名古屋の 商標亭  −あいぎ特許事務所弁理士 ひろたのブログ−
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 便利師も走る師走?いや、弁理士でした。何だかアタフタ、バタバタしているのに、こんなときに限って体調は最悪…。そういうわけで先週はこのブログもサボりがちに。なんとか年末まで持ちこたえましょう。

 さて、先週に尻切れトンボになっていた「ごはんや まいどおおきに ○○食堂」と「めしや食堂」の事件の続きです。あ、ちなみに「○○食堂」の「○○」は地名が入ります。

 メインの争点は、
 (1)「めしや食堂」の表示(こちらを参照)は「ごはんや まいどおおきに ○○食堂」の表示(こちらを参照)と類似するか。
 
 しがない一定食屋ユーザーとしては、間違えることもなさそうな…。
 
 と思ったら、裁判所もそんな結論を(基本的には原審を支持)。要点をかい摘むと以下のとおり。
 『・「ごはんや まいどおおきに ○○食堂」のうち、「ごはんや」「○○食堂」の部分は、役務の提供の場所、提供の用に供する物を普通に用いられる方法で表示するものにすぎないから、「まいどおおきに食堂」が高い識別性を有する部分である。だから、「ごはんやまいどおおきに(食堂)○○食堂」か「まいどおおきに(食堂)」が要部となる。
 ・一方「めしや食堂」のうち、「めしや」の部分に被告(被控訴人)の営業主体の識別力が存在すると認められる(被告は「ザめしや」「めしやっこ」等「めしや」のブランドによる店舗を相当数有している)。よって、「めしや食堂」か「めしや」が要部となる。
 ・すると、「ごはんやまいどおおきに(食堂)○○食堂」か「まいどおおきに(食堂)」と、「めしや食堂」か「めしや」では、称呼・外観・観念が類似するとは認められず、「食堂」の部分等が共通するといっても、とりわけ外観・称呼においては相違が大きく、双方の表示が類似するとは認められない。


 次にサブの争点ですが、
 (2)「めしや食堂」の店舗の外観は全体として「ごはんや まいどおおきに 食堂」の店舗の外観と類似するか。
 
 店舗の外観として比較されたのは、看板・ポール看板、外部の木目調メニュー看板、店舗脇に設置された幟、店舗内部のメニュー看板、玉子焼き専用の注文を受けてから焼くコーナーであることを示す表示、カウンターの上に置かれたカフェテリア方式の3列の陳列台等です。
 ちなみに、名古屋南東部にある「○○食堂」の玉子焼きはおいしいです。

 裁判所はまず『店舗外観全体が類似するというためには少なくとも、特徴的ないし主要な構成部分が同一であるか著しく類似しており、その結果、飲食店の利用者が、当該店舗の営業主体が同一であるとの誤認混同を生じさせる客観的なおそれがあることを要する』と述べた上で、
 『双方の店舗外観において最も特徴がありかつ主要な構成要素として需要者の目を惹くのは、店舗看板とポール看板というべきであるが、これらは類似しないので、この相違点が店舗外観の全体の印象、雰囲気等に及ぼす影響はそもそも大きいというべきである。
 そして、外装については、木目調メニュー看板、店舗脇に設置された幟等にいずれも軽視し得ない相違点がある。また内装については、玉子焼き専用の注文を受けてから焼くコーナーであることを示す表示、カウンターの上に置かれたカフェテリア方式の3列の陳列台等が共通しているといっても、こういう飲食店ではありふれた店構えだから、類似性を基礎づける事情とすることはできない。

 等ということで、店舗外観は全体として類似するとは認められない、としました。

 我が家では、「めしや食堂」と「○○食堂」は、明確に区別されています。名古屋の栄にあるのは「めしや食堂」。岩登りの帰りに寄るのは「○○食堂」。
 一般ユーザーも営業主体を誤認混同していないという証拠になりますか?

 本日はこの辺で。
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コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
Unknown (hisashi49)
2007-12-17 13:27:37
今回も興味深いテーマですね。
両者、全国展開の会社と、関西と東海に展開している会社という違いがあるようですね。そこにどのような戦略的な違いがあるのでしょうかね。
全国となると、味覚の違いが如実に現れることかと思うのですが。
文中「○○食堂」の玉子焼きはおいしいですとありますね。
思い出したことがあります。
青森県弘前市にある「津軽じょんがら」の聴ける居酒屋さんでのこと。
春の桜祭り期間は個別の注文ができず、固定メニュー限定でしたが、中に「玉子焼き」がありました。
私は驚きましたが、弘前の玉子焼きは味付けがありません。食べる方が醤油なり、塩なりを付けていただくのだとか。
弘前の方に言わせると「これがここの食べ方」なのだそうです。
それでは、先の全国展開の会社は、どのような玉子焼きを出すのか興味ありますね。
 
 
 
Unknown (ひろた)
2007-12-18 08:28:16
こんにちは。また返事が遅れて申し訳ありません。
全国展開の場合、地方によって味を変えないといけないのでしょうね。
そういえば「○○食堂」の玉子焼きも味付けされていなかったような。熱々の出来立てに醤油をかけて食べています。
…とここまで書いて思ったのですが、「○○食堂」の正式名称(?)が「ごはんや まいどおおきに食堂」とは、これまで気付きませんでした。我が家では「○○食堂」と称していました。他のユーザーはどう呼んでいるのでしょうか。
 
 
 
Unknown (hisashi49)
2007-12-18 10:08:39
お返事が早いとか、遅いとか、誰も申しておりません。お気になさらずに。
玉子焼きが続きます。
鹿児島空港から車で15分。
元の隼人町と国分市の境にある緩やかな峠に地鶏の店があります。生食の地鶏も、七輪で焼く地鶏も良いのですが、その卵を使った玉子焼きは塩味のみで本来の甘味を際立たせる優れものでした。
芋焼酎には勿論、炊き立てのご飯にも最高です。
あれ、話の方向がおかしいですね。
失礼しました。では、このへんで。
 
 
 
Unknown (ひろた)
2007-12-18 19:20:54
地鶏の玉子焼きと炊きたてご飯と焼酎ですか。極楽でしょうね…
たまにはそういう旅がしたいなぁ~
 
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