目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

鷲羽・水晶・雲ノ平・三俣蓮華・双六Part3~水晶岳・雲ノ平

2013-10-14 | 山行~北アルプス

001img_6924水晶岳 標高2986m 祖父岳 2825m 富山県

2013年9月19日(木) 晴れ

コースタイム 水晶小屋6:16--6:50頃 水晶岳(黒岳)6:58--7:35水晶小屋7:45--8:15ワリモ北分岐--9:05祖父岳9:18--スイス庭園--10:30雲ノ平キャンプ場水場10:43--11:05雲ノ平山荘(昼食)11:30--11:55祖母山(アルプス庭園;コーヒータイム)12:25--アラスカ庭園ピストン--13:03奥日本庭園13:25--13:55雲ノ平山荘

5:00過ぎに起床。昨日は敷き布団3枚に2人という微妙なスペースで就寝。お隣に気を遣って寝た分、なんだか頭がどんよりとしている。それよりも前夜の缶ビール(2本しか飲んでいない)で、就寝時に頭痛がしていたせいか。もしかしてこれは、ちょっとした高山病なのだろうか。山の神も頭痛がといっていたので、皆さんもご注意を。

さて、朝食は配膳前に並んで待っていたので、最初の組でありつけた。小屋のトイレが2つしかないので、こちらも並んで待って用を足す。小屋を出たのは、6:16。まずは水晶岳のピストンだ。

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遠くに真っ白な雲海が広がっている

歩き出すと、もう山頂まで行ってきたという御仁が。早い! 山の神と私は、稜線からの景色を楽しみながら最後の岩場を登り、水晶小屋から30分ほどで山頂に到達した(冒頭の写真)。山頂では、昨日小屋で山談義をしたアニキがあとからすぐに到着して、ここからまっすぐ読売新道を下るという。見た目、尾根が延々と続く大変そうなコースだ(下の写真)。

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紅葉が始まった!? 読売新道と立山方面

水晶岳山頂では、見渡す限りほとんど雲がないという恩恵を受け、360度の大展望を堪能できた。昨年の立山三山のときに続いて、白山を拝めるという幸運も得た(下の写真)。

そのうち小屋前で準備運動をしていた団体がやってくる。狭い山頂を長々と占領するつもりらしい。彼らが到着してすぐに山の神と私は下山を始めた。

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雲上に顔を出している白山

下り始めると、昨日アニキ同様に小屋で山談義をしたご夫婦が上ってきた。またどこかで会いましょう。

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水晶小屋へと戻る登山道

水晶小屋にいったん戻り、7:45今度は雲ノ平に向けて出発する。

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祖父岳から雲ノ平を望む

昨日の午後に通過したワリモ北分岐から一気に下って、まずは祖父岳の山頂を目指す。途中踏み跡が不明瞭になり、道を間違ったことに気づいたのだが、そのまま強引に前進を続けた。すると、下の方の正しいルートを逆向きに歩いてきた夫婦が声をかけてくる。お~い、そちらの道が正しいのですか? こちらも大声を張り上げ、こちらは間違いで、そちらが正しいと返す。不思議な縁で、このときのご夫婦とは、雲ノ平山荘で同室になった。

9:05祖父岳山頂に到着。のっぺりと広い山頂で、岩がゴロゴロしている。ガスっていると、道を間違えそうだが、親切にもロープが張られていて、ルートがわかるようになっている。

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左:祖父岳から下って雷鳥を発見 右:イワギキョウ

祖父岳から下っていくと、かつては、そのまま雲ノ平のテント場に下りられた道に通せんぼのロープが張られていた。20代らしき登山者がそこで一眼レフを構えていて、よく見るとロープの先に親子連れの雷鳥がいた。私も急いでデジカメを取り出したが、親子はバラバラになって遠ざかっていく。ああ、もうダメかと思ったら1羽がひょいっと岩の上に飛び上がった。その瞬間を写真に収めた(左上)。

ここからぐるりと巻き道を進み、雲ノ平へ向かう。途中の岩稜では、イワギキョウがきれいに咲いていた。

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左:スイス庭園と薬師岳 右:赤い屋根は高天原山荘

這松の中を抜けていくと、スイス庭園が現れる。右手には、先ほど登ったばかりの水晶岳がでんと存在感を示している。左手には、これまた存在感たっぷりの薬師岳が見えている。スイス庭園の先端まで行き、今度は谷筋に目を落とすと、赤い屋根が見えた。あんなところに何か作業小屋があるのかと思って地図を広げると、それは秘湯とランプの小屋で有名な高天原山荘だった。

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左:雲ノ平山荘 右:祖母岳の木道。振り返ると山の神

スイス庭園から雷岩へ移動し、そこからテント場へと木道を下っていく。ここ雲ノ平では飲み水が貴重なので、水汲みへ向かうのだ。数張りのテントがあるのみで閑散としたテント場のはずれ、少し登ったところに水場があった。勢いよく水が流れ出ている。ここで、空のボトルや水筒にめいっぱい水をつめた。

11:05雲ノ平山荘に到着する。外のベンチで、水晶小屋でつくってもらったおにぎり弁当を山の神と食べる。おにぎりの咀嚼を繰り返し、いい眺めだの言葉も繰り返し言っては、きれいな円錐形をした笠ヶ岳に見入っていた。遠くから見ると本当に笠の形。見まごうかたなき笠だ。

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アルプス庭園から、きれいな円錐に見える笠ヶ岳

11:30食事を終えて、雲ノ平を散策することにした。まずは、祖母岳(アルプス庭園)。山荘下の木道を進み左折し、どんどん上っていくと、祖母岳の標示があった。今日はもうここ雲ノ平でゆっくりする予定だからと、コーヒーを淹れることにした。おあつらえ向きのテーブルもある。コーヒー豆にお湯を注ぎドリップ。香りがいい。そしてすばらしい景色を見ながら飲む。至福のひとときだ。

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2点とも:祖母岳(アルプス庭園)

祖母岳でくつろいだあとは、木道をひたすら進み、アラスカ庭園へ向かう。アラスカというのはこんな景色なのかなと言いながら進み、だんだん藪っぽくなったところで、きびすを返した。そして奥日本庭園のベンチでひと休み。ぼちぼち雲ノ平山荘に戻ろうかとなった。それにしても人が少ない。アラスカ庭園以降すれ違ったのは1人だけで、ほかには誰にも会わない。

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雲ノ平山荘から中秋の名月を愛でる。左は水晶岳

13:55雲ノ平山荘に入る。山の神とケーキセットをオーダーしてまったり。ちなみにマロンケーキとコーヒーで¥900だった。

山荘の晩ご飯は、石狩鍋ふうで粕汁に具が煮込んである。鍋をつつきながら、いつの間にやらそここで会話がはずんでいた。食事後のロビーでは、アートな会話に花が咲いた。最近カメラを始めたという彼は、遠くの小屋の明かりにピントを合わせ、シャッターを20秒間開けて撮ると、星空がきれいに撮れると、鏡平で仕入れた情報をさっそく皆に開陳していた。一方では、スケッチブック片手にお絵描き山行を続けるアーティストもいた。なかなかの腕前だが、まだ趣味で始めて10年だという。個性的な面々が集まった、楽しい満月の夜となった。

 

Part4~三俣蓮華・双六へ続く
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エピローグ~遭難考へとぶ

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