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【会津野】津波の基礎知識

2016年04月21日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

会津野は雨上がりの11℃の朝です。明るくなってきたものの、空にはどんよりと雲が垂れ込めています。

昨日は、津波の勉強をしました。参考書は「津波災害」(河田惠昭著)です。

この本では、津波のメカニズムを詳しく述べ、津波の知識を元として、津波から命を守る方法を読者に伝えています。

そこには、「高波」、「高潮」、「津波」の違いが現されています。恥ずかしながら、この3つの違いを詳しくは知りませんでした。

「高波」とは、風が吹くことで水面の水粒子が上下方向に円軌道を描くことを言います。10m以上の深さの海では、その円軌道がだんだんと減衰するので、深いところの水には動きがありません。10m以下の浅い海では、円軌道が海底に達し、海水の動きが発生します。しかしそのエネルギーはあまり大きくなく、水面近くでは風の方向に水が移動し、海底では反対の方向(戻り)へ水が移動します。移動した水が陸地にぶつかるとき、大きな波しぶきを上げますが、これは風の方向へ移動する水が垂直方向への位置エネルギーに変換されるものですが、エネルギーが小さいため、高く上がった水は重力で下方向へ落ちてこの運動は終わってしまいます。ですので、「高波」は風により多少のしぶきが陸地へ飛んでくる程度で終わるものです。

「高潮」とは、台風などの強風が吹く時に、海面の水が風で押されることで水の動きが発生するものです。これが陸地にぶつかると、次々と押されてくる水により海面が上昇します。海底近くでは戻りも発生しますが、水の押しが強いと上昇した水が陸地へ入り込んでくることになります。台風や爆弾低気圧など、大きな気圧差を伴う時に吹く強い風で起きる現象です。高潮の高さが防潮堤の高さを超えなければ、あまり被害は発生しません。

「津波」は、地震や火山の噴火、大規模な地すべりや海底地すべり、隕石の落下などで発生するものです。この場合、表面から海底までの上下の大きい幅で海水が移動する現象が起きます。海面から海底までの水の固まりが動いて来ると考えればよいでしょう。これが陸地に達すると、上方向へ水が動き、堤防を超えて陸地に入ってくることになります。水の固まりですから、それが大きくなると高い津波になるということです。堤防にぶつかると津波は、速さのエネルギーが高さへと変化し、およそ1.5倍程度の高さへと変化します。この変化は湾や地底の形状などで大きく変化し、もっと大きな高さへと変化することもあります。防潮堤が押されるエネルギーに耐えたとしても、乗り超えて来ることが考えられます。

このメカニズムを知ると、津波の恐ろしさがわかります。津波は、巨大な水の固まりがエネルギーを失うまで陸地を移動するのです。「津波」は、「高波」、「高潮」とはまるで違うエネルギーなのです。

著者は、このエネルギーに人が立ち向かうことは出来ないと言います。東日本大震災では、三陸のスーパー堤防までもが、このエネルギーに負け、破壊されました。つまり、津波は逃げるが勝ちです。

熊本地震では、津波が発生しなかったことが不幸中の幸いでしたが、津波発生の原因は海底火山の噴火や隕石の落下などもあることから、いつなんどき津波が発生するかはわかりません。

津波の基礎知識だけは持っておきたいものです。

今日も素晴らしい一日をすごしましょう。

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