エジプトで悲惨な出来事が起こった。
2月1日、エジプト北東部ポートサイド・サッカー場で
74人もの死者、1000人以上の負傷者をだすという考えられない大惨事だった。
その日は名門サッカーチーム アル・アハリと地元チーム アル・マスリとの試合が行われていた。
警備が普段よりなぜか手薄で、両サポーターが殺気だっており当初から様子が違っていたと証言している観客もいる。
試合後、アル・マスリのサポーターがフィールドになだれ込み、アル・アハリのサポーターや選手に攻撃をしかけ
逃げ場を失ったサポーターや多くの人々が、閉じられたままのゲート前で圧死、あるいは負傷した。
軍の陰謀説などの噂が流れ、2日夜から3日にかけて大規模な反軍制デモが行われた。
しかし真相は藪の中である。
ただ気にかかるのは、アル・アハリのサポーター軍団ウルトラスが
エジプト革命時には最前線に立って警察を攻撃し、相当な恨みをかっていたことだった。
サッカー場においてもたびたび軍、警察批判のシュプレヒコールを挙げ、軍や警察を刺激してきた経緯があった。
(若い犠牲者たち)
非武装革命、スマート革命といわれたエジプト革命から一年。
その間のエジプト民主化への道程で、多くの犠牲者の血が流れ続けている。
(反軍制デモに集まった人々)
(内務省に向かうデモの人々)
今回のデモでは、女性たちの姿も多く見受けられた。
当然のことだろう。
エジプトの少年たちのサッカー熱は熱く、他人事では済まされないからだ。
(facebookでのエジプトの人々の多くはアイコンをこのように変更して喪に服した)
愛しんで育ててきた息子を、こんなことで失ってしまった犠牲者の母親達。
ほんの少し前、喜んでサッカー場へ向かった息子。
自分の命より大切な我が子が、突然この世から去ってしまった。
もう二度と食事を作ってやれない、一緒に笑って、時には叱ってもやれない。
息子の息遣いも、匂いも感じ取ることが出来ない。
なによりこの手で触れて、この胸に抱きとめてやれない。
耐えられない地獄のような苦しみ、悲しみの中で
エジプトの母たちは、今なにを思っているのだろうか。
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