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幕末の『志士』とは何なのか 1

2017-08-25 10:00:10 | 幕末の「志士」とは何

金曜日

伊藤博文など明治の元勲と呼ばれる人々は、若い頃は幕末の『志士』と呼ばれた。
彼らのほとんどは下級武士出身である。
下級武士がどうやって藩論を牛耳るまでに成長し、日本を西洋化する明治の元勲にまでなったのか。
彼らの行動は今もって断片的にしか分かっておらず、多くの謎に包まれている。
この謎の多さが彼らの特徴であると言ってもいい。

西郷隆盛は、藩主島津斉彬のお庭番として登用された。
身分が低いから、座敷に上がることができないお庭番である。
しかし本当はそんなことではない。
お庭番とは、諜報活動が役目である。そうは言えないからお庭番といっているだけだ。
諜報活動とは一言でいえばスパイである。
スパイなどというと、小説の読み過ぎかと人は思ってしまうが、どこの国でも政治と諜報活動は切っても切れない関係にある。
古くは忍者である。漫画にでてくる分身の術などは使えなかったのかもしれないが、諜報活動を行う忍者は江戸幕府以前から厳然として存在した。それを疑う人はいるまい。
江戸城の半蔵門は、服部半蔵の半蔵門である。伊賀出身の忍者の家柄である。
戦前の日本でも、陸軍中野学校といえば、スパイの養成機関であった。
イギリスのMI6、アメリカのCIAなど、現在でも諜報機関は現存し、我々の知らない情報をしっかりと握っている。いや本当の情報はここだけに集められているといっても過言ではない。
そういう現実を見る目を切り落とされてしまったのが、戦後の日本だ。

スパイは捕まっても口を割らない。そして黙って殺される。秘密は墓場まで持って行く。そしてそのことは誰にも知らされない。
そういう役回りは上級武士にはさせられない。
それは下級武士の役なのだ。

伊藤博文はもともと農民である。それが足軽という最下層の武士になった。英国大使館に火をつけ、人を殺している。その後、「長州ファイブ」としてイギリスに密航している。その資金源は謎である。(映画「長州ファイブ」の説明は子供だましである。)
坂本龍馬は土佐の脱藩浪人である。やはり下級武士である。
佐賀の江藤新平も手明鑓(てあきやり)という最下層の武士である。彼は脱藩して京都に赴いたが、藩に戻ると死刑にもならず、蟄居処分になっている。そして不思議なことにその蟄居機関の間にも他藩で政治活動をした記録が残っている。

彼らの本当の仕事は何だったのか。
諜報活動である。つまり日本流にいえば忍者であり、西洋流にいえばスパイである。

幕末の志士とは何なのか、わかりやすくいえば幕末の忍者である。
だから明治維新は秘密のベールに包まれている。
本当の明治維新はまだ何も分かっていない。

イギリスの武器商人で長崎で商売をしたトーマス・グラバーはたんなる武器商人ではない。イギリス政府に中国とのアヘン戦争を仕掛けさせるほどの力を持つ貿易会社ジャーディン・マセソン商会の代理人として来日している。
今でも香港ドルの発行元である香港上海銀行は、そのジャーディン・マセソン商会によって設立されたもので、アヘンの売り上げを本国に送金するための銀行である。
その邸宅グラバー邸は今では市民や観光客に親しまれる庭園であるが、当時は幕末の志士たちの巣窟であった。
そしてそのグラバー邸のある丘の入り口には、今も香港上海銀行長崎支店が記念館として建っている。

彼ら幕末の志士(忍者)たちには、驚くほど大きな資本の圧力がかかっていた。

明治に入って、『光栄ある孤立』を誇り、どことも同盟を結ばなかった大英帝国が、極東のちょんまげ国家となぜ『日英同盟』を結んだのか、明治維新の謎はそのことにまでつながっている。


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