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【会津野】自治体の大きさ

2016年04月04日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

雨が降る9℃の会津野です。こんな日は読書が良いですね。

さて、「自治体再建」(今井照著)という本を読みました。会津美里町という自治体は、数年前から福島大学と議会や行政が連携をしています。住民として、いったいどんな連携をしているのかがいまいちわかりませんでした。そこで、福島大学で自治体政策を専門とされている今井先生の著作を読んで見ました。

この本は、東日本大震災で避難せざるをえなくなった福島県内の市町村の、震災時のケーススタディーを中心に、自治体と住民の関係を、憲法、法律の観点と、自治体合併の変遷を交え、より具体的に住民に対する行政の役割を示しているものです。

簡単に結論を言ってしまうと、災害のとき、住民の命と暮らしを守るのは基礎自治体であるということと、その大きさは小さな方が、結果的に最も重要である命を守る自治が行えるというものです。

私が20年前に当時の会津高田町に移住したとき、ここは約1万5千人の人口の町でした。その頃、役場職員の方と話すと、ほとんどすべての町民の顔と名前がわかるとのことでした。役場の職員さんにとっては、いつも知り合いに監視されているようで、誰も知らない都会に時々紛れにいくことが楽しみだとおっしゃっていたことをよく覚えています。その頃は、1万5千人も知り合いがいるということに驚き、そんなもんかな?と思ったものです。

いまは、3町村が合併し、人口約2万1千人余り。多分2百数十名の役場職員の方の中で、私を知らない方も多数いらっしゃるでしょうし、私も役場職員の大半を知りません。平成の市町村合併は、顔の見えるつながりを破壊してしまい、この破壊が災害時の対応に大きな差となって現れたことも、この本はよく示しています。

全町(全村)避難となった楢葉町と葛巻村は、それぞれ8000人、1500人ほどの人口の小さな町村で、この顔の見えるつながりがある町村です。これらの事例をつぶさに見ながら、話は住民ということの定義と、住民票というものに展開していきます。

住民というものは、一般的に「土地」に居住している人を言いますが、震災避難ではこの前提が崩れました。避難した自治体は、実質的に「人」という結びつきが住民の定義として運用されています。なので、住民票が実際の居住地と異なるということになってしまいました。

これとは別に、「二地域居住」という言い方で、交流人口を増やそうという政策が震災前から行われていますが、奇しくも避難という形の二地域居住で、実質の居住者で住民登録をしないということが出現しました。

住民登録をしない方への自治の必要性を示されたものの、5年の月日が経っても、まだその恒久的な形に至らずにいるのが実際です。

これらの問題解消の方法として、著者は、住民票の二重登録ということを提案しています。

「人」の結びつきを基本定義とするならば、会津美里町で育った「人」が学業や仕事で転出する場合でも、住民登録を残したまま二重登録をすることで済むのかもしれませんが、それならば本籍地で自治を行うこととするのも一案かもしれません。

いまは、ふるさと納税と言う形で、「土地」に縛られた納税形態が崩れてきていますので、人の顔の見える自治体の大きさへ向け転換を図るのも、住民が本当に安寧を保てる人に優しい自治を実現する方法かもしれません。

この本は、市町村分離(市町村合併の逆)についても言及しています。

会津美里町がどこまで福島大学の提言とリンクした政策実施を目指すのかは未知ですが、実はものすごく大きな改革をしていると思えてきました。

他方、国では憲法改正へ向けた選挙への議論が活発になっています。個人的には、このあたりの自治を規定する憲法議論も、これから注目していきたいと思います。

今日も素晴らしい一日をすごしましょう。

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