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トランプ政権の安全保障政策 グローバル化とは、

2017-04-14 06:30:59 | 政治


トランプ大統領が修正を入れようとしている自由貿易主義が、どのような経緯で国際社会の標準的な規範になったのかを、あらためて考え直してみよう。

自由貿易主義の起源は、世界的規模の制海権を握り、繁栄を極めた19世紀の大英帝国が、自由放任主義を唱えていたことにある。アメリカは、20世紀に入って覇権化し、自由貿易主義の推進者となった。

しかし第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の時期は、まだ過渡期であり、世界不況に直面すると、アメリカは瞬く間にブロック経済の形成に動いた。

帝国を維持していた英・仏も同じ動きをとったため、「持てる国」に対する「持たざる国」の闘争として、ヨーロッパにおけるナチス・ドイツの「生活圏」、東アジアにおける大日本帝国の「大東亜共栄圏」構築が、枢軸国によって画策されるようになり、第二次世界大戦の勃発へとつながった。

ブロック経済体制が世界戦争の惨禍を準備した、という反省の下で、戦後の修正された自由貿易体制が標準的な規範となった。つまり自由貿易体制は、そのこと自体が持っている価値よりも、戦争を起こさない国際経済体制を維持する、という政治的動機によって、強く支えられた仕組みであった。

今となってはTPPが世界経済のブロック化を回避するものであったのか、推進するものであったのか、よくわからない。

わかっているのは、トランプ政権は、特に自由貿易主義それ自体に反対しているわけではないが、単にそれが最高の政策原理だとはまでは言わず、「アメリカ第一」の中で解釈すると考えているということだ。

トランプ政権の安全保障政策は、マティス国防長官とマクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官の二人の元軍人を中心に展開していることが明らかになってきている。

私は、『Voice』という雑誌の最新刊で、マッキンダー/スパイクマン地政学のような理論枠組みをあてはめたほうが、意外にトランプ政権の外交政策の枠組みはわかってくるのではないか、と論じてみたが、軍人が主導するのであれば、奇抜な安全保障政策が採用されることは考えにくい。

トランプ政権はシリア情勢を中心にイスラム国(ISIS)をはじめとするテロリスト勢力を警戒し、北朝鮮問題に多大な関心を抱きながら中国を警戒している。

地政学の理論から言えば、「海洋国家」として覇権国の地位を握るアメリカは、ユーラシア大陸の陸上国家の覇権国家化を阻止する目的で、大陸外周部の「リムランド」の趨勢に最大の関心を注ぐ。

この観点からアメリカの最大の脅威は、中東を拠点に世界を攪乱させているイスラム過激派勢力(ISISだけに限られない)であり、もう一つの超大国と言ってよい中国の動向である。

アサド政権空軍施設に対する空爆は、「リムランド」に対する総合的な政策の一環として考えるべきであり、アサドに味方したが気が変わって敵対している、という風に考えるべきではないだろう。

地政学的に言えば、「リムランド」を反米勢力が制圧することを防ぐことが重要なのであり、ISIS撲滅のためにロシアの勢力拡大を歓迎する判断をトランプ政権が行った経緯などはない。

北朝鮮に対する強硬な政策の可能性は、長期的な政策としては、中国との関係構築の問題に至る。習近平国家主席との会談中に、シリアへの武力行使を伝えるという意表を突いた態度は、超大国・中国の地位の認知の表明であったと同時に、けん制の意思表示でもあっただろう。

トランプ大統領が奇人であることには異論がないと思われる。だがそのことと外交政策の評価とは、また別の問題だ。冷静な態度で、トランプ政権の動向を見ていく必要がある。

現代ビジネス からの引用記事

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