行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

6月12日は「児童労働反対世界デー」

2009-06-12 23:46:42 | Weblog
私は5年間の国際労働財団の勤務で初めて児童労働対策に取り組んだ。財団では95年からネパールやインドで児童労働従事で学校に行ってない子供に対し現地の組合と協働で私塾を運営してきた。運営費用は民間の浄財で、寄付集めに行って日本では児童労働の実態についてほとんど知られてないことに驚いた。
ILO(国際労働機関)によれば、5歳から14歳の児童のうち約2億5千万人が経済活動をおこなっているとしている。実に世界の子供7人のうち1人が児童労働に従事している。世界で最も人口密度の高いアジアでは、全児童の約61%(1.53億人)が働いており、アフリカでは32%、ラテンアメリカでは7%が働いている。アフリカでは5人に2人以上(41%)が働いている。日本ではこうした実態はほとんど知られてない。

一番の原因は貧困で、1日1米ドル未満で暮らす人は10億人いる。子どもたちが世帯所得の4分の1程度を稼いでいるような貧しい家庭では、収入の多くが食料に充てられるため、働く子どもたちの収入が家族の生存にとって非常に重要だ。水くみだけで半日かかるという極端な地域もあり、児童労働が重要な地位を占めている。

しかし子供から教育の機会を奪うことは永遠に貧困から脱出できない。親を説得し、場合によっては私たちがやったように子供が稼ぐ賃金を補償したり、食事を与えたりしながら子供をなんとか私塾に引っ張ってくることもある。

ネパールでは9校の学校を運営しているが、1年教育して地域の学校に編入させているが8割ぐらいの率で現地の厳しさが判る。それでもスポンサーを見つけ私塾の卒業生から大学に進学した人が出てきて感謝状が来たときには何とも言えない喜びを感じた。1校の運営費は年間25万、それで50人近くの子供が救われる。
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