明美指圧はりきゅう室の健康歳時記

季節の変化を身心で感じていますか?

痛みについて②

2011-06-18 14:16:20 | 学問

前回は痛みの東洋医学、特に漢方の診断、治療方針について説明しましたが、

今回は鍼灸治療の痛みの診断、治療法について説明します。

◇診断法は、前回の内容も当然含まれますが、その他の診断法をご紹介します。

☆痛む場所がどこか? どの経絡に関連があるか?を診ます。  

例えば、頭痛は・肝経、 腰痛は・腎経。・などの経絡に変動があると考えます。 また、頭痛でも痛む場所によって関連経絡があります。

例えば、こめかみ辺りが痛いなら・・胆経、 後頭部なら膀胱経。・・・などおおよそどの経絡の変動なのか、見当をつけます。

次に ☆脉がどのようになっているか?を診ます。

・比較脉診といって、どの経絡が一番弱っているのか? また強すぎるのか?を診ます。

それから・脉状診といって、脉の流れ方を診ます。

痛みの脉というと、弦によりを強くかけたような脉・・これを緊(きん)脉といいます。

脉状には何十種類もあるのですが、主な脉状には、

・浮(ふ)脉・・・・・浮いている脉・・病浅く、表病

・沈(ちん)脉・・・・沈んでいる脉・・病深く、陰病

・遅(ち)脉・・・・・遅い脉・・・・・冷えを現す

・数(さく)脉・・・・速い脉・・・・・熱を現す・虚(きょ)脉・・・・弱い脉・・・・・生気が損なわれている

・実(じつ)脉・・・・強い脉・・・・・生気満ち溢れているか、邪気が多い

以上六祖脉があります。これらを総合判断して、証をたて、どの経絡のツボを使うか、また鍼灸の手技を決めます。

◇治療法

まず、経絡の一番弱かったところを補います。(本治法)

この時、脉状により鍼の刺し方を変えます。

・浮(ふ)脉・・・・病浅く、表病・・・浅く刺します。

・沈(ちん)脉・・病深く、陰病・・・・深めに刺します。

・遅(ち)脉・・・冷えを現す・・・・・刺して少しとどめておきます。

・数(さく)脉・・熱を現す・・・・・・刺したら速めに抜きます。

・虚(きょ)脉・・生気が損なわれている・充分補い、鍼を抜き素早く閉じる。

・実(じつ)脉・・生気満ち溢れているか、邪気多い・・邪を集め、鍼を抜き閉じない。

これらの脉の組合せで手技が決まり、治療し経絡を整え、自然治癒力を引出します。

次に痛い部位、または関連するツボに治療いたします。(標治法)

例えば・熱をもち腫れている場合・・・・瀉の手法で浅めに刺し、熱を散らします。

     ・冷えによる痛みの場合・・・・・若干深めに刺入し、じっくり補い温めます。

大まかに、痛みの治療はこのようにしています。

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