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北の無人駅から

2015年02月26日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今朝の会津野は、くもり、気温−5℃です。

今日は、強くおすすめしたい本を紹介いたします。

「北の無人駅から」(渡辺一史著)という本。タイトルからすると、鉄道好きな方向けの本のように感じますが、中身は北海道の無人駅にまつわる人間模様を描いたものです。

約800ページもの大作で、著者が10年以上の年月をかけて北海道各地を取材したもの。ひとつひとつの観察がとても深くされており、知られざる北海道の人々の実情が、びっくりするくらい鮮明に描かれています。

例えば、日本一の秘境駅として知られる室蘭本線「小幌駅」の場面では、人家も道もない駅をかつて利用していた漁業者たちと、北海道漁業の歴史や時代とともに変化する漁業の課題についての考察などが描かれています。

釧網本線「茅沼駅」の場面では、タンチョウを中心とした自然保護と、増えすぎたエゾシカの駆除と言った相反する自然への行動がなぜ起きるのか? 湿原というものが及ぼす地球への影響なども考察しつつ、自然と人間の関係にまで深く突き詰めていきます。

札沼線「新十津川駅」の場面では、北海道農業と本州の農業の違い、また、有機農業と減農薬の農業の違い、様々な農業政策が及ぼす北海道農業への影響、農協(JA)を通じた作物の流通と自主流通の利点と相違点、などなど、農業に関して一般には知り得ない分野を深く考察し、農と暮らしの実際を描いています。

釧網本線「北浜駅」では、昭和40年台に北海道各地を闊歩した「カニ族」が及ぼした北海道の人々の暮らしの変化、国鉄が行った「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンが与えた、人々が旅というものへ求める考え方の変化、ユースホステルの社会的役割や掲げられている理念の捉え方が時代により変化していくさま、などなど、観光に関する深い考察が描かれています。

ここまで書いても、まだ内容の半分にも達しません。

この本は、全国の書店店員が薦める365冊の本の中で見つけたものですが、北海道ローカルの書籍という枠を超えて、日本の構図がかなりよくわかる本です。

私などは、農を中心とした地域のどまんなかに居ながらにして、理解が難しい農業政策や農社会の仕組みについて無知だったところを、かなりよく知ることが出来ました。

この本は、これから社会に出る若者にぜひ読んでいただきたい本です。理屈や理論ではわからない、人々が作り上げてきた様々な社会の仕組みを知る架け橋として最適です。

今日も楽しい1日を過ごしましょう。

※コメントはFacebook,twitterにて承ります。

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