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カーネル・サンダース、その2!事業成功の鍵を、整理してみよう!

2011年07月22日 | 事例の紹介

カーネル・サンダース、その2

先週は、私(筆者)の母の誕生日。彼女の大好物が、このフライド・チキンなのです。
それで、カーネルのことにまた思いをはせた次第。家族全員で、2ピースずつ食べながら、わたしの頭は、カーネルの人生にとんでいました。

もう一度、振り返ってみましょう。カーネルの発明とされる「フライド・チキン」。
その原点は何だったか!幼少期につくってくれた料理、母の味だった。
けっこう寂しい幼少期だったようです。なにせ、父親をはやく亡くし、さらに母は再婚。
義父とは、とにかく折り合いがわるい。それで、家出してしまうんですね。どうしても母が恋しい。しかし、会えない。そこで、自分でその料理を再現する。

カーネル自身、ひとに優しい気がします。苦労を重ねたからでしょうか。いろんな仕事をして、都度うまくいかなかった。そして、辿りついたのがガソリンスタンド。
ここで持ち前のサービス精神が発揮されます。ヒトに喜んでもらう。これがカーネルにとってなんとも嬉しい。満足そうな客の顔をみること。これが、じっさい金銭以上に仕事にのめりこむことにつながっているようです。

長距離トラックのドライバーを喜ばせようと考えたカフェ。たった1テーブルに椅子が6つ。そこで、お袋の味をだしてみた。もちろん調理から給仕まで、自分だけで。これが思わぬ評判をえることに。なんと、ケンタッキー州からカーネル(colonel)という名誉称号を授与される。日本語に直せば、カーネルは大佐ということになりますが、たぶんドイツにおける職人の資格制度「マイスター」のようなものなのでしょう。

ただ、凄いですね。そういうレシピを考えだすという能力。ヒトってどんな才能があるかは、自分でもわかないということでしょう。

事業環境の変化で、すべてを失ったとき、残ったのはこのレシピだけでした。しかも、年金受給年齢だったのです。ただ、もらえると思っていた年金が、あまりに少なかった。
もしこれが多かったら、このアメリカンドリームは存在しなかったでしょう。

さて、そのレシピはどんなものだったのでしょうか。
ポイントは、3つでした。
(1)使われている鶏は、すべて薬草でそだてたもの。
  自然農法でそだてた薬草(生姜・ニンニク・しなもん・オレガノ)をあたえることで、健康的な鶏に仕上がります。家畜は、つかった飼料によって栄養価もまったくことなるし、味もちがうといいますね。これで第一のヒミツ。

(2)特製調合のスパイス。なんと11種類スパイスを練りこんだもの。この調合こそ、ケンターキーの最大のポイントなのです。
これ、秘密をまもることに徹っしています。なにせ、これが分かってしまえば、どこでも同じようなものができてしまうからですね。
加盟店に納品するまでに、3段階にわけて調合するという徹底ぶり。3回調合しないと、その味にならないといいます。レシピは、本社の金庫に厳重にしまわれ、社の数人しか眼にできないとも。

(3)ケンタッキーのばあい、独自開発の圧力鍋で15分間・185度で揚げます。
だれでも間違いなくでき、肉のジューシーさを保ちながら肉の中心まで火を通す方法ということです。

一般的に家庭でつくる場合、揚げ油160度でゆっくり中心まで火をとおし、最後は190度でキツネ色になるまで揚げますね。もうひとつ確実な方法は、二度揚げというやり方。初めは180度で90秒揚げてから、4分間休ませ、さらに180度で40秒揚げる。
一回休んでから再度あげるという方法は、肉をパサパサにさせないという点ですぐれています。
ケンタッキーで圧力鍋をつかうという方法は、低温にして火を中までとおすという意味でしょう。意外や意外、圧力鍋は蒸らし料理なんですね。だから、15分間・185度は正確ではありません。

【ダントツ商品をささえたダントツ経営】
NHK・ETV、今月(7月)の「仕事学のすすめ」は、建設重機のコマツ山根会長です。
会社を1年で黒字にさせた手腕で有名な方ですね。この山根会長のモットーが、ダントツ経営。
ケンタッキーも、商品だけがダントツだったわけではありません。たしかに他に真似のできない味だったかもしれませんが、それだけではこれほどの規模にはならないはず。商品へのこだわりの他に、経営の基本理念があったということです。それが「Q・S・C」。それぞれアルファベットの頭文字をとっています。「質:クオリティ(Q)」「サービス(S)」「清潔さ:クリーンネス(C)」。この「Q・S・C」、現代でもファーストフード業界の基本となっているといいますから、その先見性は素晴らしいといえるでしょう。

また、企業の社会貢献という考えも、世に先んじて行ったことも驚かせられますね。
これは、「CSR」という考え。Corporate Social Responsibilityで、そもそも企業というのは社会的存在であって、ただ単に利益貢献や法令遵守といった責任を果たすだけでなく、地域や社会全体のあらゆる要請に応え、より高いレベルの社会貢献をはたさねばならない。そのためには、情報公開や対話を積極的に行うべきであるという考えです。
このことは、カーネル自身の次の言葉にあらわれています。『人のために一生懸命サービスする人こそが、もっとも利益を得る人間である』


ダントツの熱意と信念。無一文となったカーネル。厳密には、中古車フォードに衣服や寝具と調理道具一式をもっていたわけで、それをすべて載せて、町をとびだしたといいますね。そして、とにかく片っ端からレストランに飛び込んだ。それしか方法がなかったということでしょう。

車での寝泊りがほとんど。食事も見本でつくった料理を食べながらといいますから、かなりキツかったでしょう。全米をまわりきる積もりだったようです。最初の契約までが実にたいへんでした。

第一号の契約は、ユタ州ソルトレイクシティのピート・ハーマンの店。初めから味には大満足をしめしたピートでしたが、話しがロイヤリティー契約におよぶと難色を示しそうです。何度か交渉をかさね、2週間後にようやく1個あたり4セントで契約することができたといいますから、このあたりの粘りも流石というところでしょう。
しかし、このピートとの出会いで、流れが変わることになります。ピート自身が、とにかく経営にたけた人物で、多店舗化し、自分の店を2百数十店にも増やしたといいますから。
コアなビジネス・パートナーとの出会い。これも大事ですね。しかしそれにしても、ケンタッキーからユタ州まで、2千km以上ありますから、この最初の契約までに辿りつくまでの根性にも驚かされますね。


人間、歳でははかれませんね!
情熱や信念、これが大事だということです。


※カーネルサンダースの肉声がきけます!
http://youtu.be/Wk4Eq8IcQMk









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