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【会津野】JR北海道の言う上下分離方式を考えてみる

2016年11月21日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

昨日は、「ふくしま駅伝」のおっかけに行ってきました。この駅伝は、福島県の白河市から福島市までの95.1Kmを16名のランナーでタスキをつなぐものです。

駅伝には、ルールとして、トップのランナーが通過してからある一定の時間内にタスキがつながれないと、「繰り上げスタート」をするという決まりがあります。ふくしま駅伝の場合は、中継場所により10分あるいは15分という時間が設定されています。

昨日もドラマがたくさんありました。繰り上げスタートの屈辱を受けてスタートしたランナーは、トップを走るランナーより早く走らないと、次の中継地点でまたもや繰り上げスタートとなってしまいます。なので、「タスキをつなぐ」ということは大きな目標のひとつです。ただ、タスキを渡すわずか数秒前に繰り上げスタートしてしまう場面が繰り返されます。そう、駅伝は、「もう少しでもダメ」という非情なルールが支配していて、いわば巷の資本主義と同じようになっているのです。

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この週末、JR北海道が多くの運行区間を上下分離方式としたいというニュースがありました。

この方式は、線路の上の部分である車輌の運行に関することは鉄道会社であるJRが行い、下の部分である土地や線路の管理は、地方自治体などが行うことです。

簡単に言えば、保線などの線路の維持管理をJRから切り離し、JRは車輌運行に関する経費しか負担しないということです。

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読み進めている会津出身の小室直樹博士の「ソビエト帝国の崩壊」という書籍にこんな記述があります。なお、この書籍は、1991年のソビエト崩壊の10年以上前の1980年に出版されたもので、ソビエト崩壊を予言したものとして、当時大きな反響があった書籍です。

「国鉄には赤字線が多い。この赤字線を廃止し、人員を整理することこそ、国鉄が運送業という本来の目的のために奉仕する最良の方法であり、これが日本の国家目的からすればベストなのではあるが、なかなかそうはいかない。その理由のひとつは、国鉄という組織が自己目的化し、それ自信の要請に従って動くからである。そして、国鉄の要請と国家の要請とが衝突しても、いっこうに気にすることはない。」

とあり、当時の国鉄の組織というものに焦点をあてています。

皆さんご存知のようにこの国鉄は、分割民営化により、現在は7つのJRという民営会社となりましたが、その時の国土交通省告示第1622号に次のような記述があります。

「新会社は、鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第二十八条の二の規定により現に営業している路線の全部又は一部を廃止しようとするときは、国鉄改革 の実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を関係地方公共団体及び利害関係人に対して十分に説明するものとする。」

今回は、この条文に従い、廃止をするために上下分離方式を説明していると受け取れます。

では、「民営化された」、つまり「資本主義化された」JRが、組織を存続させることができなくなった場合のことですが、これについても「ソビエト帝国の崩壊」にこんな記述があります。

「資本主義的企業における最終的責任のとり方は、倒産である。これで何もかもパアになる。消費者の好みを読みそこなった企業、経営において充分な効率をあげえなかった企業の経営は悪化し、最悪の場合には倒産することになる。倒産によってより悪しき企業は市場から退場する。こうして市場の合理性は保持されるのである。」

さらにこういう記述もある。

「日本の企業などは、資本主義的というよりは社会主義的なのだ。ある記者が、日本の企業トップと欧米の企業トップにインタビューしたことがあった。彼らの誇りとするところは何か。欧米の企業トップの誇りは多額の配当をすることにある、ところが、日本の企業トップにとっては、配当などは結局どうでもよい。彼らの最大の関心は、市場占有率を大きくすることであった。そのためにこそ、彼らは働くのだ。」

JRという組織は、本来社会変化に対応できなければ倒産させて、必要な別会社を起こすのが資本主義のルールです。しかし、日本的な資本主義は、倒産という手段ではなく、会社組織そのものを維持することが、企業人の本命なので、悪い部分は誰かに押し付けるということが起きる。

上下分離方式は、売上を上げるために必要な資産である「線路」を誰かの負担で管理させ、売上からの固定費配分を行わないという内容です。

組織を維持するために、資本主義の日本でこんなに都合の良い商売が許されても良いのでしょうか。さらに言えば、崩壊したソビエトのようなことをする国でよいのでしょうか。

本来はJR北海道を倒産させ、札幌周辺の必要なところだけを札幌鉄道株式会社(仮称)に買い取らせる企業再編をするべきです。

すぐ近くを走るJR只見線でも上下分離方式が提案されていますが、こんなことがまかり通るような国で良いのか、それならJRを国有化し、元の国鉄に戻した方がまだましのような気がします。

将来の運送業へタスキを渡すには、ランナーが走るための走路も用意しなければなりません。走路の用意を誰かにさせて、しっかりと整備された走路かどうかわからないところへタスキを渡すチーム。そんな駅伝競争ならば、意味がないと思うのですがね。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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