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政権成立直後に行った大統領令

2017-05-16 17:40:19 | 政治


トランプ大統領は、1月20日に政権が発足して間もなく、矢継ぎ早に大統領令に署名して、普通の共和党政権ではないことを内外に印象づけた。

オバマケアの撤回、メキシコとの国境に壁を建設するなどだが、これらの政策は、トランプ政権でなくとも、共和党の保守派政権ならば行っていたであろう政策だ。

たとえば、壁の建設とまでいかなくとも、不法移民の取り締まり強化は共和党保守派が期待していた政策だし、オバマケアには共和党全体が批判していた。

ただし、TPP離脱とイスラム圏からの入国制限の2つは共和党の既存ラインとは異なる政策だ。トランプ大統領は環太平洋経済連携協定(TPP)離脱のための大統領令に署名したが、共和党は伝統的に自由貿易支持なのである。

共和党の支持層には高所得者層の企業経営者と大規模農業の経営者層がおり、TPP離脱というのは彼らの利益には沿わない。

なによりTPPは、地域のルールを尊重しない中国に圧力をかけるという安全保障上のヘッジ策という側面をもち、中国に対する圧力強化を図っているトランプ政権の方向性とも矛盾する。

また、テロ対策としてイスラム教徒のアメリカへの入国を制限する、と発言して物議を呼んだ政策も大統領令として署名した。

これはテロ対策として紛争が頻発し政情不安定な中東・北アフリカのイスラム教の特定国からの入国規制だが、現実的に考えれば、入国制限対象の7か国の中の1つであるイラクでは、政府軍がトランプ政権の主要政策である過激派組織「イスラム国」撲滅のための軍事作戦をアメリカと協力して行っている。

テロ対策を優先するのであれば大きな矛盾のある政策であった。裁判所からの差し止めの後、イラク政府からの要請もあり、トランプ政権は対象国からはずしたが、現実的な発想で政策を考えているとは思えなかった。

100日経過した時点で、この4つの主要な大統領令は、TPP離脱を除けば、大きな抵抗に会ってきた。このことはトランプ政権の求心力を損ない、もともと40%台前半の低い支持率を30%台に下げることになった。

歴代のアメリカ政権は、基本的に100日目には支持率60%を確保してきたことに比べ、明らかに低迷している。

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