百余年前描いたアイヌの生活
2011年09月24日
幕末の蝦夷地(えぞち)(北海道)を探検調査した松浦武四郎(1818~88)と、アイヌ民族をテーマにした企画展が松阪市小野江町の松浦武四郎記念館で開かれている。武四郎が自ら描いた機織り姿の「蝦夷人(え・ぞ・びと)機織図」の初公開をはじめ、「蝦夷漫画」(国の重要文化財)など58点が展示されている。10月2日まで。
武四郎は職業画家ではないが、数多くの模写した絵や下書きなどの粉本が残され、画家としての一面もある。「蝦夷人機織図」は1884年、武四郎が67歳ごろの作。男性が樹皮をはぎ、樹皮からとれた繊維で女性が機を織る。「蝦夷漫画」はアイヌ文化のミニ百科事典。ツルの舞う踊りや、神への祈りなど生活の様子が紹介されている。
また、「蝦夷人狩猟之図」はアイヌ民族の男性たちがクマを狩る姿を描いた=写真。当時、クマは大切な食料源であるとともに、山の神の化身とみて儀式をおこない、新たな恵みを祈って神の世界へ送った。そんな男性たちに寄り添って描いた作品だ。現存する国内最古のアイヌ民族衣装とされる樺太地方のアイヌ民族が「いらくさ」という植物の繊維を編んで作った独特の衣装「いらくさ織切伏刺繍文衣(きりぶせししゅうもんい)」(国の重要文化財)も展示されている。
(森山敏男)
http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000001109240008
2011年09月24日
幕末の蝦夷地(えぞち)(北海道)を探検調査した松浦武四郎(1818~88)と、アイヌ民族をテーマにした企画展が松阪市小野江町の松浦武四郎記念館で開かれている。武四郎が自ら描いた機織り姿の「蝦夷人(え・ぞ・びと)機織図」の初公開をはじめ、「蝦夷漫画」(国の重要文化財)など58点が展示されている。10月2日まで。
武四郎は職業画家ではないが、数多くの模写した絵や下書きなどの粉本が残され、画家としての一面もある。「蝦夷人機織図」は1884年、武四郎が67歳ごろの作。男性が樹皮をはぎ、樹皮からとれた繊維で女性が機を織る。「蝦夷漫画」はアイヌ文化のミニ百科事典。ツルの舞う踊りや、神への祈りなど生活の様子が紹介されている。
また、「蝦夷人狩猟之図」はアイヌ民族の男性たちがクマを狩る姿を描いた=写真。当時、クマは大切な食料源であるとともに、山の神の化身とみて儀式をおこない、新たな恵みを祈って神の世界へ送った。そんな男性たちに寄り添って描いた作品だ。現存する国内最古のアイヌ民族衣装とされる樺太地方のアイヌ民族が「いらくさ」という植物の繊維を編んで作った独特の衣装「いらくさ織切伏刺繍文衣(きりぶせししゅうもんい)」(国の重要文化財)も展示されている。
(森山敏男)
http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000001109240008