合気道鴻心館《明月会》Meigetsukai

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鍛冶屋 内弟子.6

2016年11月21日 | 合気道
・伝える業ー学び取る人

 祖父の鍛冶屋には、宮大工の世界などと同じく

 師(親方)・兄弟子・後輩の新弟子・親方の家族という構成で

 鍛冶の技術が受け継がれていきました。

 今のように、マニュアルや作業書、仕様書など当然ながら一切

 ありませんでした。

 弟子たちは、未来の仕事を夢見て、技を身につけていきます。

 でも、だからと言って兄弟子たちや師匠は手取り教えてくれるもではありません。

 まして言葉でもそんなに教えてくれるものではありません。

 これは意地悪ではなくて

 それでも技術・技能は伝わっていくものなのでした。

 向上心があるものは
 
 極端ですが、殴られようと、罵倒されようと

 技を手に入れようと、身につけるための渇望感というものは

 それはそれはなみなみならないものがあります。

 親方のする、振り下ろす槌の一挙手一投足を見逃さないように見ています。

 鍛冶屋は狭い空間、作業場なので

 鍛冶仕事の行程すべてを見る事が出来ます。

 任されている仕事がたとえ、どんなに小さなものであっても

 それが仕上がっるまでの工程のどれなのかを

 理解できます。

 この全体像を見るという事。

 それは、大手製造業なんかでは難しいものです。

 また後輩弟子がした仕事を、即座にチェックでき

 すぐさまやり直しができるという実践的な空間でもあるため

 技術・技能の習得も案外スムーズに運びます。

 鍛冶職では、

 技の伝達以外にも案外重要なものがあります。

 伝えるのは技だけではありません。

 ヒューマンエラーの指針となる「行動」

 つまり職人としての自覚というものも暗黙の了解で

 教えられます。

 

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