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大統領と軍人によるいびつな外交

2017-04-21 21:57:44 | 政治


「トランプ政権はシリア問題を優先させ、北朝鮮問題は後回しにするのではないか」と書いた。

その根拠は、①いまのアメリカ軍に、中東と東アジアの「2面作戦」は無理、②トランプ政権の体制(人事・政策など)がまだ整っていない、③北朝鮮に軍事介入すれば中国を敵に回すことなり、中ロを同時に敵に回すことはできない、などである(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51439)。

だが、外交の常識ではまったく推し量れないのがトランプ政権というもので、トランプ大統領ははっきりと、「北朝鮮に対する軍事介入を優先させる」と、習近平主席に対して述べている。

実は、トランプ大統領が掲げる「アメリカ・ファースト」と、「北朝鮮に対する軍事介入」は、まったく相矛盾する。「アメリカ・ファースト」ならば、太平洋の彼方の小国のことなどに構っているヒマはないはずだからだ。

それではなぜ、まるでブッシュJr.政権が復活したかのように、シリア政府軍を空爆し、今度は北朝鮮にも牙を剥け始めたのか。それは、ワシントンの権力闘争と関係があるのではないか。

アメリカの伝統は、国務省・CIA・国防総省が鼎立した「三元外交」である。ところがオバマ大統領は、2009年に不戦を宣言し、国防総省が貶められた。続いて2013年にスノーデン問題が起こり、CIAが大揺れとなった。

その結果、国務省の相対的力が増した。そもそも国務省は民主党の牙城であり、国防総省とCIAは共和党の牙城である。

それがトランプ政権になって、今度は国務省が貶められることになった。「トランプ予算」によれば、今年10月から国務省予算は28%も削られることになる。

日本外務省のある幹部に、「もし予算を28%削られたらどうなりますか?」と尋ねたら、目を丸くして、「そりゃ、外務省崩壊だな。すべてにおいて物事が進まなくなるだろうから」と答えた。

現在、国務省の局長以上は、シャノン国務次官(政治担当)が残っているくらいで、ほとんど空席になっている。政治任命だから、上院の承認に手間取っているのかと思いきや、そうではなくて、トランプ大統領が上院に候補者名簿を提出していないのだという。

それに対して、威勢がいいのが国防総省である。マティス国防長官-マクマスター安保担当大統領補佐官(陸軍中将)という鉄壁の師弟関係で政権中枢を固めて、「トランプ予算」では10%アップを勝ち取った。

実は国防総省も、いわゆる「背広組」幹部が軒並み空席なのだが、文民統制など必要ないということなのかもしれない。

こうした結果、トランプ政権は外交的に、非常にいびつな体制になっているのである。極論すれば、大統領と軍人で外交を行っているようなものだ。

これではトランプ政権が対外的にも過激さを増していくのは、当然と言えるだろう。

現代ビジネス からの引用記事
ジャンル:
経済
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