読書の森

物語を読むのも書くのも大好きです。読書感想、創作、エッセイなど綴ってまいります。

秘め事

2017-05-20 19:27:17 | エッセイ


忍れど 色に出にけり 我が恋は
ものや思ふと 人の問ふまで

百人一首の平兼盛の歌である。
密かに人を思う苦しさに悩む事は、隠そうとしても人に分かってしまうものだという意味だ。

まさに恋は秘め事である。
大事に隠しておきたい、思う相手を人には絶対知られたくない。

私はこの心理を、若い内、なんと30代まで全く分からない人だった。

「誰さんが好き」と友人に公言して相手を好きになると直ぐにラブレターを出した。
「好きなのに好きと言って何が悪い」と思っていた。
当然周囲の顰蹙を買うは、当の本人からは嫌われるは、散々だった。

「彼女って相当なものね」と言われつけていたが、非常に幼稚でワガママで、しかもただデートというものをしてみたかっただけである。

私のずっと続いた喋り友達は「今度はだれ?」とニヤニヤしながら聞く。
私は目をハートにして答えた。
良く言えば全然隠微でない恋、悪く言えば呆れる程お馬鹿な恋だった。

今、倍以上の年になってひたすら「誰さんが好き」って事は言うまいと思ってる。
なんて言っても遅いが。
勿論婆さんだからです。


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