ライフスタイルをデザインする建築家の・・・ライフスタイル

ライフスタイルをテーマに建築家の日常を綴っています。
最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■絆を深める家・工事完了!~延べ面積16坪の間取りについて

2010-04-07 22:55:13 | ■建築-竣工物件
絆を深める家が竣工しました。
(正確にはまだ未完部分を残しているのですが、完成しているところから竣工写真をUPさせて戴きます。)

この家は、都心の分譲マンションの中古物件を購入し、ほぼフルリフォームを行ったものです。
築23年の鉄骨鉄筋コンクリート構造の5階部分。
元の間取りが3DK(延べ床面積:52.93㎡/約16坪)という家族が住むには少し窮屈な物件でした。
お施主様がこの物件の近所に住んでおり、この地域の住環境が気に入っていた為にファミリータイプの中古物件を探していたようなのです。
しかしながら、この地域ではファミリー向けの(70㎡前後)の物件が殆ど流通していなかった為、希望している広さには届かなかったけれども購入に踏み切ったとの事でした。
リフォームすれば何とか住みこなせる。始めから全面リフォームを前提とした購入でした。

<リフォーム前と後の図面

写真の上にマウスを持っていくとリフォーム後の写真に切り替わります。
写真上でマウスをクリックすると元のリフォーム前の写真に戻ります。
さらにダブルクリックでリフォーム後の写真になります。
→マウスオーバーしても画像が切り替わらない場合はこちらをクリックして別画面表示してください。


始めにお施主様から相談を受け、現場を内覧した時の感想はとにかく小部屋が多く窮屈な印象を受ける間取りでした。
セミオープンのキッチンであるにもかかわらず、なんだか空間の無駄遣いで有効に活かされていない。
そして、収納量が少ない事がこの間取りの最大の弱点でした。
おそらく、この分譲マンションが販売される当初は、まず部屋数ありきで設計されていたのだと思います。
その為、収納は最小限で居室の面積(畳数)を稼ぐ設計だったのだと思います。

既存家屋の収納率※1を勘定してみると6.6%と、平均的なマンションの収納率8%を下まわる収納量。
コレでは、収納外の面積が多くとも、日用品や家財道具、衣類などがあふれ出し物に囲まれて住む事になりかねません。

リフォーム前の梁型 リフォーム前の梁型 リフォーム前の梁型
※リフォーム前の家屋の複雑な梁型


そこで、まず心掛けたのが収納率の改善。
梁型が複雑に絡み合った物件であった為、既存家屋の天井はとても汚らしい事になっていました。
この梁型を逆手に取り空間に強弱をつけながら天井吊の収納を多数設ける事にしました。
また、衣類、日用品の収納場所をキチンと確保し、収納率を17.2%まで高める工夫をしています。

※1:収納率はH1800以上の収納が床面積に占める値を示す事が多いです。
今回は、キッチン、洗面は0とカウントし、1800mmに満たない収納部分を0.5とカウントしリフォーム前後の収納率を算定しています。
また、スタディルームに設けた小屋裏収納はカウントしていません。

---

リビングのスケッチ
※設計時のイメージスケッチ


子育て世代のリフォームにおいてキッチンはとても重要な場所になります。
本来であれば対面キッチンを設けたいところなのですが、若干52.93㎡という限られた面積の中ではそれだけの面積をキッチンに割く事は叶いませんでした。
そこで、ダイニングテーブルをバックセット(作業台)としても使える配置として無駄なスペースを最小限にしながら、キッチンとダインニグの距離が近い間取りとなりました。

リビングのスケッチ
※設計時のイメージスケッチ


また、リビングからはキッチンの手元が極力見えないレイアウトとしています。
お施主様は始めダイニングテーブルを置く事も諦めていたのですが、諦めずダイニングテーブルを置けるレイアウトを提案させて戴きました。

コレは、私が考える「子育てを楽しむ家造り」のポイントの一つで、お母さんが食事を準備している間にお子さんが宿題をダイニングテーブルで行うというライフスタイルのイメージがあるからです。

座卓では立って調理するお母さんとの距離が少し遠すぎる。
そして目線が違いすぎるといった問題があります。
このプランであれば、お母さんが調理の合間にお子さんのノートを除き見ることが出来るし、逆に「ちょっと味見してみてくれる?」のように勉強中の子供と簡単にコミュニケーションがとれるメリットがあります。
餃子の皮巻きやキヌサヤのヘタ取りなんかも簡単に頼む事が出来る訳です。

---

しかし、お施主さんには我慢してもらった事が一つ。
それは寝室を最小限に小さくする事。
幸いな事にお布団での就寝を希望されていたので、寝室面積を小さくする事が容易でした。
しかし、お子さんがもう一人お生まれになった時などは、住まい方に制約が出てしまう事が予測されます。(小学生ぐらいまでは二段ベット。その後はスタディールームを寝室化する)
その条件をのんで頂く事で、その分家族スペースを大きく使い、家事動線や収納量などを増やし、生活のしやすい家族のふれあいを大事にした間取りの家を設計する事が出来ました。
延べ面積16坪。
住居としてはかなり狭い部類に入りますが、そこでの暮らしは無限大です!
子育てと共に生長する家。
お子様のご成長に良い影響を与える事が出来ればと思っています。。。

さて、間取りについての説明はコレぐらいにして、次回は写真をご紹介させていただきます。

---物件概要---

所在:東京都文京区
工事種別:築23年SRC分譲マンション8階建て5階部分
     ほぼSI(スケルトンインフィル)リフォーム
     (一部既存の残し部分あり)
床面積:52.93㎡(16.0坪)
工事費:1000万円未満(床暖房・照明器具等全て含む)
家族構成:夫婦+お子様一人
その他:住宅版エコポイント対応工事

---絆を深める家・竣工写真リスト---

絆を深める家の目次です。(現在作成中)

1.延べ16坪の間取りについて(当ページ)
2.多機能で使いやすいシンプルキッチン
3.家具工事の洗面化粧台・水廻りの収納
4.家族の気配を感じる死角のあるリビング
5.無駄なく空間を使いこなすリノベーションは水周りが鍵

→家族の絆を深める家の竣工写真はこちらからご覧いただけます
 (Akatuki Design 一級建築士事務所 HPにて)
ジャンル:
リフォーム
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2 Comments

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有難うございます♪ (hiro)
2010-04-08 11:44:10
本当に素敵な仕上がりです。収納の多さ・機能性に大変満足するとともに、今野さんのセンス・こだわりに感謝しております(ほとんど、今野さんにお任せですいませんでした・・)。ここのところ連日、帰宅が深夜ということもあり、まだ自分の目で実物を見れていないのですが、楽しみです。
実物に勝るものはありません・・・ (akatuki)
2010-04-08 22:29:51
>hiroさん

そう言っていただき光栄です。
また今日新しい写真を送付させていただいてます。
少しは完成したイメージが湧くかと思うのですが・・・

竣工写真は建築家の意図を端的に示す道具で、都合のいい構図で撮る事が多いですが・・・
今回は見通しが限られる為、逆に魅力を写真に収めきれませんでした。
実物の方が数倍いい家になっていると思いますよ。

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