バロックヴァイオリン 佐藤 泉  Izumi SATO

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「柳川掘割物語」

2015年07月06日 | 日記
高畑 勲監督の映画「かぐや姫の物語」と「柳川掘割物語」を観ました。

どちらの作品も”どんどん失われつつある昔からの日本”を、また”狂い始める前の日本人の良さ”を映画の中に留めて(保存して)おいて下さっていました。
次世代のためにも、よくぞこの様な映画を作って下さったものだと、深く感動、感謝しました。

特に、治水のお仕事をされている方、街づくりをされている方、そして地域社会の一端をになっている全ての方に是非是非見て頂きたいのが、「柳川掘割物語」でした。

かぐや姫の物語は皆さんご覧になっておられるので、触れませんが、その後、長い実写のこの映画、「寝てしまうかなあ?」と思いきやトンでもない


最初はアニメーションにする予定で、取材をされたそうですが、
この広松 伝さん講演のお話を聞いて、
”これはアニメーションでなく、どうしても実写で「柳川掘割物語」を作りたいと思われたそうです。

(手へんの 掘り割が正しいそうですが、当時”堀割”で映画を作ってしまったので、お恥ずかしい・・・と監督が仰っていました。)

日本が貧しかった頃には、弥生時代からの先人の知恵の結晶である 土地や掘割の川が、どこにでもあったそうです。その恩恵を理解せず、昭和の時代に各地で どれほど醜く簡単にそれを失っていったことか。

そこから奇跡の再生を、柳川ではどの様に成し遂げられたのか・・・初めて知りました。

掘って割った 掘割の大小様々の川は、弥生時代から昭和まで、先人が自然と共生するために、絞った知恵と英知の結晶であったことも。

知らずに、昭和30年代以降、簡単にコンクリートで蓋をすることを全国あちこちでしてしまったことも。
最近、すぐに冠水したり床下浸水する理由は、ここにあるのではないでしょうか。記録的な豪雨のせいにしているようだけれど・・・

宮崎駿監督のわかり易い絵の御蔭で、理解しやすく、メッセージもしっかり脳裏に焼き付きました。

日本が特に誇れることは、長きに亘って住める土地へと、作物が取れる土地へとコツコツ作り上げてくれた先人達の知恵と努力に他なりますまい。

それなしに 今の技術大国日本も存在しなかったのだと理解させてくれた映画でした。




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