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【会津野】信仰・祭祀費にみるお寺の変遷

2015年07月27日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今朝も青空、22℃の会津野です。昨日、郡山へ会合に行ってきました。その帰りに、猪苗代湖畔に建つ「小平潟天満宮」へ行って参りました。

ここは、京都北野天満宮、九州太宰府天満宮とともに、日本三大天満宮として知られるところで、菅原道真を祀る「学問の神様」の天満宮です。日本の受験期である冬は、この天満宮は厳冬のさなかで、猪苗代湖の「しぶき氷」ーー風で飛ばされた湖水が空気中で凍る現象ーーがみられるほど。冬の参拝者は、残念ながらほとんど見ません。夏でも「パワースポット」という看板がものさびしく鳥居の脇にあるものの、参拝者の姿はあまりみられません。

増田寛也氏の「地方消滅」から始まった流れで、「寺院消滅」(鵜飼秀徳著)という本を読みました。

僧侶で経済記者である著者が、さまざまな社会状況と「寺」の関係を明かし、地域から寺院が消え行くことを考察しています。

宿のすぐ近くの会津坂下町の事例によると、この地方の広がる農村地帯は、江戸期の幕府が奨励した「一村一寺」により、小さな集落でも、お寺が存在します。人口密度と比較すると、極めてお寺の多い地域だそうです。私たちの宿のある寺崎にも、わずか42戸の集落にもかかわらずお寺があります。

お寺は、檀家からのお布施や墓地の管理料などを元に運営しますが、小さな集落ではお寺を支えることが困難で、無住(住職さんがいないこと)のお寺が大半です。しかし、地域の持つ信仰心は旺盛で、地域の人々がお寺の草むしりや掃除など、日々の行いを担い、仏事を行うときには、管理を担当している住職が出向いてくるような形になっています。

一方、都市部のお寺は、人口の割にお寺が少ないため、お布施などを元に、寺そのものが寺の維持運営に努めていることが多い。

これが全国的な、都市と地方の寺の構図となっています。

総務省統計局が、全国の県庁所在地や政令指定都市を中心とした「信仰・祭祀費」という統計をとっています。これは、1世帯が1年間にどのくらい信仰・祭祀費を使うかというもので、2015年のものをみると1位の和歌山市が27,296円に対し、福島市は5,063円です。

福島市も地方都市なので、単純に都市と農村の比較はできませんが、福島市だけが同じ県内と大きく異なることはあまり想定できないので、福島の風土はあまり信仰にお金を使わないと言えます。

「寺院消滅」では、「お寺」は必要だけれど、「僧侶」はカネを食うのでいらないと酷評されています。明治維新以降のこの地域では、僧侶がどんどんと減り、信仰にお金を使わなくなりました。しかし、人々の信仰心は強く、お寺は残っているというのが現状です。

ただこれも、「集落消滅」→「地方消滅」が進むと、お寺の草むしりをする人々がいなくなり、いずれは朽ち果てて消滅してしまいます。

小平潟天満宮では、7月24日・25日に例大祭が行われ、地元の小学生による天神太鼓が奉納された記事が報道されていました。この日ばかりは参拝者で賑わったようですが、結局は地域が信仰を支えているのが実際です。

なんだか、年金がどんどん減り、地域福祉に頼る構図を連想してしまいます。

「お寺」も「老後の暮らし」も、みんなで担う地域共同体を目指していかねばならぬ構図が見えてきました。

今日も素敵な1日を過ごしましょう。

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