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【会津野】「論語と算盤」と「台風と選挙」

2017年10月23日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

昨晩から今朝にかけ、衆議院選挙開票速報と台風21号の情報が、テレビ・ネットに溢れています。

そんななか、新たな情報に接したり、ビジネス書の古典とも言える「論語と算盤(そろばん)」(渋沢栄一著)を、新訳で読んででいます。

渋沢栄一は1840年の生まれ。1868年の明治維新(戊辰の役)を28歳で迎えたお方。幕臣の家に生まれ、明治維新後は官僚として大蔵省の役人として働き、予算編成をめぐりビジネスより政治的な意向が強い大久保利通や大隈重信と対立し、ビジネスの雄である銀行の頭取へと生き方を変えた方です。

この本には「逆境」という項目があります。

いま来ている台風や地震などの自然災害に遭遇した時は、この時代に生まれた宿命として問題解決に向かい自分の役割を全うすべしと説きます。自分の力でなんとかしようと思うと、苦労するばかりで疲れ果て、後の好機をみても策を講じることができなくなるという。

これに反して、自らの行為、結果である人為の逆境の場合は、すべて自分を省みて悪い点を改めるしか方法はないという。世の中のことのたいていは、自分がこうしたいと頑張れば、そのようになっていくが、自らの力で幸福な運命を招くことをやめてしまいがち。かえって自分からいじけた人間となって、さらなる逆境を招くこととなると説きます。

台風の場合は、いま自分ができる役割をしっかりと行い、後の好機を探ることを導いてくれます。

選挙で逆境を迎えた政治家は、不倫疑惑の山尾志桜里さんや、暴言で辞めた豊田真由子さんがいます。また、「排除」という言葉を発した小池百合子さんもそうかもしれない。

山尾さんは不倫疑惑を否定しているが、彼女はこの先に不倫することはないだろうと考える方が多かったのが当選した理由だろう。言動を聴いていると決していじけていない。

豊田真由子さんは、暴言を繰り返さないと考えた方は残念ながら少なかったようだ。

小池百合子さんは、安保法制に賛成する政治家以外を排除するという政治の方針としての踏み絵を迫り逆境を迎えた。これは政治思想なので変えることはできない。さすがに都知事を務める人物だから、いじけることはないだろうけれど、自然災害のときのように、都知事としての役割を全うすることが、とても大切なのではないだろうか。

政治家や官僚の行動・思想がどんな結果を招くかを研究したマックス・ウェーバーを読み解いた渋沢栄一。孔子の論語による教えと、マックス・ウェーバーの教えのうち、日本の風土で適用できることをまとめたのが、この本の教えなんだろうと感じます。

渋沢栄一にとっても古典であった書籍を読み解きをしながら、世の中でビジネスを実践し近代の礎を築いてきた渋沢栄一の書は、読み手に日本で幸せに生きるノウハウを伝えてくれる良書だと、つくづく感じます。

新訳は、現代かなづかいで古典を提供してくれるものなので、とても読みやすいもの。

こんな雨の日に、最高のすばらしい時間を与えてくれます。

今日も素晴らしい1日を過ごしましょう。

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