発生し、それが未来にわたって因果関係によってすべてを決定していくという考え方である。
ルターやらカルヴァンの宗教改革において発生したプロテスタンティズムの考え方はこの傾向をますます強めた。
特にカルヴァンの考え方では人間の死後、救われるか否かは太古の昔から決定されているという予定説を生み出した。
古くは、キリスト教成立以前の古代ギリシアにおいて、アリストテレスに見られるような自然科学的思考が発生していたが、それを保存していたイスラーム文化が中世の終わりに流入することにより古代ギリシア文明が再認識され、再生を意味するルネサンスを経て、その思考法がキリスト教の一神教的発想と結びついた。
したがって、科学的思考そのものはキリスト教特有のものではないが、それを一つの思考法として社会全体が共有しそれを深めたのは、西欧キリスト教社会特有のものであった。

このように一つの原因から、因果関係によって連鎖反応を起こし、一つの定まった結果をもたらすという考え方は、近代科学の一つの原因と一つの結果を結びつける考え方と似ている。

神によってすべてが決定されている。
それは人間世界に限った事ではなく、神がこの世を作ったのであるから、地球上の大気現象や自然現象さらに天体や宇宙そのものまで、神が太古の昔から決定していることになる。
人間の歴史はこの神によって定められたレールの上を、ただたどっているだけになる。

この考え方は近代以降の科学の発展をもたらしたが、現代では原因と結果の間には、不確定な要素が混入していると考えられている。
物理学の不確実性理論というものもその一種である。


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