名古屋の 商標亭  −あいぎ特許事務所弁理士 ひろたのブログ−
いらっしゃいませ。商標登録、商標出願などに関する商標づくしのお料理を種類豊富にご用意しております。


 年末年始は飲みすぎ食べすぎで「たのむ!」した方も多かったのでは?
 そんな黒烏龍茶の事件の続きです。

 昨日は、被告が製造販売していた商品Aには不正競争防止法2条1項1号適用が認められ、商品Bには認められなかった…というハナシでした。

 今日は、被告の比較広告1・比較広告2について不正競争防止法2条1項14号適用が認められるか、比較広告1・比較広告2は原告商標権の侵害になるか、原告商品の著作物性が認められるかなどについて。

 まずは被告の比較広告のおさらいを。
 
  比較広告1:ウェブサイトにおいて、原告商品の画像5本半分(2リットル相当)と被告ら商品Bの1包の画像との間に「>」の記号を付し、その下に「1包のティーバッグで2リットルのペットボトル1本を作る事ができます!」と表示。

 比較広告2:比較広告1に加え、さらに、「烏龍茶ポリフェノール含有量2070mg 約70倍サントリーなんかまだうすい!」と表示。
 
 1.被告の比較広告1・比較広告2について不正競争防止法2条1項14号(虚偽事実告知)適用が認められるか(判決文73頁~77頁)。
 
 そもそも
 『不正競争防止法上2条1項14号にいう「他人の営業上の信用を害する虚偽の事実」とは,他人の社会的評価,すなわち,一般需要者の視点から見た評価を低下させ,又は低下させるおそれがあるような事実であり,かつ,それを告知又は流布する者の主観的認識とは関係なく,客観的真実に反する事実をいうものと解すべきである。
 という前提が示されました。
 
  そして、比較広告1・比較広告2は、こんなものでした。
 『本件比較広告1では,被告ら商品Bのティーバッグ1包で350ミリリットル入りペットボトル5本半分の原告商品が含有する量よりも多くのウーロン茶重合ポリフェノールを含むウーロン茶を作れることを,本件比較広告2では,被告ら商品Bの単位量当たりのウーロン茶重合ポリフェノール含有量が原告商品のそれの約70倍であり,原告商品のウーロン茶重合ポリフェノールの濃度が被告ら商品Bのそれに比して相当薄いことを,それぞれ示しているものと解釈することができる。

 ところが、前提となる事実、証拠及び弁論の全趣旨からすると…
 『一般需要者が,本件各比較広告が掲載されたウェブサイト又は被告ら商品Bの包装パッケージの各記載に基づき,通常認識するはずの方法によって作られた被告ら商品Bのウーロン茶重合ポリフェノールの含有量は,350ミリリットル当たり47.6ミリグラムであり,他方,原告商品のそれは,350ミリリットル当たり70ミリグラムであるから,両者の単位量当たりのウーロン茶重合ポリフェノール含有量を比較すると,原告商品の方が多く,よって,その濃度は原告商品の方が濃いといえる。

 そうすると、
 『上記のように解釈される本件比較広告1及び本件比較広告2は,いずれも,客観的真実に反する虚偽の事実であり,かつ,一般需要者に対して原告商品の品質が被告ら商品Bに劣るとの印象を与え,原告の社会的評価を低下させるおそれのある事実であると認められる。

 云々…ということで、被告の比較広告1・比較広告2については不正競争防止法2条1項14号適用が認められました。

 2.被告が比較広告を掲載するに当たり、故意又は過失を有していたか(判決文78頁~79頁)。
 
 これについては、次のように判断されました。
 『比較広告を掲載する者は,比較広告を掲載するに当たり,内容が虚偽の事実に基づかないようにその真実性を十分調査すべき義務があることは当然であって,被告オールライフサービスにおいても,原告の商品と自己の商品を比較する内容の本件各比較広告をインターネット上に掲載するに当たり,虚偽の事実によって原告の営業上の信用を害することがないよう,上記広告の内容の真実性を十分調査してから掲載すべき注意義務を負っていたものと認められる。それにもかかわらず,上記注意義務に反して,上記4のとおり,不正競争防止法2条1項14号に該当する本件各比較広告を掲載したのであるから,少なくとも,被告オールライフサービスは,同号違反についての過失を有するものと認めることができる。

 云々…ということで、過失を有していたと認められました。

 3.被告の比較広告1・比較広告2は原告商標権の侵害になるか(判決文79頁)。

 もう一度おさらいすると、原告の登録商標は次の2つでした。
 「サントリー」(商標登録第4553625号)、「Suntory」(商標登録第4539080号)

 で、比較広告1・比較広告2でこれら登録商標を表示したことが、商標権侵害となるか否か。
 これについては、次のように判断されました。
 『
被告オールライフサービスは,本件各比較広告において,被告ら商品Bの含有成分の量と原告商品のそれとを比較し,前者の方が優れていることを示すことで,被告ら商品Bの宣伝を行うために,原告商品に付された本件各登録商標を使用したものと認められ,これに接した一般需要者も,そのように認識するのが通常であるといえる。
 したがって,被告オールライフサービスによる本件各登録商標の使用は,比較の対象である原告商品を示し,その宣伝内容を説明するための記述的表示であって,自他商品の識別機能を果たす態様で使用されたものではないというべきであり,商標として使用されたものとは認められない。


 ということで、商標権侵害は認められませんでした。
 
 4.原告商品の著作物性が認められるか(判決文79頁~80頁)。
 (原告側、この主張、言ってみただけ??)
 
 ご想像のとおり、原告商品については、
 『
~一定の工夫が認められるものの,それらを勘案しても,社会通念上,鑑賞の対象とされるものとまでは認められない。
 したがって,本件デザインは,いわゆる応用美術の領域に属するものであって,かつ,純粋美術と同視し得るとまでは認められないから,その点において,著作物性を認めることができない。

 と判断されました。

 
 …本日は以上です。長かった…

 ところで、比較広告って、やはり危ない橋的な手法な気が。
 一歩間違えると、不正競争防止法や商標法だけでなく、民法の不法行為法やら景品表示法やら…色んな法律に引っかかってくるわけで…。

 ということで、明日もまた読んでくださる方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
  ↓↓↓
 

著作権の争点についてはこちらが詳しいです!→駒沢公園行政書士事務所日記「サントリー黒烏龍茶比較広告事件~不正競争防止法 不正競争行為差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)~」
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