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やっぱり2016年は円高トレンドの1年になる

2016-06-21 06:42:48 | 国際金融

火曜日

東洋経済オンライン より
http://toyokeizai.net/articles/-/98453


やっぱり2016年は円高トレンドの1年になる

日米の金利差だけで円安は続かない

 
 
仮に円相場が110円を目指す展開になれば、日銀は追加緩和に踏み切るだろう(撮影:今井康一)

さまざまな経済メディアを見ていると、エコノミストや機関投資家を含めた市場関係者の間では依然として、日米の金利差拡大を根拠にして「円安が継続する」という見通しが多いようです。
某銀行が主催する経済講演会で、某外資系証券のエコノミストの話を聞いてきたばかりですが、
「米国の利上げにより円相場は130円を目指すだろう」と予想されていました。


ところが私は、円相場を予想するうえで重要なのは、さまざまな要因を俯瞰したうえで総合的に判断することであると考えております。
日米の金利差拡大という要因だけで円安が続くと予想するのは、あまりに視野が狭い判断であり、
歴史的な見地を軽視していると思うのです。

円安トレンドはなぜ終わるのか

この連載の過去記事はこちら


拙書『これから日本で起こること』および『経済はこう動く〔2016年版〕』では、
米国の利上げをきっかけに、
いよいよ円安トレンドは終わるだろうという見通しを述べさせていただきました。


その見通しの根拠となっているのは、
経常収支や金利差、購買力平価、過去の歴史
などであります。
ドル円相場を短中期的に左右するのは、日米の経常収支や金利差であり、
長期的な流れを左右するのは、何といっても購買力平価を置いて他にはないのです
(詳しくは『円安終焉へのカウントダウンが始まった』(12月14日)を参照してください)。


さらには、その見通しを補完するために、市場の歴史を参考にする必要もあります。
米国が1999年と2004年に利上げを開始した後、
当時も日米の金利差が拡大したにもかかわらず、
円安ではなく円高に振れたという事実を軽視してはいけません。
いずれのケースでも、短期で見ると利上げ開始後は円安が進んでいたのですが、
中長期で見ると大幅な円高に振れてしまったのです。

これらの歴史的な事実は、市場が米国の利上げを相応の期間をかけて織り込みに行っていた証左であるといえるでしょう。
FRBは今回の利上げにおいても、1年にも渡って慎重に市場へのアナウンスを行ってきたので、
市場では金利差はほとんど織り込まれていたと考えるのが自然であるといえるわけです。


それでは、仮に私の見通し通りに円安トレンドが終了した場合、円高基調がどのくらいの水準まで進むと考えるのが妥当であるのでしょうか。
これも前回の記事の繰り返しになってくどいようですが、
私は購買力平価(消費者物価ベース)の100円~105円あたりがひとつの目安になるのではないかと考えています。

ただし、ここで意識しなければならないのは、
仮に円相場が120円を割り込み、110円を目指すような展開になったとしたら、
日銀の追加緩和が行われる可能性が徐々に高まっていくだろうということです。

日銀は2015年10月に株式市場が期待していた追加緩和を行いませんでしたが、
それは株式市場の期待だけでは追加緩和が行われることはないという証左であります。
これまでの安倍首相と黒田総裁の発言の変遷とその関係性を見ていると、
日銀(黒田総裁)が追加緩和を行う強い動機は、今後は安倍政権の要請以外には考えられないといえるのです。

外貨投資は難しい時期に入ってくる

ですから、円安から円高へとトレンド転換した相場がさしたる大きな抵抗もなく、
ずるずると100円~105円のレンジに近づいていくというのは、予想することができないわけです。
円高が予想以上に進む過程では株価も大幅に下落していくので、
株高が生命線である安倍政権が急きょ態度を変え、黒田総裁に追加緩和を催促するようになると考えるのが自然であるからです。


おそらくは、円相場が110円に接近するあたりには、株式市場でも追加緩和への期待が相当に高まっていくだけでなく、
安倍首相の発言にも変化が見られ始め、実際に追加緩和が決定される可能性が高まっていくのではないでしょうか。


外貨投資の分野では、私は自らの予測に基づき、2012年12月にドルだけに集中投資を開始し、2015年11月~12月にかけて123円台ですべて売却しましたが、
2016年は安倍首相や黒田総裁の発言の変遷を見ながら、ドルの買い場を一回は探っても良いのではないかと考えております。
追加緩和の内容にもよりますが、5円~10円の幅で利益を得られる可能性は十分にあります。


ただし、ドル投資の黄金の3年間はすでに終わってしまったと認識するべきでしょうし、
だからといって、新興国通貨を買うのも拙速すぎると考えております。
2016年以降の大きな流れでは、外貨投資は非常に難しい時期に入ってくるのではないでしょうか。

また、株式市場や原油価格の大きな流れについては、
『日本株は、いよいよバブルの領域に入った』(6月25日)
『原油価格、「1バレル30ドル時代」が来る』(8月11日)で述べていますが、
新しい流れの兆候が感じられた時は、この連載やブログ等で触れたいと思っております。

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【私のコメント】

今の為替相場は自然な流れというよりも、人為的な要素が多すぎる。
円ドルの需給というよりも、投機筋の動きが大きい。

また日米間の思惑も。日米間といっても大半は米国の思惑なのだが。

通常、為替相場の動向を決めるものとして、真っ先にあげられるのは、金利差であるが、中原氏は金利差では為替は動かないという。
そして実際その通りになっている。

昨年暮れにアメリカが利上げをしたが、その後セオリー通りのドル高にはならずに、逆にドル安になっている。
日本にとっては円高である。それにともなって日本株も下落した。

中原氏の予測通りになっているが、アメリカの政府部内や金融筋には、そのことを早くから分かっていた人間がいるはずだ。
中原氏が先を読んで投資の利益を出しているように、アメリカの政府部内や金融筋にはそれ以上の莫大な利益を出している人間がいる。
そのおこぼれに預かっている日本の関係者もいるはずだ。

そういう人間は短期で売り買いを仕掛けている。
相場は、そういう政府筋や金融筋の動きをいち早くつかめる人間が有利になる。
ほとんどインサイダーの世界である。

世界には金融村というのがあって、そこに住む住民だけがインサイダー取引を行っている。