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ICBM発射の戦術・戦略的衝撃・北の開発進展を内心喜ぶ中露

2017-08-02 09:52:44 | 政治
  

北朝鮮は深夜にあえて発射している。また、発射場所も予想された亀城(クソン)ではなく、北部の予想外の発射基地、舞坪里(ムピョンリ)であった。いつでもどこからでも、金正恩委員長の言うように「奇襲的に」ICBMを発射できるとの能力を誇示したことは明らかである。
 
特に北朝鮮が、米本土を直接攻撃できるICBMの奇襲的即時発射能力を持つことは、米韓軍が通常戦力により北朝鮮を先制攻撃するか、北朝鮮による侵略の防御に成功し北側にとり戦勢が不利になった場合などに、北朝鮮が奇襲的に米国に先制核攻撃を加えられる能力を持つことを意味している。
 
このことは、米韓軍による通常戦力による作戦遂行が、それが先制であれ防勢であれ、著しく実行困難になることを意味している。
 
現状では、ICBMを確実に撃墜できるミサイル防衛システムは、米国のみならず世界のどの国も保有していない。2021年頃までは信頼性のあるICBM迎撃システムは配備できないとみられている。
 
仮に米国が開発を加速し配備を繰り上げたとしても、現状を前提とすれば、北朝鮮のICBM実戦配備が先行する可能性が高い。
 
また、都市目標に対する奇襲的な先制核攻撃を許せば、核シェルターなどに退避する時間もなく、北朝鮮が保有しているとみられる20キロトン程度の核弾頭が1発地上爆発しても、瞬時に50万人以上の被害が出るであろう。

上空数百キロで核爆発が起これば、半径数百から1000キロ以上にわたり、強烈な電磁パルスが発生し、対電磁シールドを施していないすべての電子装置が機能麻痺するか破壊される。

そのため、すべてのコンピューターネットワーク、電力、交通、水利、医療、金融、研究開発、教育その他のインフラが麻痺し機能しなくなるとみられている。
 
いずれにしても、米国は北朝鮮のICBMにより、「耐え難い損失」を受ける可能性が高まっており、北朝鮮は米国に対する「最小限抑止」の段階に着実に近づいていると言えよう。
 
さらに、戦略核戦力バランスについても、北朝鮮の背後にいる中露と米国のバランスは米国不利の方向に傾きつつある。
 
CSISの報告によれば、米国の現用核弾頭の平均経過年数は29年に達し、劣化が進んでいる。また投射手段も冷戦時代からそれほど更新が進んでいない。「核兵器なき世界」を主導したバラク・オバマ政権は、核戦力の近代化に力を入れてこなかった。
 
ドナルド・トランプ政権は、核戦力の近代化と増強を重視しているが、今から開発を進めてもその成果が出るのは2020年代の後半とみられている。
 
それまでは、核戦力バランスは、冷戦後も一貫して核戦力の増強近代化に注力してきた中露にとり有利な方向に推移するであろう。そのため、中露との戦争に発展しかねない軍事的選択肢は、戦略戦力のバランス上、朝鮮半島でも米国としては採り得ない選択になっている。
 
中露にとって、北東アジアにおける米軍との緩衝国としての北朝鮮の価値は死活的である。朝鮮半島で米韓と北朝鮮の間に紛争が起これば、中露が介入することはほぼ確実であろう。特に、北朝鮮が不利になれば、その可能性は高まる。
 
北朝鮮単独との紛争についても、米本土が被る損害を想定すれば、北朝鮮によるICBMの保有は、米国が朝鮮半島で通常戦力により軍事行動を起こす際のリスクが飛躍的に上がることを意味する。
 
すなわち、米国の韓国に対する通常戦力による拡大抑止の信頼性が大幅に損なわれることになる。米韓軍は、朝鮮半島有事には、まず休戦ライン沿いの火砲やロケット砲など、ソウルを直撃できる火力を完全制圧するとともに、核・ミサイル関連の施設、ミサイル基地・司令部などの制圧破壊を最優先しなければならない。
 
これは、北朝鮮側の反撃を封ずるために、作戦の規模や様相、目的にかかわらず、まず行わねばならない必須の作戦行動である。

JBpressからの引用記事
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