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モズを知らないバードウォッチャー

2017-03-09 06:25:11 | 日記
間違った知識
 野鳥が好きだけれど基礎知識が乏しい、それが私です。
先日も林の中で、全体がふっくらとした印象でスズメよりも大柄、
頭から背中が赤褐色で白っぽいお腹には薄らと模様がある鳥を、
3mの間近で観察しました。
 長い尾を動かしながら地面を睨み、突然舞い降りて落ち葉を掻き
散らし、何かをくわえて再び枝に戻ります。
見た事が無い鳥にワクワクしながら図鑑を繰りました。
そして見つけた正体は、実は良く知った鳥でした。

 毎週木曜日は、ウォーキングの途中で見かけた野鳥を取り
上げています。
今週は モズ科 モズ属 モズ です。

 モズはスズメ位の大きさの鳥だと思い込んでいました。
だから実物を間近で見ても、大きさも色合いも違うし特有の眉斑も
見えないので、まさかモズのメスだとは思いもしませんでした。
 こんな事さえも分からずに、趣味は野鳥の観察、と声高に
言ってのけるのは一体どの口でしょう。
 モズについての私の漠然とした知識はこんなです。
<秋に高鳴きをして、はやにえの習性を持ち、つがいで仲良く
子育てをし、生態系のピラミッドの頂点近くにいる鳥>。
 しかし今回本やネットで勉強すると、これらはかなり間違った
認識でした。

本能の命じるままに

 モズは2月になると繁殖行動を始め、下旬から3月上旬に巣を
作ります。
5個前後の卵を産み、ほとんどの場合メスが抱卵をします。
その間オスがせっせとエサを運びます。
 仲睦まじく子育てに励んでいる様に見えますが、実は卵の
父親がパートナーで無い場合があるそうです。
ある研究者の調べでは、全体の1割の卵につがいのオス以外の
DNAが見つかりました。
 選んだ相手以上に逞しいオスが現れた場合、メスはより強い種
を残したい本能に突き動かされるのかもしれません。

 冬を迎える頃には別の本能も顔を出します。
単独で縄張りを作るのですが、そうなると例えつがいの相手で
あっても敵対行動をとって排除します。
限られた縄張りの中では、厳しい冬を乗り切るにはエサが充分で
ない事を分かっているのでしょう。

 動物食のモズは当然ながら生態系の上の方で悠然と暮らして
いると思っていましたが、これも間違った認識でした。
 ヒナが生存できる率はたった2割しか無いそうです。
卵から孵ったヒナは2週間で巣立ちをしますが、その間は絶えず
ヘビやイタチなどの外敵に狙われています。
もうすぐ巣立ちできる頃になると、頭の良いカラスが一番大きく
なった時を見計らって襲って来ます。
 自分より大きなヒヨドリなども捕える親鳥でさえ、常に
オオタカやフクロウに狙われる立場です。
モズと言えども弱肉強食の荒波からは逃れられません。
 そんな基礎知識を初めて知った、私は初心者ウォッチャーです。
コメント
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