赤い傘と一杯の珈琲とちょっと一息

なんとなく考えたことを書き留めていきます。

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迷走

2017-05-05 | 読書
3月に西成区にスタディーツアーに行ってから、白波瀬達也『貧困と地域-あいりん地区から見る高齢化と孤立死』(2017.中公新書)を読んだ。そこに書かれることは、主に「あいりん地区」と呼ばれる特定の地域の物語であるのに、もっと大きな流れを感じずにはいられなかった。日雇い労働者の街から、浮浪者を包摂した「福祉の街」へ。そして、新しい地域開発に向き合って再び問われる「地元民とは誰か」。ここでは町内会に属する住民は10%に満たない少数派。「地元民」「当事者」をどう捉えるかによって大きく変わる「合意形成」。
ほぼ同時期に映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」を見る。心臓の病気によって医者から仕事を禁止される59歳のダニエル。しかし、国の援助を受ける審査では「就業可能」という結果で、援助を受けられない。残された道は就職活動の義務が生じる失業手当。働けないのに、就職活動をしなければならない理不尽さに耐えられたものだけが生き残れるという理不尽を突きつけられる。
これらは制度の問題だけなんだろうか。同映画のパンフレットに書かれた一節「貧困者が哀れな弱者として登場するのは右派の芸術作品です。階級は固定されたもので、そこには貧困者が常に存在するのだから、助けてあげなければならない」を読んで、何を問題にしなければならないのかがわからなくなる。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』予告編 3/18(土)公開
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