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東京・世田谷区本庁舎問題は四代将軍家綱に学ぶべき《黒木実設計案の実現を!》

2016年10月15日 | 世田谷日誌
世田谷区本庁舎問題は四代将軍徳川家綱に学びましょう。

明暦の大火で、江戸城天守閣が焼け落ちました。天守台は加賀藩前田家が修築しましたが、家綱は保科正之の進言を受け、天守閣を再建しませんでした。以降は三層富士見櫓を天守閣の代替にしました。

その理由は、天守閣は権威の象徴でもありましたので、江戸幕府も四代ともなり安定したので不要になりました。
もうひとつは、江戸市民100万人が死んだと言われ、その救済が急務でしたので天守閣修築の財政を振り向けました。以後、火除地をつくり、道を広げ(広小路)都市計画を進めました。

富士国際旅行社「旅のがっこう」2016年3月26日


雪の天守台(2008年2月9日撮影)


ブログ記事『「風雲急を告げる世田谷城秋の陣」ル・コルビュジエの弟子前川國男氏が設計した世田谷区役所が壊される』で世田谷区役所を「世田谷城」と例えましたが、勿論天守閣は不要ですが、本庁舎である「本丸櫓」(幕府の中央官庁執務棟)及び、議会棟である「二の丸櫓」。イベント会場ともなっていますが「武道館」がある「北の丸櫓」は、同じく「区民会館」となるでしょうね。

8階建てで、ギンギラギンの全面反射ガラスが貼られた「現代風」の新庁舎ではなく、区財政面からも、レガシーを残す「黒木実案」を実現させたいですね。

世田谷区本庁舎等基本構想検討委員会に公募委員として、参加された黒木実氏(黒木実建築研室主宰)が、委員会に提出された提案を転載します。(転載許諾済)

・・・・・・・・引用・・・・・・・


基本構想への提案                黒木 実   2016・07・23

●最善の区民サービスは、身近な5地域の総合支所でサービスが受けられることだと思っています。総合支所でのサービス機能を充実させる事や、城山分庁舎に教育委員会機能を移転させる事、また庁内駐車台数を減らす事で、本庁舎建設での必要床面積の縮減が可能になります。全体計画は、既存の第一、第二庁舎、区民会館を残して大規模な改修工事を施し、第三庁舎を解体して跡地に不足分の床面積を増築する案を考えました。
●次に東西を分断している区道を廃止して、広場と一体化して敷地内通路として災害時に利用できるように整備することで、国士舘大学との繋がりも良くなり、庁舎計画にとっても自由度が高まり、地階も含めた土地の有効活用がし易くなって東西の連続性も生まれます。広場は芝生で覆い、周囲にみどりを植栽してクールアイランド化を計り、イベント等も活用し易い空間にします。
●次に、施工計画として、まず初めに区民会館の西側に不足しているバックヤード(楽屋、化粧室,衣装室、トイレ、洗面室、倉庫、リハーサル室等)を増築(地下1階、地上3階、延べ床面積約864㎡)して、災害対策本部を第3庁舎から移動して庁舎完工まで利用する。また、世田谷総合支所の移転が確定しないようだったら、ホールとホワイエを簡易改修して同じように移動して、一時的に支所として活用して、第3庁舎を解体して、解体した跡地に第一、第二庁舎での不足分床面積の庁舎を増築し、完成後、第一庁舎機能を移動して、第一庁舎を耐震改修とスケルトン(構造躯体だけ残す)改修工事をする、次に第二庁舎も同じように改修していき、最後に区民会館を同様な改修を施して再生する。このような施工手順を考える事で、解体と仮設庁舎費用および新規に建設した時の躯体コスト費用、CO2排出量が大巾に抑えられ、工期の短縮にもなる。
●第一、第二庁舎の改修工事は地元の施工業者でも工事が可能だと思います。増築部は競争入札による選定が良いと思います。
●最後に設計者は基本設計と施工計画の提案を募集するコンペと実施設計者を募集する、2段階コンペを行うことで、基本設計で選ばれた案に対して区民、行政の要望が反映する委員会を設けて修正を加え、基本設計案をまとめ、実施設計者をプロポーザルで選ぶのが良いと思います。基本設計者は実施設計者と設計図が完了するまでチームの一員としてかかわる必要があると思います。

増築、大改修による再生計画
=区庁舎のこれからの50年 再生の基本的な考え方=
全体事業費の抑制
税の使い道は福祉をはじめ多数あります。税収が落ち込んでいく時代に箱物を作るための税の使用は最小限に抑えて、今あるものを最大限使うことが求められます。一般的に再生は新築の7割で可能と言われています。改修の場合、移転費を少なくすることも場合によっては不可能ではないため事業費全体のさらなる圧縮も検討できます。徹底的な改修工事をしてさらに50年以上使い続けると、維持管理費を新築と同等とすることができ、格段に税の支出を低減できます。

抜本的な改修により、既存の庁舎を新築と同様の機能に向上させる
これからの50年、100年を考え、現在求められる執務環境に改修します。区民ホールも新築のホールに劣らないホールに改修し、再生のために必要な増築や減築を考えます。また必要な耐震性能を確保し防災拠点としても活用できます。
・事例:目黒区役所 1966年竣工の千代田生命本社ビルを区庁舎に改修
・事例:東北大学百周年記念会館 50年経ったホールを現代の音楽ホールに改修、再生
・事例:国際文化会館 地下にホールを増築することで耐震性を高め、全体の改修、再生

使いつづけることが最も地球環境に貢献する
建築をライフサイクルで考えたとき、新築するときのCO2の排出量は膨大です。使い続けることは地球温暖化防止に寄与することができます。
既存の第一庁舎には庇や自然換気に利用できる光庭があり、国土交通省が推奨するグリーン庁舎の骨格を備えています。

記憶を継承する
再生案は、何よりも景観を継承し、後の世代に区民会館・区庁舎の風景を伝えていくことができます。区民会館や第一庁舎は文化財としての価値もあり、世田谷区の貴重な文化資産として使い続けていくべきです。成人式や結婚式を挙げたり演奏したり、歌ったり、踊ったり、講演したりと区民の想い出の場でもあります。歴史的な価値のある文化的な公共施設を行政が調査もせずに壊してはいけません。2015年DOCOMOMO JAPANに選定されました。

周辺環境への影響を最小限にする
大規模な解体工事をなくし、新築部分も小さいため、全体の工事量が減り、工事の騒音や振動を抑えることができます。また、高さも低く抑えることができ、周辺の住宅地への影響を小さくすることができます。
再生計画の具体的な提案
    =ライフサイクルコストを低減する区民のための再生案を提案します=

鉄骨造の第三庁舎を解体し、第一庁舎と第二庁舎をつなぐ増築計画です
●2つの既存庁舎と一体に利用できる庁舎を増築し、既存庁舎を大規模改修し現代の機能を満たす庁舎として再生します。
●既存の庁舎と合わせると、例えば2階全体で約8,300㎡の拡がりのある庁舎となり、使いやすいバリアフリーな空間となります。
●増築する庁舎は、2つの庁舎とつながっているので、既存庁舎の階段やエレベーターを活用できます。その結果、有効に使える面積が増え、増築する部分の建設コストも低減できます。第一庁舎とは幅4,0mのブリッジで繋がっています。
●なぜ新しい第三庁舎を解体するのか、理由は、鉄骨造の第三庁舎は鉄筋コンクリート造の第一、第二庁舎・区民会館に比べ解体時の騒音、振動が低く、材料の再生率も高いためです。広場を残し、既存の庁舎を有効に利用するためには、第三庁舎を作り直すことが最も効率的と判断したからです。

敷地の特性を生かし、有効に利用して執務空間のほとんどに窓からの採光が得られます。
●高低差を利用(西側の地盤は地下1階レベル)し、西側の地下1階は事務室などの居室で利用できます。執務空間はそのほとんどが地上部となり、十分な通風と採光を確保できます。

周辺環境との調和を考え増築部分は地上4階地下3階の計画とします
●増築部分は、5階建ての第一庁舎・第二庁舎より低い地上4階建てで計画しますので、周辺の街並みから突出せず、周辺環境に調和することができます。基本的に第二庁舎と4階までのフロアレベルを統一し、一体で使えるように計画します。
●地下3階(実質的には地下2階)建てとし、主に駐車場と機械室/電気室/備蓄倉庫/資料保管庫を設けます。地下3階の機械室/電気室から区民会館・第一庁舎・第二庁舎・増築部へ電気や必要なエネルギーを供給します。この新しいエネルギーセンターは、最新の省エネルギー機器で構成され高い防災性能を兼ね備えます。

広場の地下躯体を造り直して拡充し地下2層の駐車場とし広場を防災拠点とします。
●広場が非常時の防災拠点となり得るように地下躯体を強固に構築します。また、大規模な地下駐車場は防災時の避難や配給の拠点としても活用できます。ケヤキの大木は地下躯体で囲い現在地に残します。広場は植栽を施し、緑豊かな広場にします。

第一庁舎・第二庁舎は耐震化工事と合わせて内部を徹底的に改修し、現代のオフィス機能に更新し、誰もが使いやすく地球環境にやさしい庁舎に再生します。
●現在の庁舎の事務室にはOAフロア(二重床)を設置し、天井もすべて更新します。新しい照明と空調機により省エネルギーで快適な執務環境となります。
●トイレや水回りも改修しますが、特に第一庁舎のトイレは増築部とのブリッジに設置しバリアフリー化して使いやすくします。
●外装のサッシュ等も改修し、自然換気ができるように窓の開閉機能を維持しながらガラスの複層ガラス化を検討し断熱性能を高めます。
●既存庁舎の段差やエレベーターを改修し、増築部から段差なく車椅子で移動できる誰もが使いやすいユニバーサルデザインの庁舎とすることができます。

充分な耐震性能を確保します。
●第一庁舎・第二庁舎・区民会館は耐震診断の結果により必要に応じて耐震補強を行い充分な耐震、防災性能を確保します。

増築部には緑豊かなテラスを配置します。
●2階や3階の屋上は植栽のあるテラスを整備し、ビオトープ等も検討します。また、非常時にはテント等の設置が可能です。

第二庁舎と増築部の間には光庭を設け地下1階まで外光が入る計画とします。
●増築部と第二庁舎との間に、既存の第一庁舎の光庭と同様、採光と自然換気に活用できる吹き抜けを設け、グリーン庁舎と同等の省エネルギーの庁舎とします。

地球環境の温暖化防止に役立つ様々な方法を導入します。自然エネルギー(再生可能エネルギー)を積極的に活用します。

●太陽電池、太陽光温水器を屋上に設置し、省エネルギ―化します。
●雨水を地下ピットに貯めて、中水としてトイレの排水、散水に使用します。
●中間期は空調を止めて窓による自然換気を実施できるようにします。
●自然光を活用し、窓際の照明は昼間必要以上に明るくならないようにセンサーで調光します。トイレや階段等の共用部には人感センサーを設けて必要なときだけ照明を点灯させます。

スケッチによる概算床面積表
B3 機械室・電気室・倉庫(防災備蓄も含む)・資料保管庫
 4,700㎡
B2 駐車場・一部ロッカー室 7,900㎡
B1事務室・駐車場      4,200㎡
                3,700㎡
1階             4,700㎡
2階             5,000㎡
3階             4,400㎡
4階             2,400㎡
計  事務室 20,700㎡
    駐車場 11,600㎡
    機械室他4,700㎡
 増築部合計          37,000㎡
既存第一庁舎・第二庁舎    18,823㎡
既存区民会館          2,847㎡
低層棟事務室          2,486㎡
区民会館増築(バックヤード)  約864㎡
総計             約62,020㎡
内訳 本庁舎規模46,709㎡  区民会館3,711㎡  駐車場・駐輪場11,600㎡
比較として62,020㎡+1,248㎡(城山分庁舎)=63,268㎡
必要としている面積68,600㎡-5,300㎡(世田谷総合支所分)=63,300㎡

概算事業費
■ 庁舎
 増築部  地上 16,500㎡×40,4万/㎡=約66,7億
 地階   20,500㎡×40,4万/㎡×1,4=約116,0億
 既存改修 18,823㎡×40,4万/㎡×0,75=約57,0億
 計                  約239,7億円
■ 区民会館
 増築部  地上   486㎡×40,4万/㎡=約2,0億
 地階      378㎡×40,4万/㎡×1,3=約2,0億
 既存改修    5,333㎡×50万/㎡×0,75=約20,0億
 計                   約24,0億円
 合計                  約263,7億円
 解体工事費                 5,0億
 移転引越費                 1,5億
 調査・設計費                8,0億
 植栽費                    ?
 什器備品                   ?
 その他                    ?
 総計                  約278,2億円+?+物価上昇分+消費税
・・・・・・・・引用終わり
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